ウルトラマン 作品リスト 9

タイトル登場怪獣/宇宙人
第33話「禁じられた言葉」メフィラス星人バルタン星人ザラブ星人ケムール人
脚本 金城哲夫  特殊技術 高野宏一  監督 鈴木俊継

フジ隊員の弟のサトルは、姉とハヤタ隊員と共に航空記念日のショーを見に行っていた。 が、その時サトルは、飛行機が空を飛ぶのは当たり前で面白くもなんともない、という不思議な声を聞く。 そしてその直後、船が空を飛んでいるのが目撃される。爆発する船。そして空に吸い上げられていく飛行機。
その異常現象をキャッチした科特隊は、空に吸い上げられた航空機などが宇宙にいるらしいことをキャッチして宇宙に飛ぶ。 そこでビートルは、ハヤタ達の車が宇宙に漂っているのを発見する。が、ハヤタ達3人の姿はどこにも無かった。
意気消沈して帰って来たイデ達に通報が寄せられる。フジ隊員が現れたというのだ。 現場へ向かう科特隊。そこでは巨大化したフジ隊員がうつろな表情で歩き回っていた。
その頃、サトルは宇宙船の中で目覚めていた。その目の前に不思議な声の主、メフィラス星人が現れる。 地球を欲しくなったが暴力は嫌いだと言うメフィラス星人。メフィラス星人はサトルに、地球をあなたにあげましょうと言ってくれないかと頼む。 永遠の命をあげようと言ってサトルを誘惑するメフィラス。だがサトルは頑として言うことをきかない。
それを聞き高笑いするハヤタ。地球を売り渡す人間などいやしないのだ。ハヤタはウルトラマンに変身しようとするが、メフィラスの怪光線を浴びて動きが止まってしまう。
腹を立てたメフィラスはフジ隊員を暴れさせる。攻撃できない科特隊は退却し、逆に警官隊の攻撃を食い止める羽目になる。 と、フジ隊員が姿を消し、バルタン星人、ケムール人、ザラブ星人が次々と現れる。 そこへ高らかに響くメフィラス星人の声。メフィラスは言う。彼らを暴れさせることは簡単だが争いは嫌いだ。私は人間の心に挑戦するためにやって来たのだと。 バルタン達は姿を消す。その頃、円盤の放つ怪電波がキャッチされていた。そこへすぐさま攻撃が開始される。
ついに姿を現したメフィラスの円盤。だが航空隊は円盤からの攻撃の前に全滅する。 そこに現れる科特隊のビートル。ビートルは円盤に猛攻をかける。 そしてキャップとイデは円盤内に侵入する。二人はハヤタ達を発見するが、円盤が爆発寸前のためサトルとフジ隊員だけが救出される。 だが、爆発のショックで倒れた時、ハヤタはベーターカプセルのスイッチを押していた。
対峙するウルトラマンとメフィラス星人。戦いを始める両者だが、その実力は全くの互角だ。 光線技も、格闘術も、雌雄を決することはできない。そして両者が切り札を出す時が来た。 ウルトラマンがスペシウム光線の構えを取った時、メフィラスが応戦する構えを取る! …が、メフィラスは腕を下ろした。
「よそう。ウルトラマン、宇宙人同士が争っても、しようがない」
「私が欲しいのは、地球の心だったんだ」
「だが、私は負けた。子供にさえ負けてしまった」
「しかし、私はあきらめたわけではない。いつか、私に地球を売り渡す人間が必ずいるはずだ」
「必ず来るぞ!」
高笑いと共にメフィラスの姿は消えた。 メフィラス星人は今度は、あなたの心に挑戦してくるかもしれない…。

