超電磁ロボ コン・バトラーV

放映

昭和51年4月17日〜昭和52年5月28日、全54回
NET系
毎週土曜18時〜18時30分

概要

キャンベル星人による地球侵略が開始された。 キャンベル星人は宇宙で捕らえた生物をサイボーグ化したどれい獣を送り込み、地球を襲わせた。 その圧倒的力の前に従来兵器ではなす術がない。 だがそれを予見していた南原博士はキャンベル星人に対抗すべく南原コネクションを設立し、更には最新鋭の科学技術を駆使して作られた最強のロボット、コンバトラーVを完成させていた。

コンバトラーVは5機のバトルマシンが合体(コンバイン)して完成する。 かくして日本中から5人の若者がパイロットとして選ばれ南原コネクションに集められ、日本の、いや世界の平和を守るために戦いを開始したのだ。 そしてその戦いのさなかに南原博士は息を引き取り、その親友である四谷博士が南原コネクションを引き継いだ。

長く続く戦い。 そしてようやくキャンベル星の大将軍ガルーダとオレアナは滅び、世界に平和がもたらされた。 しかしそれも束の間だった。

キャンベル星より新たに女帝ジャネラが派遣され、より強力なマグマ獣が繰り出されるようになったのだ。 そこでコンバトラーもまたパワーアップし、それに対抗する。

更に激化する戦いの末、ついにマグマ獣を総動員した最後の戦いが始まる。
そしてその結末に待つものは…?

解説

さて、問題です。 熱血リーダー、ニヒルなNo.2、デブ、紅一点、最後の1人は最年少、という5人組と言えば何?

え、このコンバトラーVだろって?
ブブーッ、残念でした。
正解は「科学忍者隊ガッチャマン」でした!

何?
「秘密戦隊ゴレンジャー」だって?
うーむ、おぬし、なかなかやるな。

とまあ、この5人グループの構成ってのは非常にありがちなスタンダードパターンなわけだけど、それをロボットもので初めてやったのがこの作品。 「ゲッターロボ」が作り出した合体ロボットもののパターンを見事に完成させてしまった。

そもそもこの作品は、「ゲッターロボ」の合理性の無さに煮えを切らした東映本社が自ら制作に乗り出したもの。 いや、別に科学的になっとらん!という理由じゃなくて、単に合体おもちゃが作れない!というものだったんだけど。 でもスポンサーは神様だから、これは非常に重要な理由なわけやね。 それで東映は最初から玩具展開まで考慮して企画を進めていった。

という経緯をたどっているわけだから、玩具展開も凄かった。 ポピニカで全5機のバトルマシンが発売されて、しかもそれがちゃんと合体する。 更にはコンバトラーVの超合金、DX超合金やジャンボマシンダー。 バトルマシンのプラモもしっかり発売されて、これまたしっかり合体する。 コンバトラーVも、超合金だろうが何だろうが、例えばグランダッシャーに変形できたりした。 なんとも凄まじい。

更に作品に関して特筆すべきは、そこに登場するキャラクター達。 なんと言ってもエポックメーキングなのが、大将軍ガルーダと南原ちずる。

ガルーダは、敵役に美形男性キャラを配置するという点で非常に斬新だった。 これが女性ファンを魅了し、後の作品にも大きな影響を与える。 性格なんかも非常に良かったし、敵側のドラマを深めるという意味でも画期的。 その誇り高き最期はゲームのスーパーロボット大戦で誰でも知ってるだろう。

しかし後半、ジャネラ達が出てきてからは敵がパターンな連中に成り下がってしまい、逆に作品がトーンダウンしてしまったような感じがする。 マグマ獣も、どれい獣と何が違うのかよく分からないし。少し残念。

そして南原ちずる。間違いなくアニメ美少女史にその名を残す名ヒロインだ。 安彦良和デザインのその見目麗しさもさることながら、性格その他もOK。 所詮はヤラレ役に過ぎなかった弓さやかとは違って、れっきとしたコンバトラーチームの一員。他の4人と立場は対等。 やる時はやるとばかり、敵兵士相手に大立ち回りをやったりする。あのミニスカの隊員服で。 で、気が強いかと思えば可愛らしい面やけなげな面も見せるし、ピアノとかも上手だし頭もいいし、とまあ典型的すぎるほどの隙のないヒロイン。

