壁の計算

★壁の必要長さ
地震および風に耐する必要壁の長さを次の表で求めます。風の場合は、各方向で求めます。長い方が必要長さです。

地震力に耐する軸組の必要長さ:建物の軽重階数によって異なります。

階数1の構造物の1階 階数2の構造物の1階 階数2の構造物の2階 階数3の構造物の1階 階数3の構造物の2階 階数3の構造物の3階
壁の重量の大きい構造物
(土蔵造、瓦葺)
0.15m/u 0.33m/u 0.21m/u 0.50m/u 0.39m/u 0.24m/u
壁の重量の軽い構造物
(金属、スレート葺)
0.11m/u 0.29m/u 0.15m/u 0.46m/u 0.34m/u 0.18m/u

1)床面積に上記当該数値を掛ける。
2)地階は、算入しない。

風圧力に耐する軸組の必要長さ

特定行政庁が認める強風指定区域 左記以外の区域
見付面積に乗じる数値
単位(m/u)
0.5を超え0.75以内で規則で定める 0.5

★壁の換算した長さ
 実際に設計・計算する家の壁長さ(換算長)を次の表で求めます。例えば南北方向に土塗り壁が1mと土塗り壁と筋交い(3cmx9cm)が付いた壁2mがあるときは、1x0.5+2x(0.5+1.0)=3.5mとなり南北方向に換算壁長さは、3.5mあることになります。上で求めた必要壁長さが南北方向が3.5m以下ならば安全です。実際の長さは、柱の端から端まででも良いが中心間距離ならば安全側誤差を得る。

壁の倍率一覧表
著者注;下記(c)〜(f)までは、筋交いです。

軸組の種類 仕様又は
厚さ
釘打ち方法 釘打ち間隔 倍率
(a)土塗り壁 0.5
(b)木ずり打またはこれに類する物 軸組に直接
片面打ち
施行令に
定められていない
施行令に
定められていない
0.5
(c)木材(厚1.5cmx幅9cm)若しくは鉄筋(9mm)
または同等以上の耐力あるもの
一方向 施行令に
定められていない
施行令に
定められていない
1.0
(d)木材(厚3cmx幅9cm))
または同等以上の耐力あるもの
一方向 施行令に
定められていない
施行令に
定められていない
1.5
(e)木材(厚4.5cmx幅9cm))
または同等以上の耐力あるもの
一方向 施行令に
定められていない
施行令に
定められていない
2.0
(f)木材(厚9cmx幅9cm))
または同等以上の耐力あるもの
一方向 施行令に
定められていない
施行令に
定められていない
3.0
(g) (b)〜(f)までをたすき掛けに
使ったもの
各々の2倍
但し5まで
(1)構造用合板
屋外壁等で表面単板に耐候措置のないもの
(特類)
7.5mm以上
N50 15cm以下 2.5
(1)構造用合板
その他の屋外壁等
(特類)
5mm以上
N50 15cm以下 2.5
(1)構造用合板
その他
5mm以上 N50 15cm以下 2.5
(2)パーティクルボード 12mm以上 N50 15cm以下 2.5
(3)ハードボード 5mm以上 N50 15cm以下 2.0
(4)硬質木片セメント板 12mm以上 N50 15cm以下 2.0
(5)フレキシブル板 6mm以上 GNF40又はGNC40 15cm以下 2.0
(6)石綿パーライト板 12mm以上 GNF40又はGNC40 15cm以下 2.0
(7)石綿ケイ酸カルシウム板 8mm以上 GNF40又はGNC40 15cm以下 2.0
(8)炭酸マグネシウム板 12mm以上 GNF40又はGNC40 15cm以下 2.0
(9)パルプセメント板 8mm以上 GNF40又はGNC40 15cm以下 1.5
(10)石こうボード(屋内壁) 12mm以上 GNF40又はGNC40 15cm以下 1.0
(11)シージング・
インシュレーションボード
12mm以上 SN40 1枚の外周に
10cm以下
その他
20cm以下
1.0
(12)ラスシート 角波亜鉛鉄板
5mm以上
メタルラス
0.6mm以上
N38 15cm以下 1.0
(13)胴縁(厚さ≧1.5cm,幅≧4.5cmに(1)〜(12)の材料を釘打ちしたもの
但し胴縁の間隔≦31cm
N50の釘打ち、面材は、N32の釘打ち
・釘間隔≦15cm)
0.5
(14) (1)〜(13)の内二つを併用した場合 各々の和
但し5.0まで
(15) (a)〜(g)と(1)〜(14)とを、
併用した場合
各々の和
但し5.0まで

編者注)
筋交いの接合方法については、規定されていないが厳に構造計算をすると、釘接合では、とても困難なことが分かります。倍率は、0.5ぐらいが適当です。別途また計算します。
筋交いは、各方向均等にすること。

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