デビルマンレディー 第2話 「血」

脚本 小中千昭  絵コンテ 平野俊貴  絵コンテ・演出 元永慶太郎  作画監督 小林利充、をがわいちろを
対峙するジュンとウルヴァー。そして両者は激突する。 ジュンの腕が、翼が、鋭い刃となりウルヴァーを切り刻む。 そしてすれ違い様、ウルヴァーの首が斬り落とされる。勝負は決まった。 ジュンの勝利の咆哮が夜空に響き渡る。

…優しい朝日が差し込む。 ジュンは自分の部屋のベッドの上で目覚める。自分の体はいつもと変わりない。ホッとするジュン。
「夢…いやな夢」
が、浴室を覗くとそこには血まみれの自分の服が。 そして理解する。全ては現実であったことを。 泣き崩れ、自殺までしようとするジュン。 その時、マネージャーの湯浅からいつもの明るい調子で仕事の確認の電話がかかってきた。

仕事の現場。遅れながらもジュンは仕事にやって来た。湯浅はジュンの様子がいつもと違うのに気付く。 しかしCM撮りの仕事は好評のうちに終わる。 だがジュンは、弁当を渡しに来たADに迫りキスする。その時のジュンの目は妖しく輝いていた。 やがてふと我に返ったジュンは泣き崩れる。

湯浅にマンションに送ってもらったジュンは、待ち構えていた和美とレストランに行く。 親と喧嘩したという和美に一緒についていってあげると言うジュン。 が、和美が手洗いに立った時、ジュンの前にアスカが現れて獣になったジュンの写真を突きつける。それまで忘れていた悪夢が一瞬で甦る。 戻って来た和美に、先に帰ってと言うジュン。その異様な雰囲気に和美は一人で店を出て行く。笑みを浮かべてアスカは言う。
「さ、立って。いい気持ちにさせてあげる」
アスカをにらみつけるジュン。

アスカの車で連れて行かれるジュン。アスカはHA・人間同盟という組織の一員らしい。 そして、他にもあんな怪物がいるらしい。人が人でないものになる…デビルビーストプログレス!

やがてバー「ダゴン」に着く二人。
「デビルマンて、何のことなの?」
「ビースト因子を持っていながら、人としての意識を捨てられずにいる半端な進化をした者。あなたは言わば、ネオテニーなの」
ジュンには全く意味が分からない。 だがアスカは分からなくてもいいと言う。 獣に進化しようとする者を、最初からなかったかのように削除していくエグゼクターとしてジュンを必要としているのだと。

バーに入る二人。血の匂いが立ち込める。 店の中に火をつけるアスカ。死体の山と血の海が浮かび上がる。 そして、何かがうごめいている。
「何が…いるの?」
「あなたの獲物よ、不動ジュン」
発砲するアスカ。だが、その虫の怪物はジュンに襲って来る。 その鋭いハサミがジュンを挟んで真っ二つにしようとする。悲鳴をあげるジュン。、
「本当のあなたを見せなさい!不動ジュン!」
その時、ジュンの目が光り輝いた。それは獣の目。そしてジュンは変身を遂げる。

店の外に出るジュンとビースト・カザール。しかしカザールのハサミは今のジュンには通じない。 ハサミをねじ切るジュン。 だが、カザールは変形し、ムカデのような姿となって襲って来る。 ジュンに巻き付き、締め上げるカザール。しかしジュンの両腕に生えてきた刃がカザールをバラバラにする。勝負はついた。 首だけになったカザールが最後に言う。
「どうして…進化した仲間を殺す」
「お前は、幾度も死ぬ」
「進化した者が、殺す」

HAの手でバーが焼き払われ、ジュンは人間に戻る。
「いやぁぁぁーーーーーっ」
ジュンの叫びが響き渡る。


羽虫ビースト・カザール

体長 2.5m〜16m、体重 120キロ〜8トン

この数値、前者は最初の時、後者はムカデタイプの時のもの。 ムカデタイプに変形するとやたらと大きくなっているが、別にギガイフェクトしたわけではない。 というか、画面で見る限りそんなに大きいようには思えないのだが…。

第20話で、ナペリウスの力で甦って再びジュンと戦う。


ウルヴァーとの決着から始まる第2話。 ジュンの苦悩、そしてアスカがジュンに何をさせようとしているのかが描かれる。 そしてCM撮影で顕在化し始めるジュンの獣性。 カメラの前に立つと別人に変わってしまうというジュンがホントに別人になってしまう様子は、今後も何度も見られる。 どんどんジュンの日常は崩壊していくのだ。

しかしなんともアスカが極悪。和美がすぐ戻って来るというのに、変身したジュンの写真を無造作にテーブルの上に投げ捨てて不敵な笑みを浮かべる。 戻って来た和美が、アスカを業界の人だと思って挨拶するのがなんとも彼女らしくて平和そのもの。 片や怒りに震えるジュン。この時点でのアスカとジュンの関係は最悪。 でもジュンは車で出かける頃にはいつもの気弱なジュンに戻ってしまうのが、これも彼女らしいというか何というか。

ちなみに、ジュン・和美・アスカの3人がひとつところに揃うのは、もう一度あるかないかというくらい珍しい。 というか、和美とアスカはそもそも二人だけでは絶対出会うことのないキャラなのだ。 このシーンはそういう貴重なシーンなので、心して見るように。

なお今回は原作を意識してか、HAはジュンのことをエグゼクターと呼んでいる。 今回限りで珍しいので心して聞くように。


続きを読む
デビルマンレディー作品リストに戻る
デビルマンレディーのメインページに戻る