更にもうひとつ、これを外すとファンに怒られるだろうと思われるのがシャワーシーン(笑)。 シャワーを浴びるアニメヒロインというのは初めてだった(らしい)。 これによってアニメ界に衝撃をもたらしたのだ。 それから、ちずるは衣装も豊富。 レオタード、ビキニ、パーティードレス、などなど様々なコスプレ(ちゃうっつーの)を見せてくれる。

あ、ちなみにちずるの隊員服は南原コネクションの制服らしく、他の女性職員も色違いだけど同じ服を着ているようだ。

とにかく何かと話題に事欠かないこのコンバトラーV。 ロボットアニメを語る上で避けては通れない作品であるのでぜひ見るべし。

さあ、あなたも一緒に、レェェッツ! コ・ン・バ・イ・ン!!

登場人物

葵豹馬(三ツ矢雄二)
バトルジェットのパイロット。コンバトラーVのメイン操縦者でもある。 バイクの運転は超一級。幼い頃に交通事故で両親を失い、施設の太陽学園で育った。 そのため仲間が親の話で盛り上がったりすると1人すねたりするのだが、彼の知り合いにはトップレーサーやら大富豪の養女やらがいたりして、彼の人脈は非常に豊富。 仲間内では一番友人には恵まれているかもしんない。
第6話でガルーダに撃たれて両腕を失い、人工細胞で作られた腕を取り付けてある。一時はその腕が拒否反応を示したりもしたが、それも克服。 なかなかの努力家である一方、感情に流されやすい部分もある。
いつの間にやら、ちずるとラブラブな関係になる。 最終回でバトルチーム解散後、ちずると共に南原コネクションに残ったようだ。
浪花十三(山田俊司)
バトルクラッシャーのパイロット。ご存知、芸人風関西弁を操る謎の男。誕生日は4月1日らしい。 射撃の腕はオリンピック級。さすがに優秀な刑事二人に射撃を仕込まれただけのことはある。(第8話、第51話) ドライな性格で豹馬とは何かと反発しあうが、結構いいコンビである。
ゲーム・スーパーロボット大戦Fの解説で、この名前を「なにわじゅうそう」と読んでしまったと書いてあり、大笑いしてしまった。 つっても大阪を知らないと分からんだろうけど。
西川大作(たてかべ和也)
バトルタンクのパイロット。九州出身で柔道が得意。 外見もいかにも体育会系の巨体だが、なぜかマンガ家志望。が、この設定はほとんど生きてなかった。 巨体に似合わずゴキブリが苦手。
私は十三より大作の言葉の方が気になるのだが、彼の方言は正しいのだろうか。
南原ちずる(上田みゆき)
バトルマリンのパイロット。南原博士の孫娘で、頭脳明晰、スポーツ万能、容姿端麗と典型的な万能型ヒロイン。 シャワーシーンを確立したキャラとしても有名。そのシーンは第16話、第31話、第40話で見られるので要チェック。
豹馬のことが好きなのだが、そのことに自分が気付いたのは第31話になってから。そしていつの間にやら周囲公認の仲になる。
第43話で一度だけ豹馬の代わりに超電磁スピンを放っている。バトルマリンからも超電磁スピンを制御できるとは、コンバトラーってどうなっとるんや。
更に、実は白鳥健太郎という息子がいるらしい。(特撮ネタは控えろって)
北小介(千々松幸子)
バトルクラフトのパイロット。アメリカの大学を主席で卒業した天才小学生。 が、まだおねしょしたりもする。ところで当然小学校に通っている様子はないが、いいのか? アメリカの学位なんか日本の義務教育の前には関係なかろうに。 ちなみに両親は北海道でマリモの研究をしている。
ダブダブの隊員服を着ているが、栄光のコンバトラー隊員なんだからちゃんとサイズの合う服を支給してやったらいいのに。
四谷博士(富田耕生)
南原博士の友人で、自然が大好き。南原博士亡き後、南原コネクションを指揮する。豹馬からは「おっちゃん」と呼ばれている。 酒が大好きで、作戦指示の時でもウイスキーをラッパ飲みしたりしている。 が、その割には酔っているところはあまり見られない。実はとんでもない酒豪のようだ。 とか言いつつ酔って暴れることもあるらしく、初登場は留置所の中。
ロペット(野沢雅子)
5人の脳波を測定してコンバインを制御するために作られたロボット。 5人の脳波が一致すると
「コンバインOK、コンバインOK」
と言ってコンバインが開始される。どうして脳波が一致しないとコンバインできないのかはよく分からん。
