嘘っぱちTRIGUNファミリードラマ/後編



1/人間台風&牧師さんのマジカルミステリーツアー

『トンガリ……トンガリ……』
 妙に寝苦しい夜。ヴァッシュはベッドの上で何度も寝返りをうっていた。
 その隣のベッドでは、ナイブズが幸せそうに熟睡中だ。(註:逃亡防止の為ヴァッシュと同室にさせられてます)。
「う……う〜ん……う〜ん……」
 ヴァッシュの顔色がだんだん青ざめてくる。まるで胸の上に何か重しでも乗せられたかのように。
「う〜ん……苦しいよぉ、レムううううう……」
『早よ目ぇ覚まさんかい、オンドレ!』
 スパーン!
 いきなりスリッパで頭を張り飛ばされ、ヴァッシュは飛び起きた。
「ごめんよレムぅ、もうしないよ〜!!」
 がばっ! 
 と飛び起きたヴァッシュの目の前で、“その男”はにやにやしながら言った。
『よ〜やく起きたか。遅いで』
「……」
 ぼ〜っ。
 ヴァッシュは半分眠りの花園に意識をダイブさせながら、ぼんやりと目の前にあぐらをかく、“その男”の顔をまじまじと見た。
 彫りの深い鷲鼻のハンサムで、まだらな無精髭にくわえタバコ、どことなく人を小馬鹿にしたような表情を浮かべた、黒服の男。
 ヴァッシュは“その男”をよ〜く知っていた。
「……やあ、ウルフウッド」
『久しぶり』
 ニコラス・D・ウルフウッド。巡回牧師を自称する、その割りには全然牧師らしい行動を取らない不審人物(笑)。ヴァッシュはぼ〜っと彼の顔を眺め、それからいきなりもそもそとベッドの中に潜ってゆく。
「おやすみ」
『こ、こら、待たんかいトンガリ!!』
 慌ててヴァッシュを引きずり戻そうとするウルフウッド。ヴァッシュはぼ〜っとした顔でベッドの上に起き上がって、空白の数秒後。
 いきなり頭の回路がつながった。
「わ〜っ!!ウ、ウ、ウルフウッド〜っ!!!君、し、し、し死んだんじゃ……わああああ〜っ!!!」
 次の瞬間!
「やかましい」
 ナイブズが投げつけた花瓶が、ヴァッシュの側頭部を直撃!
「ふん」
 冷ややかに鼻を鳴らすと、ナイブズお兄ちゃんは再びベッドの中に潜っていった。
 ベッドの上にひっくり返ってぴくぴくしているヴァッシュに、ウルフウッドは同情に満ちたまなざしを向ける。
『難儀なやっちゃなあ、トンガリ』


 数分後、ヴァッシュはようやく状況を理解した。
「……つまり、君は幽霊ってやつなのかな」
『おお、それやそれ!ワイ、この世に未練ありまくりやからなあ、成仏でけへんねん』
「……成仏って、君は牧師じゃなかったかい」
 成仏=仏教用語だよ。
 それにしても、とヴァッシュは目の前の空間にぷかぷか浮いてあぐらをかいているウルフウッドを眺めながら、思った。
 幽霊という単語にふさわしい恨めしさとか、思いつめた感じとか全くかけている。
(もともと非常識な奴だったけど、ここまでとはねえ)
 どうせならレムが出て来てくれれば良かったのに、と思ってしまうヴァッシュさんだった。
 ついでに隣のベッドですやすや眠っているナイブズがちょっとだけ恨めしい。
 そんなヴァッシュの視線につられてウルフウッドもナイブズを眺めた。
『あんだけハタ迷惑な事しでかしといて、のんきなモンやなあ〜。何や憎たらしくなってきよるわ。トリ殺したろか』
「ちょ、ちょっとそれは困るよブラザー」
『冗談や』
 いや、今のセリフはマジだった!と思うヴァッシュ。慌てて話題を変える。
「ところでブラザー、僕に用があるんじゃないの?」
『おお、そうや!』
 ぽん、と手を打つウルフウッド。そしていきなりぐぐっと顔を近付けてくる。
「な……何だい。怖いよ」
『ワイのパニッシャー、どこぞに捨ててきたやろ』
「うっ。あ、あれは」
 ナイブズを担いで帰る時邪魔だから捨ててきちゃったよん♪、とは言えない。
『トンガリ、オンドレは友達甲斐のないやっちゃ!』
「うっ」
『土壇場でオンドレの命ぃ救ったんは、ワイやで!(註:アニメ最終話参照)』
「ううっ」
『あれはワイの命や。シンボルや。それをどないしてくれるんや』
「うううっ……」
『あれないと、ワイ、成仏でけへんねん』
 だから君はいつからブッディストになったんだい、とは言えないヴァッシュさんだった……。
 
