勇者王ガオガイガーFINAL

平成12年1月〜平成14年3月、OVA全8話
各話ほぼ30分、最終話は大幅増強の50分

概要

あれから1年…。 エボリュダーガイとして生まれ変わったガイは、ギャレオンに変わって新たにファントムガオーを駆り、ファイティングガオガイガーことガオファイガーを得て活躍していた。

一方、マモルを待ち続ける初野華は、マモルが戒道と戦っているのを目撃する。 マモルが帰って来たのか? しかし様子が変だ。 そしてマモルは世界各地のGGG関連施設を襲撃し、謎のQパーツを強奪していく。 一体マモルに何が起きたのか。そして謎を秘めたQパーツの正体は何か。

事態はやがて宇宙規模の異変へとつながっていく。 勇者王の神話が…今、幕を開けた。

解説

大人気だった「勇者王ガオガイガー」のその後を描いたOVA。 だが名作の後日談などというと、単なる付け足し・蛇足となり盛り上がらない作品にもなりかねない。 しかし本作の企画自体はテレビ版放映中の頃からあり、テレビ版にも本作に繋がる伏線をそこはかとなく散りばめていたという、付け足しなどとはいえないものとなっている。 ガオガイガーの全ての謎が明らかになる、まさに最後のガオガイガーといえるのが本作なのだ。

そこでその内容だが、テレビ版に慣れ親しんだ人にとっては序盤は「え?」の連続となる。 なにしろ第1話のラストでいきなりマモルがGGGを襲撃するのを始めとして、今までのテレビ版のお約束を次から次へと裏切ってくるのだ。 それが良いのか悪いのか。確かに戸惑いは多少感じるが、相変わらずのテンションを保っていることも確かだ。

とにかくやっぱり燃える!  新ヒーローメカが登場したら誰もが夢見る、新メカと旧メカの対決・ガオファイガー対ガオガイガーなんてものまで、夢でもなんでもなく第2話で早々と見せてくれる。 とんでもない状況での戦いではあるんだけど、燃えるんだから仕方がない。 そんなこんなで、全8話という長丁場でありながら、あの手この手のイベントの連続で、特に中だるみというほどのものもなく一気に突っ走っている。 …まあリアルタイムで見ていた人にとっては、次巻発売の延期に次ぐ延期が中だるみと言ってしまえばそうだったかも。

そして本作、ガオガイガーの総決算とも言うべきものであるので、ゲーム版やら外伝やらから色々とキャラが登場している。 中でもルネは、本作の真の主役とも言うべき大活躍を見せている。 GGGのメンバーとは一歩離れたようなスタンスの、クールな態度と熱き勇者の心を持つ彼女の活躍は必見だ。 ちなみにヒロインの命はテレビ版では影が薄かった(?)が、こちらもかなりの大活躍。 ただ舞台がすぐに地球圏を離れてしまうので、華の方はあいにく出番は少ない。

とにかく、勢いはテレビ版に全くひけを取らない作品だ。 さあ、勇者達が最後に見せる神話を堪能せよ!

敵の正体は?

ソール11遊星主

三重連太陽系の再生プログラム。 三重連太陽系が機界昇華によって崩壊した後、その使命を果たすべく活動を開始する。 他の宇宙を犠牲にしてでも自らの使命を遂行しようとするため、我々の宇宙が消滅の危機に陥ってしまう。

その構成員は、パルパレーパ、ピルナス、ピア・デケム、ピサ・ソール、ピーヴァータ、ペチュルオン、プラヌス、ポルタン、ペルクリオ、カイン、アベル。

GGGの新装備

オービットベースのディビジョン艦が一新されている。
ディビジョンVII、ツクヨミは超翼射出司令艦。イザナギの後継艦で、機動部隊及びツール類の運搬・射出を行なう。
ディビジョンVIII、タケハヤは最撃多元燃導艦。スサノオの後継艦で、より強力なリフレクタービームIIを装備している。
ディビジョンIX、ヒルメは極輝覚醒複胴艦。アマテラスの後継艦で、機動部隊の回収・整備を行なう。

なおGGG女子隊員は相変わらずのセクハラ制服を着用しているが、下着はどうやら各人の自由のようだ。 作中確認できる限りでは、命の下着はテレビ版とは色が違う。(だから確認すなっ!)

新たに登場する勇者ロボ

従来登場していた勇者ロボはもちろん今回も全員登場する。新たに現れる勇者たちは以下の通り。
ガオファイガー
ファントムイリュージョンによる隠密行動が可能な戦闘機・ファントムガオー。 ガイがファントムガオーとフュージョンするとメカノイド・ガオファーになる。 ガオファーはファントムリングが使用可能なため、パワーはガイガーを上回る。 そして、ステルスガオーIII・ドリルガオーII・ライナーガオーIIとファイナルフュージョンを行なうことで、最強の勇者王ファイティングガオガイガーことガオファイガーになることができる。 当然、それには承認が必要である。
武装はガオガイガー宇宙戦仕様と同一だが、ウルテクエンジンが小型内蔵された分スマートになっている。 ツール類もガオガイガーと同じものを使用可能。 純地球産テクノロジーで建造されたため、非常に安定性がいい。
光竜、闇竜(田村ゆかり)
フランスの対特殊犯罪組織、シャッセールに所属する双子の女性型ビークルロボ。ルネの指揮下で働く。 氷竜と炎竜を兄と慕う。
光竜の武器は巨大メーザー砲「プライムローズの月」。闇竜の武器はミサイルの一斉掃射「シェルブールの雨」。 もちらんシンメトリカルドッキングも可能で、合体すると天竜神になる。
ジェネシックガオガイガー
第6話より登場。ガオガイガーの究極にして真の姿。 ジェネシックギャレオンにフュージョンするとメカノイド・ジェネシックガイガーとなり、更に五体のジェネシックマシンがファイナルフュージョンすることで完成する。
「ジェネシック・ドラーイブ!」
ジェネシックマシンは、ブロウクンガオー(右手)・プロテクトガオー(左手)・スパイラルガオー(右脚)・ストレイトガオー(左脚)・ガジェットガオー(翼・尾)である。 ガジェットガオーのパーツが分離変形し、各種ツールとして使用することも可能。
武装は、右手のブロウクンマグナム、左手のプロテクトシェード。だがその威力は従来の比ではない。 またガジェットツールとして、左手にボルティングドライバー、右手にウィルナイフを装備可能。 最大の技はもちろんヘルアンドへブン。全ての技がとにかくジェネシックである。
なお作中では、最強最後の技としてGGGの切り札・ゴルディオンクラッシャーを使用した。 元々これはガオファイガー用の武装であり、当然コネクタの規格が合わないのだかそこはガッツで補った。 その究極の破壊力は絶句ものである。