なお、コンバインのプロセスもロペットが制御しているらしく、パイロットの意志に関わらず、しかも脳波が一致していなくてもコンバインは実行できるようだ。 ただし脳波が一致していないとまともに合体できない。なぜかはやっぱりよく分からん。
体から飲み物なんかを出してくれたり、感情が豊かで恋をしたりもする、マスコット的存在でもある。 と思いきや、足に爆弾を仕込んでたりして結構ぶっそうなロボット。
南原博士(納谷悟朗)
南原コネクションとコンバトラーVを作り上げた張本人。 すなわち、国連のバックアップを得て、平和憲法下の日本国内であんな世界最強の超攻撃兵器を作り上げた人。 そして国家権力を濫用して、事情も知らせず小学生を含む4人の若者を招集して、自分の孫娘まで加えて強制的に戦闘兵器の操縦士に仕立て上げた人。 温厚な爺さんに見えるが、なんとも恐ろしい人だ。
第2話でどれい獣ゾンビのせいで重傷を負い、更に第3話でどれい獣ゼンダの襲撃に巻き込まれ、四谷博士に後を託して死亡してしまう。
が、もし死んでいなければ、実はその正体は仮面ライダーの全ての悪の組織の首領だと判明していたに違いない。(だから特撮ネタはやめろってば)
金太&千恵
第29話から登場した、コックの木兵衛さんの二人の子供。年齢は幼稚園くらい。ケロッペという蛙をペットにしている。 第30話で小介のおねしょをネタにしてカエルのロボット・ケロットを作ってもらい、戦いにしゃしゃり出る。 この手のロボットの役得として、どんな激戦に首を突っ込んでも破壊されないし、役に立たないようで忘れた頃に役に立つ。
オレアナ(野沢雅子)
地底深くの空洞に佇む巨大な像。その正体はキャンベル星人の女性科学者の脳を移植したコンピューター。 キャンベル星から地球侵略のために派遣された。第26話で真実を知ったガルーダに破壊される。
大将軍ガルーダ(市川治)
キャンベル星人の戦闘司令官で、空中戦艦グレイドンの指揮を執る。普段は美少年の姿だが、鳥人の姿にもなる。 オレアナを母と慕い、キャンベル星人の誇りをかけてコンバトラーVに挑む。 だが第25話で自らがオレアナに作られたロボットであることを知り、第26話でビッグガルーダを操りオレアナを倒してコンバトラーVに最後の戦いを挑み、ミーアの遺体(?)を抱いたまま散る。
ミーア(千々松幸子)
ガルーダをなぐさめる役目のハーフロボット。 ハーフロボットとは半分だけロボットのサイボーグではなく、ホントに半分しかないロボット(要するに上半身しかない)である。 オルゴール型の転移装置を使って所定の場所を移動できる。
ガルーダを慕っており、第25話でオレアナから彼がクビになると聞いてそれを防ぐべく、どれい獣デモンに乗り込みコンバトラーVに挑むが敗れる。 そしてガルーダを救うために超電磁スピンの前に身を投げ出し、死亡(?)する。
ちなみに彼女の最後の戦いの様子は、声だけ聞いてると豹馬と小介が戦ってるようにしか聞こえん。
ギルア司令(緒方賢一)
戦闘作戦区司令のハーフロボット。 ガルーダが首になった後、自分がその後任だと喜んでいたが、乗っていたグレイドンが超電磁スピン投げ(なんやねんこれ)を食らって一緒に爆発する。
女帝ジャネラ(つかせのりこ)
第27話から登場した、キャンベル星の新しい指揮官。怒ると顔が化け物のように豹変する。 杖をふりかざすとワルキメデスとダンゲルの頭がしめつけられ、彼らに激痛を与えることができる。これで二人を従えている。 最終回で自ら要塞セント・マグマに乗って出撃し、コンバトラーに敗れ去ってセント・マグマと運命を共にする。
総統ワルキメデス(市川治)
第27話から登場したキャンベル星人。空中戦艦ブランブルの指揮官で、マグマ獣の製作を担当する。狡猾な性格。 弟のダンゲルとはその性格の違いから何かと反発しあうが、ダンゲルが死んだ時はかなりショックを受けていた。やはり兄弟ということか。 最後にはジャネラの手でその脳をメカワルキメデスに移植されてしまう。 そのためセント・マグマが撃墜された時、恨みからジャネラの宇宙脱出を阻止してセント・マグマと共に爆発する。
将軍ダンゲル(緒方賢一)
第27話から登場したワルキメデスの弟。好戦的で粗暴な男。マグマ獣に乗ってコンバトラーと戦う。 毎回のように超電磁スピンを食らっていながら、毎回脱出できているとはやはり運がいいのか。 第52話でジャネラに兜に仕込んだ自爆装置を起動されてしまい、マグマ獣での戦いに敗れて最後には豹馬に一騎討ちを挑むが、あえなく自爆してしまう。