 翌朝。
 熟睡してすっきり目覚めたナイブズお兄様は、隣のベッドの上にきちんと四つに畳まれた紙切れに気づいた。
「???」
 その紙切れには、震えるような走り書きで、
“捜さないで下さい ヴァッシュ”
 と書かれていた……。



2/それぞれの、それぞれ。

 もうすっかり定着してしまった和食の朝ごはん。
「せんぱ〜い、おかわりですう♪」
「はいはい♪」
 いそいそとごはんをよそるメリルと、一仕事終えてお腹がへっているミリィちゃんは、幸せいっぱい。
 そんな彼女らを完全無視して黙々とごはんをかっこむナイブズ。未だに箸が使えず握り箸のままだ。
「ところでヴァッシュさんは、朝早くからどちらに行ってしまわれたんでしょう?」
 だし巻き卵を口に運びながら呟くメリル。
「にやけた牧師と出ていった」
 味噌汁をすすりながらナイブズが言う。メリルとミリィは顔を見合わせた。
「にやけた牧師?」
「ふやけた目次?」
「違いますわよ、ミリィ」
「ふぁ?」
 ボケボケの会話を交わす二人を無視して、ナイブズは執拗にほうれんそうのおひたしをつついている。どうやら本当に食せるものかどうか、安全確認しているらしい。
 ひとり欠けたほのぼの食卓は、いつになくしらけた雰囲気になってしまった。

 その頃の人間台風と牧師さんは……。
「レム……レム……目の前が真っ白だよぉ……」
『オンドレ何かっちゅーとすぐそれやなぁ。他に言う事ないんかい』
「そりゃ君はいいよ、死んでるんだから、もう死ぬ事ないし……」
 じりじり照りつける太陽と水不足でフラフラ状態のヴァッシュと、その彼の肩に乗っかるようにとりついたウルフウッドが、砂漠をさまよっていた……。

 朝ごはんのあと、ミリィは再び仕事にでかけ、メリルも洗濯を始めてしまったため、邪魔者になってしまったナイブズお兄様は、ヒマを持て余してぼんやり窓際のサボテンを見つめていた。
 トゲトゲのサボテンには、ちょうど今ピンクのかわいらしい花が咲いている。
「サボテンはいい……」
 と、思わず呟くお兄様。誰にも言った事はないし、ヴァッシュあたりには死んでも知られたくないが、実はナイブズはひそかなサボテン好きだった。
 雨の降らない灼熱の大地に根づき、過酷な自然の中でも文句ひとつ言わず、百年でも200年でもひたすらそこに生え続ける(註:ホントに200年生きるサボテンもあります)サボテン。
 サボテンの生き方は、どことなくプラントに似ている。だから親近感を感じるんだろうか。
 と、朝っぱらからサボテンにシンパシーを感じてしまうお兄様であった。