宇宙人と言えども力任せに攻め込んで来る奴が多い中、人間の心に挑戦するというしゃれたことをやってくれるこのメフィラス星人は非常に印象深い宇宙人だ。 しかも実力行使しないと言ってるくせに、ウルトラマンと互角の実力を持っているというニクい奴。
…って、実は今回は、またしてもウルトラマンが大苦戦する強敵の登場だ。 結局ウルトラマンは、メフィラスに傷一つ付けることすらできていない。 こんな凄いのがゴロゴロしてるから「ウルトラマン」という作品は侮れないのだ。
ちなみにメフィラス星人の名は、知的な悪魔ということでメフィストフェレスに由来している。 また声の方は「巨人の星」の星一徹で有名な加藤精三が担当。
なお今回、岩本博士と呼ばれている人物が登場するが演じるのは平田昭彦ではない。 一説によれば、同じ岩本だが名前が違うのだとか。ホンマかいな。
しかし冒頭。弟にせがまれたからとショーを見に行くフジ隊員もさることながら、一緒に行ってるハヤタは何なんだ。 二人とも制服で、科特隊専用車で行ってるし。しかもしかも、そのショーの様子のテレビ中継をキャップ達は科特隊本部でのんびり見ていたようだ。 あんたらヒマなんかい!…って、ヒマなんだろうなあ。そう頻繁に怪獣なんか現れないだろうし。ま、科特隊がヒマなのは良いことだ。
なお、メフィラスの円盤はなぜかバルタンの円盤と同型である。いやひょっとして、そもそもバルタンの円盤がメイド・イン・メフィラス星なのではなかろうか? バルタン星とメフィラス星は深い交流関係にあり、だからそのツテで今回バルタンは地球に連れてこられたとか。 う〜む、深い設定が見て取れる見事な演出だ。…ってホンマかいな。
そいでラストシーンの話。キャップのセリフなんだけど、
「良かった良かった。皆無事で良かった」
かくしてめでたしめでたし…って、ちょっと待て! メフィラスの円盤に乗り込んだ時、何の迷いもなくあっさりハヤタを見捨てたのはあんただろうが! そんな一言でごまかすんじゃねえ!
第34話「空の贈り物」スカイドン
脚本 佐々木守  特殊技術 高野宏一  監督 実相寺昭雄

空からは色々なものが降って来る。いつ何が降ってくるか分かったものではない。 そしてその夜、晴海の埋め立て地に赤い火の玉が降ってきた。早速出動する科特隊。
現場にはとてつもなく大きな穴が空いていた。どうやらよっぽど重いものが降ってきたらしい。 そしてその穴から突如怪獣が現れる。その怪獣が歩く度、地面が大きくめり込んでしまう。
怪獣は火を吐いて辺りを火の海にし、悠々と進んでいく。そこでビートルが出撃し、攻撃を開始する。 だが怪獣には大したダメージを与えることができない。やがて怪獣は眠り始めてしまう。 怪獣はスカイドンと名付けられ、科特隊は夜通しスカイドンを見張る。そして科特隊はスカイドンを宇宙に放り出すべく、行動を開始する。
ワイヤーロック作戦が開始された。ビートルでスカイドンを攻撃し、罠を仕掛けたポイントまで誘導する。 そして、ワイヤーでスカイドンを吊り下げてビートル3機で持ち上げようというのだ。 が、スカイドンはあまりにも重過ぎて全く持ち上がらない。やむを得ずワイヤーを切り離すビートル。 だが、ハヤタのビートルのワイヤーが切れない。そこでスカイドンがそのワイヤーを引っ張り、ハヤタのビートルは墜落してしまう。 その時、フラッシュビームが輝いた。
スカイドンに立ち向かうウルトラマン。しかし超重量級のスカイドンは、さすがのウルトラマンの打撃も蚊に刺されたほどにしか感じない。 ウルトラマンはスカイドンを投げ飛ばそうとする。が、逆にスカイドンの体重に押しつぶされてしまう。 スカイドンはウルトラマンを全く無視して眠り始めてしまう。フラフラになり、空へ飛び立つウルトラマン。 科特隊は意気消沈するが、イデが新しい作戦を発案した。
オートジャイロ作戦が開始された。まず麻酔弾でスカイドンの動きを止め、その間に超巨大ジャイロがスカイドンの背に取り付けられた。 果たせるかな、起動したジャイロはスカイドンを空の彼方へ連れていってくれた。祝杯をあげる科特隊。 が、その時、スカイドンが空から落ちてきた。宇宙へたどり着く前にプロペラの推進力が無くなったのだ。 悩む科特隊。その時フジ隊員が、ガマクジラの時に使ったロケット弾の使用を思いつく。
ロケット弾作戦が開始された。スカイドンの尻にロケット弾が撃ち込まれる。 が、重過ぎるスカイドンはロケット弾では持ち上がらず、スカイドンはヨタヨタと2本足で町中を走り出す。 あわてた科特隊は麻酔弾でスカイドンを眠らせる。キャップは最後の作戦を開始する。
怪獣風船化作戦が開始された。スカイドンの体内にありったけの水素ガスを注入する。するとスカイドンはフワフワと浮いて空の彼方へ消えていった。 …が、航空自衛隊の戦闘機がその風船を撃墜してしまった。すかさずハヤタはウルトラマンに変身して空へ飛び立つ。 落ちて来るスカイドンにウルトラマンは正面からぶつかり、ついにスカイドンは砕け散ってしまったのだった。

