必殺仕置屋稼業

放映

概要

そんな主水の仲間になるのは、主水に殺しを見られた凄腕の殺し屋、市松。 主水を慕う捨三、そしてその友人で怪力僧の印玄である。

殺しの依頼をおこうが受け、それを主水に伝える。 主水たちはその依頼の裏を取り、仕置を実行するという「仕置屋」がここに完成する。

解説

前回の「暗闇仕留人」で幕末の話をやってしまったせいか、時代をうやむやにしようとして苦労している。 主水を北町から南町に転勤させ、奉行所内をリフレッシュ。 そして「仕置屋」の名が示す通り「仕置人」の続編的存在であることを匂わせ、実際主水をスカウトするおこうは主水がかつて仕置人だったことを知っていると言う。 しかしドラマが仕留人の続編に当たることは第１話を見ればよく分かる。 ひたすら殺しを拒否する主水。これは貢の死によって殺しの苦みを知ってしまった主水ならではの反応だ。 だが、結局主水はまた殺しの世界に足を踏み入れる。

テコ入れのためか、話が全体的に明るいトーンになっており、中村家のコメディーもこの頃から目立ち始める。 レギュラーも数多く、にぎやかである。 だからと言って後期シリーズに見られるようなバラエティー仕立てかというとそうではない。 しっかりとしたドラマが全体を支えており、名作と呼ぶべきエピソードもいくつも見られる。 何より個人的には第１話と最終話が気に入っている。最初と最後でしっかりとしたドラマを見せてくれるので、全体として引き締まって見える。

特に第１話における主水と市松の対決は必殺史上屈指の名勝負。 そして、同じ裏稼業一味との抗争で初めて主水の組織が壊滅してしまう最終回。 前期主水シリーズのひとつのフォーマットの完成を見た、必見の作品である。

登場人物

中村主水（藤田まこと）

おこうの誘いを受け、またもや殺しの世界に足を踏み入れる。 最初は拒否していていたが、悪に踏みにじられる者の悲しみを目の当たりにし、かつての怒りがまたわき起こってきたのだ。 とは言っても殺しの矛盾に気付いたしまった主水、もはや稼業と割り切って続ける以外にこの世界で生き延びるすべはない。さもなくば貢の二の舞だ。 かくして主水は、プロの殺し屋となったのだ。

市松（沖雅也）

竹細工師。ところが表稼業で金を稼いでいるところはほとんど見られない(笑)。 殺しを見られたために主水を殺そうとするが、その対決は引き分けに終わる。 そして彼は仲間となるが、その後も他の筋からの仕事も引き受けていた。 父親も仕置人だったが既に死亡。(第２話) 得物は鋭くとがらせた竹串。これで相手の急所を突く。 仲間に心を許さないクールな男。 最終回で奉行所に捕まるが、主水が苦悩の末に逃がす。

印玄（新克利）

勧進坊主。無類の女好きで、あまりの絶倫ぶりに女郎も逃げ出すほど。 怪力で相手を屋根の上に引きずって行き、屋根から落として殺す。 その他、仕事人の左門が見せたような胴体二つ折りなどの技も披露する。 実の母とその愛人をその手にかけた過去がある。(第１３話) 最終回でおこうを助けるために敵に刺され、敵と共に屋根から落下して相討ちとなる。

捨三（渡辺篤史）

下調べ担当。風呂屋の釜たきをやっており、釜場が一味のアジトとなっている。 主水の裏稼業を最初から知っていたが、どこで知ったかは不明。

おこう（中村玉緒）

仕置屋の仲介人。頼み人から五両の金を受け取り、仲介料の一両をさっぴいて残る四両を主水に渡す。 表稼業は髪結いをやっていて金にはうるさい。 主水の仲間の内、なぜか市松のことは知っているが印玄のことは知らないらしい。 主水に気があったようである。 最終回で敵に捕まり激しい拷問を受け、主水の腕の中で息を引き取る。

与力村野（宗方勝巳）

第２話から登場した、南町奉行所における主水の上司。主水の上司にしては珍しく、主水に理解を示していた。 最終回で主水が市松を逃がしたために減俸処分となるが、それでも牢屋見廻りに格下げになった主水のことを気遣っていた。

亀吉（小松政夫）

主水の部下となった下っ引き。実はせんから金をもらって主水の仕事ぶりを帳面に付けている。

おはつ（石原初音）

第２話から登場した、主水が足しげく通う飯屋の看板娘。主水は彼女目当てに店に通っているのだが当の本人は全く気付いていない。 セリフが棒読みでなければ良かったのだが。

中村せん（菅井きん）

中村りつ（白木万里）

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