グレートマジンガー対ゲッターロボ

1975年3月公開
カラー,シネマスコープ
本編30分

解説

映画ならではの夢の共演が実現した。 ゲーム、スーパーロボット対戦の豪華顔合わせの興奮を味わってみたいという人はぜひこれを見るといい。 さすがにゲームほど豪華な顔ぶれではないが、なんと言ってもグレートマジンガーとゲッターロボが同じスクリーンで大活躍するのだ。 そして相手はスーパーロボット対戦の中ボスとしておなじみのギルギルガン。 まさにゲームの興奮がそのまま味わえる。(この映画の方が先に作られてるんだけどな…)

もちろん単にこれだけしかロボットが出て来ないというわけではない。 なんとグレートマジンガー、ビューナスA、ボスボロット、ゲッター1、ゲッター2、ゲッター3が総登場。 テレビ放映と大差ない時間枠でこれだけのロボットが全て見せ場を持っているのだ。凄い。

なぜか身長38mのゲッター1が身長25mのグレートと同じ大きさに描かれていたりもするんだけど、それを言い出したら身長18mのマジンガーZがグレートと同じ大きさに見えることも指摘せにゃならんのできりがない。 そういう野暮なことは言いっこなしね。

そしてポイントもしっかり押さえてある。
「マジーン・ゴー!」「ファイヤーオン!」「スクランブル・ダーッシュ!」
「オープンゲェェット!」「チェーンジ ゲッター×、スイッチオン!」
などのお約束の台詞も健在。ゲッターロボはちゃんと3パターンの台詞を聞かせてくれる。やってくれるぜ。

そして、もちろん各ロボットとも必殺技のかけ声が総登場。
「サンダーブレーク!」「アトミックパーンチ!」
「ゲッタービィィィム!」「トマホゥゥク・ブゥメラン!」
などなど、強敵ギルギルガンに対してほとんどの武器のオンパレード。シビれるぅ!

もちろん、登場人物の方も忘れちゃいけない。 兜博士と早乙女博士ががっちりと握手し、シローとジュンとミチルがそれを見てる。 ミチルがシローの肩に手を置いちゃったりして、いやー、いいねえ。

音楽も両作品から使用されている。 となると当然、渡辺宙明&菊池俊輔という夢のタッグが実現。 特に新作のBGMがあるわけじゃないんだけど、この名前を見ただけでもう最高!

時間が短いから、ドラマらしいドラマもほとんどなし。 せいぜいゲッターチームと鉄也のライバル意識を描いてるくらいのものなんだけど、それも兜博士が鉄也にビンタを食らわすだけで解決。

いや、けなしてるんじゃなくて、逆にドラマを排してとにかくスーパーロボットの見せ場、見せ場、見せ場。 このサービス精神にはもう何も言うことはないのである。 あえて不満を言えば、ミチルのコマンドマシンが出てこなかったことと、ゲッター3の大雪山おろしが見られなかったことくらいかな。

で、どっちが主役かと言うと、これは主題歌がグレートであるあたりから見てもやっぱりグレート。 実際グレートとゲッター1の戦いぶりを比較して見ると、グレートの武器が多彩なのに対してゲッター1はひたすらゲッタービームの連続。 なんともワンパターンで冴えない感じがする。 ゲッターだって、その特徴を生かした攻撃はできないわけじゃあるまいし。 例えば、ゲッター3がギルギルガン大雪山おろしで投げ飛ばし、落ちてきたところをゲッター2がドリルアームで体をブチ抜いて、とどめにゲッター1がゲッタービームをブッ放すとか。 まあそれはやりすぎだとしても、そういったゲッターの見せ場を作らなかったのは、やはりグレートに一歩譲っているからじゃないかと思う次第。

と、クライマックスでは若干ゲッターが見せ場不足の感があるものの、それは贅沢な悩みというものだろう。 最初から最後まで魅せまくる、夢の作品に素直に感動しよう。

ストーリー

謎の宇宙船が地球上に宇宙怪獣ギルギルガンを放った。 科学要塞研究所と早乙女研究所ではその宇宙船をほぼ同時にキャッチし、まずはゲッターロボが出撃する。 兜博士は様子を見ることにし、ゲッターロボに先を越された鉄也は悔しがる。

ゲットマシンは円盤に遭遇し、ゲッター1に合体して迎え撃つ。 が、グレートマジンガーを意識しすぎるリョウは功を焦ったため、早乙女博士はゲッターロボを退却させる。 一方、ギルギルガンをキャッチした科学要塞研究所はグレートマジンガーを発進させる。 が、鉄也もまたゲッターロボを意識しすぎ、超合金ニューZをも食う上にあらゆる武器が通じないギルギルガンに大苦戦。 救援に来たボスボロットも何の役にも立たず、鉄也もまた退却を余儀なくされる。

早乙女博士は科学要塞研究所に赴き、兜博士と共同作戦を練る。 そして怪獣を無人島に誘い出して一気に倒す作戦を決行する。 そのため、成長したギルギルガンの前に現れて囮となるボスボロットとビューナスA。

ついに海の真ん中でボスボロットは追いつかれるが、ゲッター3が救援に現れたおかげでなんとか島への上陸を果たす。 更に島でゲッター2が応戦するが、全く歯が立たない。 一方、修理が終わったグレートマジンガーが緊急発進する。

ついに2体のスーパーロボットによる共同作戦が始まった。 そしてサンダーブレークとゲッタービームの同時攻撃で、ギルギルガンを粉砕する。 が、そこへ宇宙船が現れ、自らギルギルガンに食われることでギルギルガンは更なるパワーアップを果たす。

苦戦する両ロボット。 しかしやがて、ギルギルガンが武器のカマを放った後の穴が弱点であることを見抜き、そこを集中的に攻め始める。 そして体内に入り込んで破壊、破壊、破壊する。 だが、一度倒れたものの、なおも攻撃を続けるギルギルガン。 そこへ、ダブルサンダーブレークとゲッタービームの集中攻撃を浴びせ、ついにギルギルガンは大爆発を起こす。

固く手を握り合うグレートマジンガーとゲッターロボ。 鉄也とリョウはこれからも力を合わせていくことを誓い合うのだった。

スタッフ

製作...今田智憲
企画...有賀健・横山賢二
原作...永井豪・石川賢とダイナミックプロ
脚本...藤川桂介
音楽...渡辺宙明・菊池俊輔
作画監督...小松原一男
演出...明比正行

声の出演

鉄也...野田圭一
ジュン...中谷ゆみ
剣造...柴田秀勝
シロー...沢田和子
ボス...大竹宏
リョウ...神谷明
ハヤト...山田俊司
ムサシ...西尾徳
早乙女...富田耕生
ミチル...吉田理保子

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