久しぶりの佐々木&実相寺コンビの作品で、第14話の雰囲気を更に発展させ、「ウルトラマン」では異色とも言える傑作コメディー編に仕上がっている。
相変わらずお約束なんてものを全く気にしないこのコンビ、今回のウルトラマンは活躍するどころかパロディー気味に物笑いのタネになっている。 そして話の内容は科学特捜隊奮戦記といった趣きである。これだけ科特隊に主眼が置かれた話も珍しい。 が、その科特隊の面々も、例によって普段とは異なる描写がなされており、これまたパロディー的。
まずは冒頭、キャップからの連絡を受ける時に大福を食べてるフジ隊員。 それでおいおいとツッコミを入れる間もなく、なんとキャップからの通信内容は赤坂まで傘を持ってきてくれというもの。 更にツッコむ間もなく、キャップにビートルで傘を届けるハヤタは、なんとビートルから傘を落とす。
ちょっと待て! 仮に低空でもビル街の中なら高度数十m以上はあるだろうがぁっ! そんなとこから物を落とすなぁっ!
…とまあ、今回ツッコむネタに事欠かないのだが、いちいちツッコミ入れるのも無粋なので割愛。とにかく画面で見ておくんなまし。 なおその他にも、ファンは必見フジ隊員のネグリジェ姿とか、見たけりゃどうぞイデ&アラシのパジャマ姿とか、制服を後ろ前に着ているキャップとか、色々なものが見られる。
そしてなんと言ってもこれは外せない。もはやウルトラファンでなくても誰もが知っている超有名な、カレースプーンで変身しようとするハヤタ! そもそも作戦指令室でカレーを食べてる科特隊の面々てば一体…。 ちなみに、ラストシーンで和服のフジ隊員というのも見られる。 とにかく他の話では見られない様々なシーンが満載である。今回は必見だ。
なお、最初に現れるウルトラマンは、スカイドンに押しつぶされた頃、1分40秒でカラータイマーが赤になる。 そりゃあこんな重いの相手にしてたら疲れるわなあ。ご苦労様。
第35話「怪獣墓場」シーボーズ
脚本 佐々木守  特殊技術 高野宏一  監督 実相寺昭雄

宇宙のウルトラゾーンをパトロールしていたイデとアラシは、その空間に漂っている怪獣達を発見する。 それは地球でウルトラマンに倒され、宇宙に放り出された怪獣達だった。静かに漂う怪獣達。そこはまさに、怪獣墓場だった。
それを知った科特隊は怪獣供養を発案する。いたたまれなくなるハヤタ。 地球の平和のため、ハヤタ・ウルトラマンは心ならずも怪獣達を葬ってきた。 ハヤタはウルトラマンに変身し、墓場の怪獣達に詫びるがごとく空を見上げる。
翌日、科特隊でおごそかに怪獣供養が行われていた頃、ひとつの事件が起きていた。 ロケットセンターから発射された日本初の月ロケット。しかし突如ロケットは地球に落ちてきた。 そのロケットには、怪獣墓場でイデたちが見た知らない怪獣が取りついていた。
早速ビートルで攻撃を開始する科特隊。だが攻撃を受けても怪獣シーボーズは頭を抱えるだけだ。 突如高層ビルに登り始めるシーボーズ。シーボーズは空を仰いで悲しげな声をあげる。 怪獣は宇宙に帰りたがっているのではないか…? 果たしてシーボーズはいきなり手を羽ばたかせてビルから飛び降りた。だが飛べるはずもなく、虚しく地上に落下する。
夜、科特隊はシーボーズに再度攻撃を加える。だがシーボーズは反撃もせず、空に向かって悲しげな声をあげる。 やはり怪獣は宇宙に帰りたがっているのだ。
キャップはロケットセンターに相談に向かう。センターでは月ロケット2号を快く提供してくれることになった。 月ロケットの準備がなされる中、シーボーズを見張る科特隊。
「真っ暗な墓場に帰りたいなんて、信じられないな」
「違うわ。怪獣墓場だけが静かにいられる場所なのよ」
「そうだわ。きっとどの星へ行っても、地球と同じように攻撃されるに違いないわ」
「だから、怪獣達が心から落ち着いていられる場所は、墓場だけに違いないわ」
準備は完了した。ビートルが出撃し、シーボーズにワイヤーを打ち込む。 そのまま月ロケットまで引っ張って行き、ロケットに結び付けようというのだ。 だがシーボーズは思いのほか馬鹿力で、ビートルも危うい。 なんとかシーボーズを結び付けたものの、発射寸前、シーボーズはロケットをなぎ倒してしまう。 ハヤタはすかさずウルトラマンに変身する。
シーボーズを叩きのめすウルトラマン。すっかり弱ったシーボーズをウルトラマンは抱え上げ、宇宙へと飛び立つ。 だが、ウルトラマンのエネルギーは尽きようとしていた。ウルトラマンは宇宙まで到達することはできず、シーボーズは再び地上に落ちてきた。
もう月ロケットしか方法がない。だが再び壊されたら? しかしフラフラのハヤタの発案で、月ロケットはウルトラマンの格好にされることになる。
そして無事にウルトラマンロケットは完成した。だが誘導役のハヤタのビートルはシーボーズに叩き落とされ、ハヤタはすかさず変身する。
すねているシーボーズを連れて行こうとするウルトラマン。再び叩きのめされたシーボーズはイヤイヤながらウルトラマンの言うことをきく。 無理矢理シーボーズをロケットに取りつかせるウルトラマン。ウルトラマンが飛び立つと同時に、ロケットは発進する。 そしてロケットは宇宙に消えていった。
かくして科特隊には、いつもの静かな退屈な、しかし平和な毎日が戻って来た。 だが怪獣達にとって平和な毎日は、墓場にしかないのだろうか…?

