まず結論から言おう。マジンガーZは音声入力で武器を放つロボットなのだ! だから毎回武器の名を叫ぶ必要があったのだ! …あっ、笑ったな。でもこのことにはいくつも裏付けがあるのだ。 それをひとつひとつ紹介しよう。
まず最初、マジンガーZに初めて乗り込んだ兜甲児は、操縦方法が分からず無茶苦茶に操作する。 するとマジンガーは当然、走ったり回ったりとでたらめな動き方をしてしまう。 ここで注目すべきなのは、でたらめに動きつつもマジンガーZは武器を全く発射していないということ。 そこらのボタンやレバーを手当たり次第にいじくっていれば、いずれは光子力ビームやブレストファイヤーなどを発射しても良さそうなものなのに。 このことから、単にボタンやレバーを操作しただけではマジンガーZの武器は発射されないということが分かる。
もうひとつこのことの裏付け。 ブロッケン伯爵がマジンガーZを強奪したことがあった。 この時ブロッケンはこれまた操縦方法が分からず適当にボタンやレバーをいじくりまくるが、マジンガーは踊り回るだけで武器を発射しない。 やはり単純な機械操作では武器は出ないのだ。
そして決定打とも言うべき事実がこれ。
新兵器アイアンカッターを装備したマジンガーZは機械獣タイターンG9に挑むが、その激しい攻撃の前に甲児は意識朦朧になってしまう。
その甲児を、アイアンカッターを発明したもりもり博士が励ますのだが、その時のセリフがなんと、
「甲児くん、『アイアンカッター』と叫ぶんじゃ!」
というもの。作った本人が言ってるんだから間違いない。
少なくともアイアンカッターは叫べば発射できるのだ。
ではアイアンカッターだけが叫べば使える武器なのか? 少なくとも他の武器も単純操作では出すことができないのは先に述べた通り。 さりとてまさかレバー右・下・右下+ボタンでロケットパンチが出るなんてわけじゃあるまい。 ユーザインタフェイスの面から考えても、全ての武器が同じような操作体系に基づいていることは容易に想像ができる。 ということは、やはり他の武器も技の名を叫ぶことが基本なのだ。
しかしブロッケンもロケットパンチとかブレストファイヤーとか叫んでいたような気もする。 だったらこの説は崩れ去るのか? いや、そんなことはない。 ここで、冒頭で述べた事実を見直してもらいたい。
兜甲児は技の名前を叫ぶと共に、ボタンやらレバーやらを操作している。 ずばり、このタイミングこそが大事なのだ。 単に叫ぶだけではだめだし、単にボタンを押すだけでもだめ。 叫ぶと共に、一定の時間内に攻撃ボタン(攻撃レバー)を操作すれば武器は出る、ということではないか? 恐らく弱攻撃はボタン、強攻撃はレバーなどと決まっているのであろう。 レバー右・下・右下+ボタンなんてのもまんざら冗談でもなかったようだ。
だとしたら非常に単純で優秀なインタフェイスだ。 技の名を叫ぶということで発射までタイムラグが発生するものの、数種類のボタン/レバーで全ての武器を出すことができる。 その分その他の操作系や計器類にコクピットのスペースを費やすことができるし、おまけにいくらでも武器が増設できる。 実際マジンガーZはどんどん新兵器を搭載したではないか。
凄いぞ、マジンガーZ!
いつかあなたもマジンガーZに乗る機会があったら、照れずに思いっきり「ロケットパァァンチ!」と叫ぶといい。
照れるとロケットパンチがちゃんと飛ばないかもよ。