戦え!!イクサー1

昭和60年〜昭和62年、OVA全3巻
第1巻25分
第2巻25分
第3巻45分

特別編100分

概要

ビッグゴールドが率いるクトゥルフが、地球侵略のための攻撃を開始した。 一方、地球には既にイクサー1が現れており、ビッグゴールドの魔の手から地球を守るべく立ち上がっていた。

だがイクサー1がその力を発揮するためにはパートナーが必要だ。その名は加納渚。 平凡な女子高生であった彼女は最初は戦いを拒否する。 だがやがて、愛する者を守るため、地球の平和を守るためにイクサー1と共に戦うことを決意する。

そんな彼女たちの前に最強の敵、イクサー2が立ちはだかる。 地球の運命はどうなるのか。 がんばれ、渚。 戦え、イクサー1!

解説

原作は阿乱霊。知る人ぞ知る「レモンピープル」誌上で連載されていたマンガがベース。 それを平野俊弘(現・俊貴)監督が、ものの見事にヒーローアニメに仕立て上げてしまった。 というか、主要キャラは全員美少女なんでヒロインアニメと言った方がいいかなあ…。 しかしそれでもヒーローと言ってしまいたい。 なぜなら、この作品がヒーロー・特撮ものに対するオマージュに満ちているからだ。

一見ロボットアニメのようで、実はこれはヒーローアニメなのだ。 なぜなら、とにかくひたすらかっこいい。キャラはみんな美少女だけど、可愛い以前にかっこいいのだ。 ロボット以前に、彼女たち自身がかっこいいのだ。 これすなわち、ヒーローものであるが故。 そして音楽が渡辺宙明とくれば、もう燃えること間違いなし!

元ネタは宇宙刑事など色々あるけど、なんと言っても「人造人間キカイダー」のハカイダー。 この作品に登場するイクサー2は、ただイクサー1を倒すためだけに作られた存在。 もう設定からしてハカイダーそのもので、ムチャクチャかっこいい上にしかもそのテーマ曲がハカイダーのテーマにそっくり! 監督の注文だったらしいんだけど、やってくれるぜ!

ただストーリーの方はと言うと、なんかわけ分からん、てのが正直なところ。 手厳しく言わせてもらえば、雰囲気に酔いしれて説得力のないストーリーが展開される、てな感じ。 そもそもイクサー1って何者なのか明確な説明が無いし、なぜ渚が必要なのかもさっぱり分からない。 ラストも、なんであんなことができるの?という疑問が残る。

が、そんなことは言いっこなし。 私は元来、説明不足のストーリーはあまり好きではないのだが、イクサー1に関してはOK。 なぜならこの作品は、ヒーローもののお約束に基づいているからだ。

愛のエネルギーが悪に打ち勝つなんてのはヒーローものにとっては当たり前の話だし、地球人には尊い愛の力があるのだ!ということなら渚が必要なのはそれでOK。 渚がいなけりゃラストの盛り上がりはないわけだし、必要なのだよ、彼女は。 そしてイクサー1が何者であろうと、地球の平和を守ってくれるならそれでOK。 だって我々は、M78星雲の宇宙人や怪奇バッタ男なんていう得体のしれない連中に地球の平和を守ってもらっていたじゃないか。

そう、ヒーローものがインプリンティングされた我々をターゲットにしているからこそ、この作品は成立している。 だからヒーローものに思い入れのない人は拒否反応を示すかもしんない。 はっきり言って人を選ぶ作品である。 まあOVAって大抵クセがあるけどね。

そんでもって、この時代のOVAの特徴というかなんというか、メインキャラが全員美少女であることから当然期待に応えてというか、えっちなシーンが満載。 渚がイクサーロボに乗り込んだらなぜか裸になってしまうのを筆頭に、ほとんどのキャラが一度は脱がされている。 お好きな方はそれ目当てにどうぞ。

また、この作品は全3巻で構成されているが、最初にLD化されるに当たってひとつの作品にまとめ上げられた。 それが特別編である。 単に3巻をくっつけただけではなく、新たなシーンなども追加されている。 ファンは要チェックだ。

なお、この作品には直接の続編として「冒険!!イクサー3」というものがある。 まあ安易なイクサー2の復活についてはイクサー1との再戦が結構いいので許すとしても、やっぱりこの作品は無かったものにして欲しい。 頼むからキューティー鈴木を声優に起用するのはやめてくれ…。

登場人物

イクサー1(山本百合子)
渚を愛し、地球の平和を守る謎の美少女。ただし人類のために戦っている理由は自分でもよく分かっていない。 クトゥルフで作られた人造人間らしいが詳細は不明。 イクサー2の言葉が正しければ、イクサー1はビッグゴールドに作られたということになるが…?
クトゥルフの放つモンスター、ボイドを手から放つビームと剣で倒す。 また、渚と共にイクサーロボに乗り、クトゥルフのロボットに立ち向かう。 自分をしのぐ力を持つイクサー2の出現により苦戦するが、最後に渚と真のシンクロを果たしてイクサー2を倒し、ついにはビッグゴールドをも倒す。
加納渚(荘真由美)
平凡な女子高生。イクサー1にパートナーに選ばれたために、両親を失った上に戦いに巻き込まれる。 なぜ彼女が選ばれたのかは不明。その質問にはイクサー1も意味不明な答しか返さない。 最初は戦いを拒否していたが、幼い少女小夜子と出会い、彼女を守るため、そして地球を守るため、自らの意志でビッグゴールドと戦うことを決意する。 イクサーロボに乗った時の彼女の役割はよく分からないが、どうもイクサー1とシンクロしてイクサーロボの力を増幅させるために乗っているらしい。 怒りや悲しみの力でイクサーロボの力を増幅させる。怒りや悲しみでパワーアップするとは、まるで某RXだ。 ちなみによく見ると髪飾りが笑える。「ドロロンえん魔くん」の雪ちゃんが元ネタだろうか?
イクサー2(戸田恵子)
イクサー1を倒すためにビッグゴールドによって作られた。イクサー1のことを「お姉様」と呼ぶ。 イクサー1と互角以上の力を持ち、イクサー1を苦しめる。 イクサーロボを倒すべく作られたイクサーΣが敗れたことで渚に興味を持ち、彼女を自分のパートナーにしようとする。
サーバイオレット(塩沢兼人・島本須美)
ビッグゴールドに次ぐ最高指揮官として地球侵略作戦を展開する。もちろん女性。 実は元々は故郷を失った平和な民であるクトゥルフの長らしい。 宇宙を漂流していたところ、ビッグゴールドに取り込まれてクトゥルフを乗っ取られたようだ。
ビッグゴールド(塩沢兼人)
幼い子供の姿をしており、クトゥルフを指揮して地球を侵略しようとする。 その正体は宇宙を漂流していた邪悪な意志。その本体は機械で構成されている。
コバルト(江森浩子)
地球侵略の尖兵として、ディロスθに乗って地球を攻撃する。 渚のパワーが全開となったイクサーロボに敗れ、見るも無惨な姿に変わり果てる。
セピア(安藤ありさ)
コバルトと非常に非常に親しい関係らしい。直接地球に降り立ち、コバルトの仇を討つべく機動要塞ノバの指揮を執る。 更に、イクサー2のパートナーとしてイクサーΣのコマンダーを務める。 だがイクサー2の非情な行動に動揺した彼女は、パワー全開のイクサーロボに敗れさりコバルトの後を追うことになる。 案外情け深い性格のようだ。

ストーリー


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