全エピソード中でも屈指の名編。私が一番好きなエピソードでもある。 パロディーで「やられる怪獣の身にもなってみろよ」などと言うことはできようが、その問題に佐々木&実相寺コンビが真正面から取り組んだ意欲作。 その結果は、怪獣達の哀しさを描き出す作品となって仕上がった。
その哀しさを体現する今回の怪獣シーボーズはなんと言っても名スター。 何が名スターかって、ウルトラ怪獣多しと言えども自分のテーマ曲を持つ怪獣なんてそうはいない。凄いだろ。
なお例によってお約束なんぞ無視した今回の話。そもそも怪獣が倒されるべき存在ではないというところが完全にお約束無視なところだが、それだけではない。 なんとウルトラマンが3回も登場する。怪獣倒しのカタルシスのない話なのに、サービス満点(?)である。
サービスと言えば、怪獣供養のシーン。フジ隊員だけ喪服を着ている。フジ隊員は実相寺作品では何かにつけて女性ならではの扱いを受けるんだよねー。 で、その怪獣供養だけど、シーボーズ出現の報を受けるや、それまでしんみりしていた科特隊の面々がすぐにいつものきびきびした様子に早変わり。 後に取り残されたお坊さんが可哀相。(笑)
けど今回、問題がないわけではない。 そもそも怪獣墓場。ウルトラマンに放り出された怪獣達が眠ると言うが、いつ宇宙に放り出したのだ? 思いきり強引な、いかにも今回作ったような設定である感は否めない。
それとウルトラマンロケット。シーボーズはウルトラマンが自分を宇宙に連れ帰ろうとしたことを知っているから、ロケットをウルトラマンの格好にすればシーボーズも安心するだろうということなのだが…。 ロケットがウルトラマンに見えないっての!
しかも結局ウルトラマンがシーボーズをロケットにしがみつかせて、自分と一緒に飛び立って宇宙までついて行っている。 だったらロケットなんか使わなくても、最初からウルトラマンが再び自分で持ち上げて飛んで行ったら良さそうなもんなのだが…。
などと気になる点はあるものの、やっぱり名作は名作だ。 こんな細かいことより、シーボーズの哀しみの方がよほど心に残る。 「空の大怪獣ラドン」にも通じるこの哀しみを、ぜひとも感じ取ってほしい。
第36話「射つな!アラシ」ザラガス
脚本 山田正弘  特殊技術 高野宏一  監督 満田かずほ

