市ヶ谷に着いたジュン。と、見慣れぬ男がいる。
サミュエルソン研究所のジェイソン・ベイツ博士で、ジュンを調べに来たという。
が、その前に、ビデオの件でアスカはジュンを連れ出す。
別れ際にベイツが言う。
「私はあなたを美しいと思っている。デビルマンとなって…」
既にビデオに映っていた景色から場所は特定できていた。 しかしそのアパートの部屋は既にもぬけの空。だが、ジュンは部屋に何かの痕跡を感じ取ることができた。
部屋を出たジュンの前にベイツが現れる。ベイツはジュンを食事に誘う。 そこで話をする二人だが、ベイツはビーストプログレスを肯定するようなことを言う。 プログレスによって精神が侵されるのは、精神が弱いからだ。 人の精神を保ち続けるジュンは強い。ジュンこそ真のプログレスを果たしたのだと。
一方、ニュースを放映中だったテレビ局で、本番中にスポーツキャスターが突如プログレスした。
ビデオを送ったのはこの男だったのだ。警戒していたHAはすぐさま放映を止めさせる。
そのテレビを見ていたベイツとジュン。ベイツはジュンに言う。
「さ、見せて下さい。あなたが本当に強いものなのかどうかを」
テレビ局に着いたジュンとベイツ。
アスカはプログレスが電波に乗ってしまったことの影響について気にするが、ジュンはその言葉を無視する。
「それを考えるのは、私の仕事じゃないでしょ」
「私は私の意志で、ビーストを処理する」
暗い廊下を進むジュン。その前に、ビースト・スパーゲルが姿を現す。ジュンは変身する。
「お前のことは聞いたことがある。進化を否定する、旧人類の傀儡!」
スパーゲルはレディーに襲いかかる。
だがレディーの一撃でスパーゲルは吹き飛ばされる。
スタジオのセットに飛び込んだスパーゲル。レディーはとどめを刺そうとするが、ふとベイツの言葉が気になって隙ができる。
その隙を逃さず、スパーゲルはレディーに反撃し、更に天井の照明をレディーの上に落とす。
下敷きになり動けなくなるレディー。
「弱い女だ。あんたは不完全な進化しかしてないんだ。仲間ではない!」
スパーゲルはレディーの頭をねじ切ろうとする。
と、その時、スパーゲルを無造作につかみ上げたものがいた。ビースト? いや違う、これは…。
「フン、この程度のビーストに苦戦するなんて、ちょっと残念だな、ジュン」
「ベイツ…! デビルマンだったなんて…」
そしてベイツはあっけなくスパーゲルを葬り去る。
下敷きになったままのレディーに歩み寄るベイツ。
「美しさは変わらない…」
ここから出してと叫ぶレディーを無視して話を続けるベイツ。
「私はあなたが好きだ。私より強ければ、もっと好きになる…」
全てが終わった。痛々しい姿で局の建物から出て来るジュン。そこでアスカがまた冷酷に言う。
「ジュン、あなたは私に恥をかかせたのよ」
ショックを受けるジュン。
「強くなりなさいよ。それだけが、あなたの生き残れる道」
「強くなるわ。でもあなたのためじゃない」
じっと対峙する二人…。
恐竜ビースト・スパーゲル
体長 2.5m、体重 600キロ
双頭の恐竜。しかも自分の顔はその2本の首の間に付いている。 人間になったりビーストになったり、と自由に変身できる奴。
第20話で、ナペリウスの力で甦って再びジュンと戦う。
いよいよジェイソン・ベイツ登場。 平野監督の作品には必ずと言っていいほど主人公に宿敵が登場する。 そして今回も監督から宿敵が欲しいというリクエストがあり、それで生み出されたのがこのベイツだ。
ジュンの宿敵として設定されたこの男だが、今回の脚本を読んだ平野監督は不満そうだったとか。 なぜかと言うと、二人が全然闘ってないからだって。 いやー、原作版のジュンならともかく、このアニメ版のジュンの性格では敵でもない奴とは無闇に戦わないと思うぞ。 これで正解ではなかろうか。
なお細かい話になるが、ここで注目しておきたいのはアスカとベイツの関係。 特にはっきり何が描かれているというわけではないが、全て見終わった後に改めて今回の話を見ると、いくつかのシーンの端々で二人の関係を想像することができる。 一応二人の関係には裏設定があったりする。ま、その話は次の機会に。
しかしジュン、だんだん凛々しくなっていく。と言うか、やけにドライになり過ぎ。 どうもアスカやベイツをにらみ付けるその様子からしても、逃れられない自分の境遇に開き直って没頭することで全てを忘れてしまおうとしているようだ。 まあそもそもジュンの性格上、状況に流されやすいと言うか順応しやすいと言うか…。
スパーゲルはジュンのことを知っているとのことだが、おそらく情報源はサトルだろう。 サトル以外にそんなこと知ってる奴はいないし、後にナペリウスが復活させていることから見ても多分。 サトルも人知れず暗躍してるわけだ。 しかしこの頃はジュンを放っといて何やってるのかと言いたくなるが、四天王をスカウトしてたというのに一票。