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マルクス・クラウディウス・マルケルルス(198執政官、189監察官)?-?
今回は閑話休題。マルケルルスと同名の息子に就いてです。マルケルルスの息
子は資料にも何回か出てくるものの、それらが全て同一人物であるかどうかは良
く分かりません。ですから、もしかしたら別人かもしれませんが、もし同一人物
であるならば、彼は父に同行してハンニバル軍とも戦い、189年には監察官となり、
自由人の子を市民として認めることを決定しています。
これは彼の父親のマルケルルスがアエディーリス(按察官:公共の建設物、文
書、競技等を司る役人)に選ばれた時のことです。彼は気の進まない訴訟を起こ
さなければならなくなりました。それがこの息子に関してだったのです。
この息子はいい年頃になっていましたが、容姿が優れていたばかりでなく、品
行も正しく教養も高かった点で市民達の評判になっていました。この少年にマル
ケルルス(父親の方です)の同僚のカピトリーヌスという放縦で横暴な男が愛慕
の言葉を掛けました(笑)。少年は最初自分だけでその誘惑(?)をはねつけま
したが、又も手を延ばしたので父に話したところが、マルケルルスは憤慨してこ
の男を元老院に告発しました。
そこでカピトリーヌスは百方手を尽くして抜け道と揉み消しを図った末、護民
官達に訴えましたが、それが受理されなかったので、否認によって罪を免れよう
としました。言い寄った言葉の証人は一人もなかったので、元老院はこの少年を
召喚することを決議しました。しかし出頭した少年の赤い顔と涙と怒りを交えた
羞じらいを見ると、他の証拠を求めずにカピトリーヌスを有罪と判決してこれに
罰金を課したということです。
いやー、可愛いですねえ(笑)。言っておきますが、私にはそういう趣味はな
いので、変なメールを送られても困りますよ(笑)。
次は、ハスドルバルを撃ち破り、ハンニバルをして「神は我らを見捨てたもう
た!」と嘆かせた、ガイウス・クラウディウス・ネロです。
DSSSM:dsssm@cwa.bai.ne.jp