 同じ頃。
 プラント兄弟の弟くんの方は、目の前にひろがる赤いゼラニウムの花畑の前で、ボー然としていた……。
 花畑の真ん中に立つ、長い髪の女性。元気よく手を振っている。
『ふふふ、ヴァッシュ、こっちにいらっしゃ〜い♪』
「レ、レムぅぅぅぅぅぅうううっ!!待ってよお〜っ!」
「うふふふ、こっちよ〜♪」
 長い髪をなびかせながら、笑顔でお花畑を駆けてゆくレム。何だか妙に安っぽい笑顔だなあと思いつつ、フラフラとそちらの方に走り出しかけたヴァッシュの耳に、別の声が突き刺さった。
『ダメ、そいつはニセモノよ〜っ!』
「レ、レム!?」
 ヴァッシュが振り返ると、何故かそこには大きな河があり、その向こう岸にレムが立っている。
『ダメよヴァッシュ。あなたはまだこちら側に来ちゃダメ!!』
「え?」
『あなたには、待っている人たちがいるわ……さあ、お戻りなさい』
「も、戻るって一体どこに……わ〜、ちょっと待ってよレムううううう!」

「レムぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ〜っ!!!!」
『ええ加減聞き飽きたわあっ!!』
 スパーン!
 白く輝くハリセンで頭を張り飛ばされ、ヴァッシュは我に返った。
 ヴアッシュは乾いた大地に仰向けに倒れていて、透き通る青い空と灼熱の太陽、そして……ウルフウッドの顔が見える。
「あれ……お花畑は……?」
「は?」
 と、幽霊のくせに妙にイキモノくさい牧師は、ポケットからタバコを取り出して火をつけた。もちろんその間も宙に浮いている。
『何や覚えとらんのかい。オンドレいきなり小石にけつまづいて倒れよったんや。ちょ〜ど頭んトコに岩あってな、ガツンゆーてヤバい音しよったから、こりゃあかんと思たんやが……ま、生きとるよーやな』
「お花畑にレムが……河があって、レムがこっちに来ちゃダメだって言ってたんだよね」
『ああ、そら臨死体験や』
「りりり臨死体験!?」
『まあ良かったやないか。その河は三途の河ゆーてなあ、それ渡ってもたら御陀仏さんや』
「詳しいね」
 とヴァッシュが言うと、ウルフウッドは何故か嬉しそうにハリセンで彼の頭を張り飛ばした。
『あったりまえやがな〜!ワイ、伊達に死んでへん!!大霊界の事なら何でもワイに聞きや!!……さ、そんな事どーでもええがな。とっとと行くで、トンガリ』
「わ、分かったよブラザー……」
 ……ウルフウッドは三途の河を渡ったのか?渡らなかったのか?そんなつまらない事が気になるヴァッシュであった。