登場マシン

各バトルマシンは、専用ヘルメットをかぶると操縦法を学習できるシステムになっている。 が、ヘルメットはそれぞれのパイロットの脳波に合わせて作られているので、他人がかぶっても意味はない。
バトルジェット
コンバトラーVの頭部になり、全体の制御を司る高速ジェット機。 最高スピードはマッハ4。マッハ11という説もある。 武器はスカイリッパー、ドスブレッシャー、マグネレーザーなど。
バトルクラッシャー
コンバトラーVの胸部・両腕になり、武装を制御する重爆撃機。 単体で飛行中も腕を展開でき、合体時に腕から出す武器のほとんどを使うことができる。
バトルタンク
コンバトラーVの腹部になり、合体時のエネルギーを供給する戦車。 地上専用のため、普段はバトルマリンに運搬してもらっている。武器はアンカーナックルなど。
バトルマリン
コンバトラーVの脚部になる、一番の大型機。水中・空中兼用で、修理とメンテナンス、他の機体の運搬などを担当する。 武器はマリンミサイルなど。
バトルクラフト
左右に分離してコンバトラーVの両足になる。ドリルを内蔵しており、空・陸・地中と行動範囲は広い。 各種分析機能を持ち、合体時は敵の能力や弱点等の分析を行なう。
コンバトラーV
5台のバトルマシンが合体して完成する、超電磁力で動くスーパーロボット。
身長57m、体重550t…いや、こんなことは誰でも知ってるか。(笑)
ロペットの脳波検査により、パイロット5人の脳波が一致していなければ合体できない。
非常に武器が豊富で、まずは腕からロックファイター、バトルガレッガー、アトミックバーナー、超電磁クレーンなど。 背中からバトルチェンソー、腹からはビッグブラストなどなど。
そして最強の必殺技は、腕から超電磁タツマキを放ち敵の動きを封じ、両腕を合わせて超電磁ギムレットを出して高速回転し、敵の体を突き破る超電磁スピン。
また、武装は次々に強化されている。 第4話で超電磁ヨーヨーを装備。 第26話からは機体を重戦車と化して体当たりを仕掛けるグランダッシャーが使えるようになる。 更に第28話からはVレーザーとツインランサー、と次々にパワーアップを遂げていった。
第41話では逆立ちも披露している。(関係ないって)

全話リスト

とりあえずリストのみ。
アニメのメインページに戻る