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今までどおりの公共投資で景気が良くならない理由
例を挙げて説明いたします。
皆様は、経験されているでしょうか。トイレットペーパー騒ぎがあったあの頃と、現在にに分けて考えてみましょう。公共工事としては、道路のアスファルト舗装を考えます。物価がかなり違いますが、平均で3倍とします。
例としては、かなり過激ですが、大きな間違いは、ないと思います。
時代 今は、遠い昔のこととなったトイレットペーパー騒ぎがあったあの頃 現在
業者の現況 業者Aは、創業間もない舗装業者です。道路舗装の下請けをしていましたが、やはり直接「官」より契約を受けるのが、利益も大きいし、仕事も安定すると考えました。直接請け負うための、「官」の条件をクリアーするために、若い技術者・作業機器等を揃えました。かなりの出費でしたが、銀行から借り入れました。 業者Aは、成熟した業者になってしまいました。「バブルの頃は、良かった」というのが社長や従業員の口癖です。社長・社員とも高齢化してしまいました。作業用機器は、バブルの頃揃えた機器があります。少し古いですが、充分に使えます。
請け負った仕事 年度末工事として請け負った300万の舗装工事 年度末工事として請け負った900万の舗装工事
工事の仕方 始めて「官」から請け負った工事です。社長・担当の技術者等は、充分に気を付けながら工事をしますが、何分不慣れなため官側監督官より叱責を受けることしきりです。社長は、赤字覚悟で精神誠意がんばって仕事をするようします。その為に新たな、大型機器・新型機器を購入し何とか工事を終えます。 充分に経験を積んだ従業員は、問題なく工事をこなした行きます。途中で思いがけなく作業用機器が故障しますが、新に購入することなしに、借り入れあるいは、修理でこの場は、難なく乗りきります。
工事の利益 材料代100万円
人件費100万円
で100万円の利益が一応上がりましたが、機器購入のため2000万円を借金することになりました。
材料代200万円(官側積算では、300万だが材料の値下がりによる。材料代の中には、外国産品が、50万円含む。)
人件費500万円
で一応200万円の利益が上がる。
利益の分配 100万円の利益の内
50万円を借金返済残りで国内社員旅行・福利厚生費として使う。
200万円の利益の内
バブルの時の借金の返済に100万円残りで海外旅行を楽しむ。
業者のその後 誠実な対応で「官」には、指名を受けるもとになる。また大型・新型機器の購入などのに依って、競争力がつき、順調に受注を増やしていく。 仕事は、先細りで少なくなってきている。景気刺激策として少しの仕事を、同業者間で奪い合っている状況は、変わらない。いつ破産してもいい状況
公共工事は、道路を走りやすくするために舗装工事するだけでなく、経済的波及効果、即ち税金を使ったことによって国内の需要を喚起し、また道路が走りやすくなったために産業が活性化することを願ってしています。
この工事の
直接の
経済的波及効果
について
直接的な消費は、
材料代100万円
人件費100万円ですが
作業機器代2000万円も使っています。
また利益の100万円についても、国内の社員旅行やその他社員の福利厚生のための費用として国内で消費しているので
合計2300万円
材料代150万円
人件費500万円
合計650万円
借金の返済・海外旅行は、国内消費と結びつかない。
また、材料代の内に外国産品が、含まれている場合は、それも国内消費に結びついていない。
この工事の
間接の
経済的波及効果
について
上記材料代・人件費・作業機器代を支払ったことによりそれぞれ次のような経済的波及効果がある。
 材料代
材料を売り上げたアスファルトコンクリートの製造工場では、これからより多くの製品が売れると予測すると新しい生産ラインの投資が始まります。
 人件費
給料を得た従業員は、新しい電化製品(この時代ですので日本製品)を購入したり国内旅行に行ったり、あるいは、また頑張って国産車を購入するかも知れません。
 作業機器代
建設機械製造メーカーは、公共投資がこの先行われると見ると、フル生産になり新しい生産ラインを、発注するかも知れません。

間接的経済的波及効果
 良く分かりませんが、景気が良くなると確固たる信頼があれば、
1000万円くらい(根拠はないですがもっとあると思います。)
左と同じように、上記材料代・人件費・作業機器代を支払ったことによりそれぞれ次のような経済的波及効果がある。
 材料代
材料を売り上げたアスファルトコンクリートの製造工場では、余剰生産ラインを抱えています。生産の縮小は、あっても拡大は、無いでしょう。
 人件費
給料を得た従業員は、勝ち組として消費生活をします。しかしながら電化製品等は、既に家にあります。新しく買うのは、安い中国製か、ステータスを得るため、独製自動車を購入するでしょう。これらには、経済的波及効果はありません。
 作業機器代
上記例では、新しい作業機器の購入はありませんが、もしあったとしても次のようです。建設機械製造メーカーは、仕事が先細りであると確信しています。新しい生産ラインを、発注する事は、絶対にありません。もし、利益が出ても借入金の返済になるでしょう。

間接的経済的波及効果
 少しはあるでしょうから
100万円くらい
道路が走りやすくなったために産業が活性化することの間接的経済的波及効果について 確かにこの効果はあると思います。道路が良くなると、流通が活発になり、都会と地方の差がなくなります。その為、自給自足的な地方の生活が都会の消費生活になってしまいます。
この効果を、お金に換算するとどれくらいになるか、まったくわかりませんが、少なくはないと思います。
現在においては、この効果は、本当に少しになっています。新しい道といっても、相当な田舎で利用する人は、ほんの少しです。日本中本当に良くなっていますので今更その様な道は、必要ないと思います。
この効果を、お金に換算するとどれくらいになるか、まったくわかりませんが、多くはないと思います。
結論 上記例は、極端かも知れませんが、300万円が、3300万円の効果がありました。よく知られているニューディール政策は、初めてだから、歴史に残るような効果があったのでしょう。 同じく上記例は、極端かも知れませんが、900万円が、750万円になってしまいました。経済が終局を迎えた今は、公共投資は、何も役に立たないと思います。財政赤字を生むだけです。