新しい児童会館に立ち寄ったキャップたちは、そこの天井が突如崩れて鋭い光が輝くという事件に出くわす。 その光の明るさは6000万カンデラ。直接見た人が何人も失明してしまった。科特隊は日夜警戒態勢を取る。
だが何日か経っても何事も起こらない。ところがある日、例の児童会館の近くで光が観測される。 そして地下から噴煙と共に怪獣ザラガスが現れる。アラシはスパイダーで応戦するが、ザラガスの放つ光で目をやられてしまう。
科特隊は改めてビートルで攻撃をかける。その攻撃の前に、ザラガスはあっさりと地に崩れる。 だが、赤い噴煙を吐いてザラガスは再び立ち上がった。しかもさっきより狂暴になっており、破壊の限りを尽くす。 そこへ攻撃しようとするアラシ達。だがキャップは攻撃中止を告げる。上部から科特隊に攻撃中止命令が下されたのだ。
調査結果によれば、ザラガスは攻撃に対する対抗性が強く、攻撃すればするほど、体質が変化して防御力が増して強くなっていくというのだ。 抗議するアラシとイデだが、その抗議は聞き入れられない。
そこへ、児童会館に子供たちが閉じ込められているという連絡が入る。 キャップはザラガスには攻撃するなと厳命し、科特隊は子供たちの救出に向かう。 ザラガスを横目に、子供を救出しに会館に入るアラシとハヤタ。
その時、突如ザラガスが会館に向かって動き出した。アラシは自分が囮になってハヤタに子供たちを救出させる。 だがハヤタ達はザラガスの光にやられてしまった。迫り来るザラガス。アラシはためらった末、新兵器QXガンをザラガスに向けて撃つ。 それは見事に命中し、ザラガスは崩れ落ち…と思いきや、ザラガスは持ちこたえ、再び強力になり暴れ始めた。 キャップはアラシから隊員の資格を剥奪し、謹慎を命じる。
アラシはハヤタ達の見舞いに行くが、いたたまれなくなって病室を飛び出す。 やがて、ザラガスに向かって飛んで来る一機のビートルが現れた。アラシだ。 皆が止めるのも聞かず、アラシは至近距離からザラガスを確実に仕留めようと急接近する。 その通信を聞いていたハヤタは、病室を抜け出してウルトラマンに変身する。
間一髪、ビートルを救うウルトラマン。そしてウルトラマンはザラガスと戦うが、不意に背中から放たれた光をまともに見てしまい、ウルトラマンの視力もまた失われてしまう。 ザラガスにやられそうになるウルトラマン。その時、アラシのビートルからQXガンが放たれた。 すかさずウルトラマンはスペシウム光線を放ち、さすがのザラガスもついに倒れた。
そしてアラシは謹慎を解かれ、再び科学特捜隊員の任務に戻ったのであった。

アラシ初の主役編。え? 初の…ってもうすぐ最終回なのに? そう、アラシは今まで単純な好戦的野郎としてのイデと対照的な位置づけでしかなかったのだ。なんとも可哀相な扱いだ。 でも、今回のようにサブタイトルに名前を入れてもらえた科特隊隊員はアラシだけだから、まあいいじゃない。(いいのか?)
なお、今回登場する新兵器QXガン。 イデが4年間研究してきたもので、"Quickly Extinguish Gun"のこと。 怪獣の脳細胞を一瞬で破壊する優れものなのだ。…のはずなのだが、相手が強敵ザラガスでは全然冴えない。 一応最後においしいところを持っていくけど、バルタン相手に大活躍したマルス133の方がよっぽど見栄えが良かったぞ。 マルス133より強力なんだろうになあ。イデの4年間の苦労は一体…。
最初、科特隊は二機のビートルでザラガスに「ウルトラ十文字作戦」を仕掛ける。 なんとも凄い名前の作戦だが、それがどんな攻撃方法なのか実はよく分からない。 名前からして前後方向と左右方向からの同時攻撃で敵を翻弄するものかと思うのだが、画面でのビートルの動きを見るとどうもそうではなさそうだ。 いや、ザラガス(初期バージョン)があっさり倒れてしまったので、なんだかよく分からない内に攻撃が終わってしまったのだ。 ええい、ザラガス(初期バージョン)の根性なしめ。
ちなみにその作戦前、目をやられてウルウルしているアラシは強がって
「俺の目はウルトラアイだ!」
と言っている。今ではここで誰もがモロボシダンを思い出してしまうのではなかろうか。
そうそう、そう言えばハヤタなんだけど、モロボシダンのようにウルトラマンそのものというわけでもないことが今回分かる。 ハヤタは目が見えないまま変身したけど、ウルトラマンはザラガスの光を受けるまでちゃんと目が見えていたからね。 そう言えば第30話でもハヤタは捻挫してたけどウルトラマンは元気に歩いてたなあ、うん。

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