モスラ対ゴジラ

1964年4月29日公開
カラー、東宝スコープ
1時間29分

解説

なんと東宝の二大スターが共演。 もちろんその二大スターとはゴジラとモスラ。 ラドンはどうした?って人もいるだろうけど、ラドンは次のお楽しみ。

通称「モスゴジ」と呼ばれる今回のゴジラは非常に凶悪な面構えに仕上がっている。 実際、平和の象徴ともいえるモスラを相手にするわけだから、なんか非常に憎たらしい。 やってることはいつもと同じく、ただ歩き回ってるだけなんだけどねえ。

今回の見所は成虫モスラ対ゴジラ、幼虫モスラ対ゴジラの2段対決。 操演怪獣であるモスラをゴジラと格闘させるとは大胆な。 さすがに今見れば特撮にはいまひとつの部分もあるが、その意気込みを評価したい。

しかしそのモスラが強いんだ、これがまた。 成虫モスラがあの華奢な体でゴジラを引きずっていくのに驚くのはまだ序の口。 よく見れば、ゴジラはほとんどモスラに有効なダメージを与えていない。 一見、放射能火炎のクリティカルヒットで逆転したように見えるのだが、小美人いわくモスラの寿命が尽きたとのことで、ゴジラがモスラを倒したというのではなさそうだ。

そしてラストの幼虫モスラとの対決。 ゴジラはこれまたモスラに対してまともなダメージを与えていない。 地面に叩き付けてペシペシ尻尾ではたいたりしてるのだが、モスラは元気にすぐ立ち直っている。 その後は地形効果を活用するモスラの一方的な攻撃。 こんな具合に一方的にゴジラを攻め続けたのは他にはメカゴジラ(最初の奴だぞ、当然)くらいのもんだ。 今回の戦いは、ゴジラ唯一の負け試合として公認(?)されている。 強いぞ、モスラ!

そしてモスラに負けじと防衛隊も結構がんばっている。一時はゴジラに勝ちそうにもなっているから凄い。 だけどどうしてこう、電撃作戦が効くと調子に乗って電圧を上げて自滅するんだろ。 これもお約束かぁ。

ストーリーの方は、テーマとしては「モスラ」のアレンジっぽい。 まあモスラをメインで出すならこんなもんだと思うけど。 けどインファント島の面々が純子たちの説得に耳を傾けるところはなんか安直な感じ。

でも、悪役で出て来るとは珍しい佐原健二(虎畑)と田島義文(熊山)のコンビはなかなか面白い。 虎畑も熊山もあまりにも単純すぎるんで、全然憎めない。ネルソンが陰湿なのとはえらい違いだ。

それとゴジラ対策司令官の藤田進。 お馴染みの顔のような気がするけど、なんと実はゴジラシリーズでの登場はこれ一回きり! 必見だぞ。

ストーリー

大規模な台風8号が東海地方を襲った。 倉田浜干拓地に取材に向かった毎朝新聞の酒井一郎と中西純子は、不思議な光る物体を見つける。

そしてまた、静之浦にはとてつもなく巨大な卵が漂着していた。 それを調べる三浦博士を取材に向かう一郎と純子。 だがそこに、その卵を漁師から買い受けたという男が現れる。 その男、ハッピー興行社の熊山は卵を見せ物にしようとしているのだ。

その晩、一郎たちの前に小美人が現れる。 あの卵はモスラの卵だという。台風で流されてしまったのだ。 小美人は卵を返してほしいと言うが、熊山の背後には政財界の影の実力者である虎畑もおり、一筋縄ではいきそうにない。

静之浦では熊山の手で静之浦ハッピーセンターの建設が進められていた。 そこに談判に行く一郎たち。しかし熊山は卵を返さないどころか、小美人を買い取ろうとする。 失望した小美人はモスラに乗ってインファント島に帰ってしまう。

新聞にいくら書きたてられても熊山たちはびくともしない。 そんな折り、一郎と純子は自分達が拾った物体が放射能を帯びていることを知る。 二人は三浦博士と共に干拓地に調査に向かう。 すると、そこにゴジラが出現した。

我が物顔で進撃するゴジラ。名古屋城を瓦礫の山に変え、ゴジラは更に東へと進む。 ゴジラ対策に悩む一郎たち。そこで同僚の中村の何気ない一言がきっかけで、モスラに頼もうということになる。 最初は行き渋っていた一郎だが、仕方なくインファント島へと向かう。

島に着いた一郎たち。だが案の定、島民たちはモスラの力は貸せないと言う。 小美人もまた、彼らの頼みを断る。 が、純子と一郎の心からの訴えに応え、モスラは残り少ない命を投げうって最後の力を出す。

一方、日本では防衛隊によるゴジラ撃滅作戦が展開されていた。 だがゴジラは悠々と静之浦に迫る。

ゴジラが現れたせいで熊山は破産してしまった。 熊山は虎畑に詰め寄り金を奪って逃げようとするが、逆に虎畑は熊山を射殺する。 が、ゴジラがそのホテルを通り過ぎ、そのせいで虎畑も瓦礫の下敷きになる。

いよいよモスラの卵に迫るゴジラ。 が、そこにモスラが到来。衝撃波でゴジラをたじろがせ、尻尾をつかんでひきずってゴジラを卵から引き離す。 そしてモスラの猛毒の鱗粉がゴジラを襲う。 さすがのゴジラも旗色が悪くなるが、ゴジラは放射能で反撃する。 そこでモスラの動きがおかしくなる。モスラの寿命が尽きようとしているのだ。 モスラはゴジラとの戦いを放棄し、卵に寄り添うようにして息を引き取る。

再び進撃を開始するゴジラ。そこに防衛隊の放電作戦が開始される。 が、ゴジラには全く効果がない。 片やモスラの卵のところでは、一郎たちが見守る中、小美人がモスラの卵に向けて祈りの歌を歌う。

防衛隊はゴジラに対して空爆を開始。 そして特殊帯電ネットを被せて動きを封じ、再度の放電作戦を実施。 が、電圧を上げすぎたため送電線が焼き切れ、ゴジラは逃れる。 ゴジラは岩島へと向かうが、そこには逃げ遅れた子供たちがいた。

一方、小美人と島民達の祈りに応えてモスラの卵が輝き始めていた。 そしてついに卵が孵化する。なんと生まれた幼虫は二匹だった。 双子の幼虫はゴジラを追い、岩島へと向かう。

その隙に一郎たちは子供達を救いに島へ向かう。 そして進撃するゴジラに対し、二匹のモスラが攻撃を開始する。 地形を利用し岩陰に隠れ、糸を吐いてゴジラの動きを封じる。 その変幻自在の二面攻撃の前に、ゴジラは全くなすすべもない。 なおも吐きかけられるモスラの糸。 もはやゴジラは完全に動きを封じられて目も見えない。 ついにゴジラは海に転落する。そして辺りは静かになった。

小美人を乗せて二匹のモスラはインファント島に帰る。 一郎たちは手を振っていつまでも見送るのだった。

スタッフ

製作...田中友幸
脚本...関沢新一
音楽...伊福部昭
特技監督...円谷英二
監督...本多猪四郎

キャスト

酒井一郎...宝田明
中西純子...星由里子
三浦博士...小泉博
中村二郎...藤木悠
虎畑次郎...佐原健二
小美人...ザ・ピーナッツ
デスク...田崎潤
熊山...田島義文
対策本部長...藤田進

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