登場人物

テレビ版の登場キャラはほぼ全員登場するが、新キャラを中心に主な人物のみ紹介。
ナレーションは小林清志。
獅子王凱(檜山修之)
テレビ版の最終決戦で生機融合体・エボリュダーガイとして生まれ変わり、それからも相変わらず熱い勇気でGGG機動部隊隊長を勤める。
外見は人間同様だが、エボリュダーとしての秘められた能力があるようだ。 なお、体がほぼ人間同様になったせいか、テレビ版の時より命と妙にいちゃつくようになったような気がする。
ルネ・カーディフ・獅子王(かかずゆみ)
本作品の真の主人公(かもしれない)。雷牙の28人いる子供の1人。19歳。すなわちガイのいとこ。かつては雷牙との間に確執があったが、今は和解している。 この若さで、フランスの対特殊犯罪組織シャッセールの敏腕捜査官。それもそのはず、彼女はサイボーグなのである。
悪の秘密結社に捕らえられて改造人間にされてしまったが、脳改造の前に助けられ、その後は人間の自由のために戦うことを…ってなんか違うぞ。 えー、死の商人バイオネットの試作サイボーグにされてしまったが、救われて雷牙の手でGストーンサイボーグとして生まれ変わった。 しかし体機能の不安定さはまだ残っており、活動時は体が異常に発熱する。常にコートを着用しているが、これは逆に発熱を抑えるための冷却コート。
このコートは彼女の心も覆い隠してしまうかのように、彼女は他人に心を開かない。 しかし「イークイップ!」するとボディラインくっきりはっきりなコスチュームになる。実はナイスバディだ。
常に戦いの中に身を置こうとする、「獅子の女王」。
天海護(伊藤舞子)
今回、世界各地を襲撃してQパーツを強奪するという衝撃的登場となる。しかしその真相は…。
卯都木命(半場友恵)
従来の仕事に加え、ツール類の制御も全て行なうようになった。 すなわちガオファイガーに関する全てのサポートを行なう。ずいぶんと忙しそうである。 一人だけなんだか大胆に胸元が開いた制服を着ているが、いいのか? いや、いいけど。 更に、なんだか胸が大きくなったような気もするのだが…。
パピヨン・ノワール(川澄綾子)
GGG研究部オペレーター。アメリカに転属になったスワンに代わり任務に就く。 元はシャッセールでルネのサポートをしていた生体医工学者で、ルネが心を開く唯一の人間。 物静かな女性で、センシングマインドによって、常人が感じ取れないことも認識することができる。 なぜか猿頭寺と相思相愛。世の中は分からんものである。
八木沼範之(真殿光昭)
GGGの新長官。防衛庁からの天下り組であまり勇気とは縁の無さそうなのんびりした人だが、勇者たちに対する信頼は厚い。
高之橋両輔(小林清志)
GGG研究部主任。世界十大頭脳の1人らしい。
ロゼ・アプロヴァール(有馬瑞香)
国連事務総長。さすがの大河も全く頭の上がらない、威厳たっぷりの初老の女性。
ギムレット(青野武)
死の商人・バイオネットの指揮官。かつてガオファイガーの最初の敵として戦い、敗れた結果サイボーグになっている。 第1話にてQパーツを用いたロボット、ギムレット・アンプルーレを駆り、ガオファイガーと再戦する。「いけませんねぇ〜」
パルパレーパ(梁田清之)
ソール11遊星主の1人。何かにつけてガイと対決する。 注射器を装備しており、化学物質を用いた攻撃を得意とする。 ケミカルフュージョンによって巨大ロボ・パルパレーパPLUSとなる。 その必殺技は、ヘルアンドヘブンと互角のゴッドアンドデビル。
ピルナス(半場友恵)
ソール11遊星主の1人。鎖と針を武器として、何かにつけてルネをいたぶる、女王様風のハチ女。
カイン(千葉耕市/大木民夫)
ソール11遊星主の1人。おなじみ、緑の星の指導者にしてラティオの父親のはずだが…。
アベル(紗ゆり)
ソール11遊星主の1人。外見はただの幼女だが、赤の星の指導者にしてソルダート師団やアルマを作り上げた張本人。 …のはずだが、ソール11遊星主のリーダーとして登場する。口調は落ち着いた丁寧なものだが、やることは冷酷無比。 また服をめくると下から無数の砲門が現れる。

全話リスト

タイトル
FINAL 01「勇者王新生!」
FINAL 02「破壊神!嵐の決戦!」
FINAL 03「GGG追放命令」
FINAL 04「勇者王!最期の刻」
FINAL 05「復活の白き方舟」
FINAL 06「我がはG(ジェネシック)」
FINAL 07「超勇者黙示録」
FINAL 08「神話」

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