デビルマンレディー 第7話 「霧」

脚本 村井さだゆき  絵コンテ・演出 まついひとゆき  作画監督 小林利充
12年ぶりの濃霧に覆われた東京。こんな日にはさすがに人も車も少ない。 そんな中、流しのタクシーの前に傷だらけの全裸の女性が倒れ込んできた。

不機嫌に病室に入るアスカ。こともあろうにジュンが、せっかく追いつめたビーストを逃がした挙げ句に民間の病院に担ぎ込まれてしまったからだ。 アスカはジュンを厳しく非難する。その冷酷な口調に思わず反発するジュンだが、逃がしたのは事実だし相手がアスカではいつものように黙り込むしかなかった。

ジュンの脳裏に先ほどの戦いの様子が浮かんでくる。 巨大な鎌を持つビースト・エアリアル。その凄まじい斬撃にレディーは苦戦を強いられる。 HAが公園に追いつめたのに、あっさりと町中に引きずり出される。 なんとかエアリアルの右腕を引きちぎったものの、ビルの屋上から叩き落とされてしまったのだ。

とあるバー。湯浅がグラスを傾けている。 そこでそのバーにいた坂沢という男が不気味な話を始める。 人々が知らないところで起こっている怪事件の数々。それを隠蔽しようとする謎の組織があると。 坂沢は湯浅に、自分の身近な人が既に事件に巻き込まれているかもしれないと告げる。

警官が一人エアリアルに殺された。すぐさま警戒態勢が敷かれる。 ジュンを引きとったアスカと前田の乗る車も現場に向かう。 ジュンは霧を見て、子供の頃のことを思い出していた。 祖父から聞いた話。こんな霧の夜に遅くまで起きていると死神に連れて行かれてしまうという。 それを聞いたジュンは逆に死神に会いたがって、ずっと起きていた。そしてジュンの見たものは…。

自衛隊の大部隊が繰り出され、エアリアルを追いつめる。 そしてライトに照らされたエアリアルの前に、レディーが立ちはだかる。

再び戦いを開始するレディーとエアリアル。 エアリアルは川へと逃げ込む。 が、再び川から現れたエアリアルはギガイフェクトを起こしていた。 エアリアルはジュンがあの夜に見たもの、そう、巨大な鎌を振り上げた死神のごとく、レディーに襲いかかる。

レディーもまたギガイフェクトを起こす。 両者を照らし出すライトが、霧に彼らの姿を投影する。 霧に浮かぶ巨大な二つの影を目の当たりにする和美・湯浅・坂沢。

戦う両者。エアリアルの巨大な鎌が襲い来るが、レディーの腕の刃があっさり斬り落とす。 レディーはエアリアルの頭を掴んで壁に叩きつけ、頭を潰してしまう。

夜が明けて、太陽が差し込む。 前田がジュンに、ビーストに付着していたという定期入れを見せてくれた。 そこには家族で楽しそうにしている写真が挟み込まれていた。 あのビーストも元は人間だったのだ…。 だが、彼がビースト化して最初に殺したのが自分の家族だったという。

ジュンはつぶやく。
「あの夜見たのは、私の本性だったのかもしれない…」


鼬(いたち)ビースト・エアリアル

体長 4〜16m、体重 400キロ〜10トン

妖怪かまいたち。三兄弟でえん魔くんを苦しめる。…って違うってば。 でも似たようなもんだ。一人でも両腕の巨大な鎌でレディーを苦しめる。

妻子持ちのおっさんがビースト化したもの。ギガイフェクトもするぞ。


冒頭、今までのダイジェストが流れる。 これは別にストーリーの転換期だとかいうわけではなく、単に本編が短くなってしまったのでくっつけただけ。

今回、幼少時のジュンを見ることができる。高校時代もそうだったが、小さい頃も今と髪型が全く同じである。 小さい頃から髪を伸ばしていたとは。髪を洗う時、うっとうしくない?

そして今回、ジュンとアスカの関係がちょっと妙。 まるで友達みたいに、自分の小さい頃の話をアスカに語り始めるジュン。 そしてそれなりに受け答えするアスカ。なんか妙になごんでるぞ。

更に戦闘終了後。お疲れさまとでも言いたげに、ジュンにコーヒーを持って来るアスカ。 ガウンかけるくらいならいつもやってるけど、なんか妙に気を遣ってない、アスカ? 一度倒しそこなった相手を倒しただけで、特に誉めるほどのこともないと思うのだが。アスカにとっては。 たまには気まぐれに人間らしい(ぉぃぉぃ)ところも見せるということかな。

それとさりげなく、坂沢が初登場。 湯浅の前に現れたのは、もちろん偶然ではあるまい。 この時点で既にジュンに目を付けているのだ。 …って、HAは完全極秘でジュンを使っているというのに、よくジュンのことが分かったな。凄いぞ。


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