街路樹 倒木危険度調査
樹木医 安田邦男
街路樹のおかれた環境は劣悪そのものである
にもかかわらず生育する生命力には驚かされます
しかし何らかの影響で樹皮が剥がれその部分から腐朽菌の進入を
許すとあとは倒木への坂道をころがり落ちることになります
多少の傷がついても樹勢がおう盛な木は癒合組織を発達させて傷口を
塞いでしまうのですが街路樹の環境ではよほど恵まれた場所でないと
傷は治ることがありません。
傷をつけるのは大半が自動車と推察されます。また道路工事の重機械により
傷つけられることもあります。これらの傷からの腐朽を見逃すことなく健全度を
診断、判定しなくてはなりません。
この調査には経験と洞察力、正確な判断力が必要です。
人や車に危険が及ばないように樹木の状態を診断するのは大変な苦労を伴います。
そして自らが判定した危険木が伐採されることは大変心が痛みます。
しかし人に危険を及ぼさない「好かれる街路樹」を育成するためには必要な
診断と考えます。