平成4年に最初の大庄公民館で日本語読み書き学級が開講されました。これは、平成2年の園田公民館で開講されたベトナムの人たちのための日本語の教室に続いて開かれた学級です。当時の日本はバブル経済の末期であったため、日本社会での就労の機会を求めて多くの外国人が来日していました。学級生の国籍は、ブラジル、ボリビア、中国、韓国、フィリピン、インドネシア、ドイツなどでした。

その中でも、ブラジル人は51人中37人でした。日本語教師2名、ボランティア45名、通訳4名でスタートしました。学級生も日本語をまったく話せない人、片言程度の人、上手に話せる人とレベルはさまざまでした。学習内容は、初級は日本語の発音を中心に普段よく使う言葉の学習、中級は簡単な文章作成を多く取り入れて言葉遊びに関連した詩や絵を書くなどのプログラムを作りました。ボランティアもマンツーマンで学級生の指導にあたりました。

また、学級生に、日本語だけでなく、日本の習慣や文化を知ってもらうため、一緒に料理をしたり、伝統文化のお茶、歌舞伎、文楽、盆踊りを一緒に楽しんだりするようになりました。地域の人々との交流も盛んに行われるようになっています。

毎年学期末に発行する文集(学級生の広場のページに昨年度の文集が抜粋で掲載されていますのでご覧下さい)には学級に通う大変さや楽しさ、そして講師やボランティアへの感謝がつづられていました。課外活動で見た奈良の大仏の大きさや、はじめて見た雪の美しさや感動をたどたどしい日本語で伝えています。

その後、中央小田の両公民館でも日本語学級がはじまり、外国人の人達は自分の近くで自分の都合のよい曜日に日本語を学べるようになりました。(各公民館での案内はこちら

日本語は、国語と違い効果的に教えるにはテクニックが必要なことがわかり、最近ではボランティアのための勉強会が講師によって行われるようになっています。

学習期間も最初は、1年で7ヶ月ほどでしたが、今は水曜日ならいつでも来てもらえるように1年を通して、オープンしています。そして、大庄日本語学級は、遠くふるさとを離れた学級生の国境のない心のふるさととして、現在にいたっています。(ボランティア代表)