3/愛と感動のノンストップ・ドラマ

 ……そんなこんなで何万アイル?
 この世に深〜い未練を残した牧師さんにとりつかれた人間台風ヴァッシュ・ザ・スタンピードさん(年齢不詳)は、様々な艱難辛苦を乗り越えて、ついにあの場所へと辿り着いたのであった。
 ヴアッシュとナイブズ。プラント兄弟の長きに渡る因縁に終止符が打たれた、決闘の場所。
 相変わらず大地は緑に満ち、空は青く、名も知らぬ大木がさやさやと新緑の枝葉を風に揺らしている。
 思わずヴァッシュの口から、呟きが洩れた。
「この〜木何の木 気になる木ぃ〜♪気になる木ぃ〜♪(←1人エコー)名前も知らならい木ですから〜♪」
『何歌っとんねん』
「これは、地球(ホーム)の由緒正しい歌だってレムが言ってたよ。ホラ、ワカンナイ?『気になる』と『木』を引っ掛けてるんじゃないか、ブラザー」
『ううむ、分かりにくいギャグやな』
 そんな事はどうでもええ、とウルフウッドは空中で器用にあぐらをかきながら、きょろきょろと辺りを見回した。
『ワイのパニッシャー、どこに捨てたんや。早よ探さんかい、オンドレ!』
「わ、判ったよ……」
 と眉を八の字に下げたヴァッシュだったが、あっさりその辺から巨大な十字架を引きずり出してきた。
 その間、わずか3秒。
「ほら、あったよ。こんな近くにあるのに気づかないなんて……ブラザー、これホントに大事なものなの?」
『や、やかましいわい!』
 意外に鋭いヴァッシュのツッコミを受けて顔を赤らめごまかすウルフウッド。それでもヴァッシュの手の中の、巨大な十字架を見つめ、不意に懐かしそうな表情を浮かべた。
 もはやこの世に生きる肉体を持たない彼の脳裏を、いかなる感慨がよぎっていったのか。
 それは彼にしか判らない。
『……オンドレとは、長い付き合いやったなあ。ぎょうさん世話んなった。おおきに』
 と、まるで命あるものに語りかけるように、十字架に囁くウルフウッド。その囁きの不思議な透明さに、ヴァッシュは嫌な予感がした。
「ウルフウッド、まさか」
『こいつともまた会えたし、もうな〜んも思い残す事、あらへん。ワイもそろそろ潮時やなぁ』
 ふわり、とウルフウッドは空中に立ち上がった。気取った仕草で上着の胸ポケットから煙草を引っぱりだして火をつけ、まるで手向けのように十字架に向けてそれを突き出してみせると、彼はいつもの唇を歪めて笑う、あの笑顔でヴァッシュに言った。
『トンガリ、オンドレもこれからが大変や。しっかり気張らなアカンで。オンドレの兄貴と、ちっこいねーちゃんと……仲良うな』
「ちょっ……待ってくれ、ウルフウッド!!」
 思わず、相手が実体を持たない幽霊である事を忘れて、すがりつこうとするヴァッシュ。しかしその両手は空しく宙を抱く。
 それでも、彼は次第に薄れてゆくウルフウッドに向かって、必死で呼びかけた。
「待ってよウルフウッド!」
『それからな……その、何だ』
 と、ウルフウッドはここで妙に照れたように頭を掻く。
『あの大きいねーちゃん……ミリィに、一言、“頑張りや”って伝えとってや』
 そして、もう一度、大きな笑みを浮かべると、彼の姿は瞬く間に、風にさらわれて消えてしまった。
 呆然と立ち尽くすヴァッシュ。
 そして、不意に十字架を抱きしめて、叫んだ。
「戻って来てくれ……ウルフウッド・カムバ〜〜〜〜ック!!!!!」




4/終わりよければ全てよし?

「……で」
 全ての事情を聞き終えたミリオンズ・ナイブズ氏(年齢不詳)は、ちゃぶ台の上に片肘をつきながら、寒い視線を弟の背後に向けつつ、言った。
「叫んだら、戻って来たという訳か」
「まあ、そう言う事」
 はあ〜っ。とマリアナ海溝より深いため息をつきながら、ヴァッシュもちらりと背後を振り返る。
 そこには、涙なしには見られない、感動の光景が繰り広げられていた。
 非情なる運命によって引き裂かれた恋人?たちの、再会という名の愛のドラマ。

「ふえええええ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん、ウルフウッドさぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん」
 ミリィ・トンプソンは、目の前の空間にふらふらと風船のように浮かぶウルフウッドを見つめながら、顔をくしゃくしゃにして泣いていた。
 手放しで泣く、とはまさにこの状態。まるで迷子になった子供がやっとの思いでお母さんを探し出した時のような泣きっぷりだ。
「ふえええ、わたし、私、何かもう息の根が止まりそうなくらい嬉しいですううううううううう〜っ」
『息の根止まったら死んでまうやんか』
 と、泣きじゃくるミリィを見つめながら、困り果てたような嬉しくてしょうがないような、微妙な表情でウルフウッドは言った。本来なら、ここで1発がばッ、と抱きしめてやりたいところなのだが、生憎と彼は生身の肉体を持っていないので、それは叶わない。
『あ〜、ミリィ、ハナミズ出とるやないか……わっかい娘がそんなことやアカンで。ティッシュ、ティッシュはどこや』
「だ、だってええええ〜、ぐしゅっ」
 鼻を真っ赤にしてすすりながらえぐえぐと泣き続けるミリィに、そっと白いハンカチを差し出したのは、メリルだ。彼女の目もすでにうるうる状態だった。
「これをお使いなさい、ミリィ。ほら、いつまでも泣いているとウルフウッドさんに笑われてしまいますわよ」
「せんぱあ〜い、ありがとうございますぅ〜っ」
 と、メリルの手からシルクのハンカチをひったくったミリィは、それで思いっきりハナをかんだ。ちーん。
 そして彼女は、涙で濡れた顔に太陽のようないっぱいの笑みを浮かべて、ウルフウッドを見上げ、言った。
「もう、どこにも行きませんよねっ?ず〜っと、一緒ですよねっ?ウルフウッドさんっ!」
『そらそうや!!』
 バーン、と自分の胸を叩いて、元気いっぱいきっぱりと明言したウルフウッド。
『ミリィ、これからはもう2度と何処にもいかへんで!安心しいや!!』
「ウルフウッドさぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ〜んっ!!!!」
 感極まってウルフウッドに抱きつこうとするミリィ。
 すかっ。
 その身体はウルフウッドの霊体をすり抜け、勢い良く壁に激突した。


 ……その微笑ましい?様子を馬鹿馬鹿しそうに眺めているナイブズ。
「レ、レムぅぅぅぅぅぅぅっ、僕ぁ今モーレツに感動しているよ〜〜〜〜っ!!!!!」
 ヴァッシュは既にメリルと同じく涙ちょちょぎれ状態で、話にならない。
 その場の雰囲気に呑まれていないのは、お兄様ただ1人。
 それゆえ、彼には見えていた。
 ミリィの背後にぎっしりと群がる、常人には決して見えない霊の姿が!
 ……しかもそれは、決してミリィに悪い影響をおよぼす類いのものではなく、むしろ、彼女を守ってやろうと集まった、守護霊たちらしい。中にはミリィにそっくりのおばあちゃんの霊なんかがいるから、多分彼女のご先祖さまなのだろう。
 霊にまで愛される無敵の善人、ミリィ・トンプソン。
 そして恐らく、その守護霊の群れの中に、この牧師も加わる事になるのだろうとナイブズは結論付けた。
「……ふん」
 と、露骨に蔑むように鼻で笑った彼だが、その瞳に浮かぶ光は、表情ほどには悪くない。むしろ、優しげでさえある……と言うのは、気のせいだろうか?

 しかし、彼が落ち着いていられるのも今日だけだった。

 翌朝、いつもの朝食の席で、ウルフウッドが連れて来た?青髪の幽霊を一目見て、箸を落っことす。
『いやあ〜、三途の河の岸辺で知り合って、何や気ぃ合うてしもーてなぁ。よ〜く話してみると案外ええ奴やよ、レガートて』
『……お久しぶりです、ナイブズさま……お会いしたかったです……ふ、ふふふ(どよーん)』
 うっわ〜、最悪。
「うっわあ〜、ホントにお久しぶりですねぇ、レガートさぁん♪お元気でしたかぁ?」
 と、ものすごく嬉しそうにはしゃぐのはミリィ。
 お前はこいつに殺されかけた事があるだろう!と、ナイブズはミリィに蹴りを入れたかったのだが、かろうじてこらえた。ヴァッシュが箸の先でぎゅ〜っと膝を突いてきたからだ。
 そんな事とはつゆ知らぬ?レガート・ブルーサマーズ氏(年齢不祥)は、朝っぱらからヒトダマを周囲に飛ばしつつ、妙に熱っぽい眼差しをナイブズに向けてくるのであった。

 こうして、4人の「ひとつ屋根の下」生活は、新たに2名が加わり、スタートを切る……筈。

 おまけ。
「ね〜先輩♪」
「何ですのミリィ」
「こ〜ゆ〜のを『尾張(おわり)名古屋は城でもつ』ってゆーんですよねぇ♪」
「……そのギャグは判りづらいですわ、ミリィ♪」

──fin.


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