しかしこの映画、前作が素晴らしすぎたせいか、若干不満が残る。 まず、前作より更に時間が短いのに、ムサシの死、そして主役ロボット交代劇というドラマを持ち込んだこと。 こうなるとスーパーロボットの活躍時間が短くなる上に、ドラマだって深く描くことはできない。 なんともどっちつかずの中途半端なものが出来てしまう。
なんともあっさり死んでしまうムサシ。ほとんど事故死だよ、これじゃ。お願いだから特攻してくれ。 そして新キャラのベンケイは、全くそのキャラクターが描かれない。まあテレビで見せてるからいいということなんだろうけど。 台詞が「ポセイドン、発進!」の一言だけというのもあんまりだ。
そして肝心の戦いの方も、せっかくの新ロボ、ゲッターロボGが、ゲッタードラゴンにしか合体してくれない。 それに、グレートの危機に颯爽と助けに現れるおいしい役回りでありながら、あまり華々しい活躍は見せてくれない。 なぜかと言うと、グレートの方もグレートブースターのお披露目というイベントを持っていたから。
短い時間で両方の見せ場を作らないといけないという課題が悪い結果を残している。 ゲッターなんかどうでもいいというのならともかく、これではせっかくの新番組「ゲッターロボG」が可哀相ではないか。 いかに敵が、ゲームのスーパーロボット対戦でもおなじみの強敵ピクドロンだといっても、ゲッターが一度ピクドロンを倒すくらいのことはしてもいいじゃないか。 これは演出がちょっちマズったね。
ということで、前作に比べるとパワーダウンしている感は否めない。 ボスボロットも出てこないしねえ。 まあ、ピクドロンはゲーム中での強さに恥じず本当に強いので、こいつがグレートをボコボコにするところを見たい人はどうぞご覧あれ。
ゲッターロボは分離してグランゲンから逃れようとするが、ジャガー号が狙われる。 そこでムサシはハヤトを助けようと無理にグランゲンに攻撃を加え、ベアー号はグランゲンと激突して両者とも爆発してしまう。 悲しみに暮れる早乙女研究所。が、研究所では新ゲッターロボが完成していたのだった。 そして訓練生のベンケイが新パイロットとして起用される。
一方、円盤からは新たに結合獣ボングが放たれ、町を破壊する。 鉄也に代わってジュンはビューナスAを出動させるが、全く歯が立たない。 と、やがてグレートマジンガー本体だけが改造を完了し、出撃する。 そしてグレートはボングをサンダーブレークで倒すが、円盤は新たに光波獣ピクドロンを放つ。 ピクドロンが放つ光の矢にボロボロになるグレート。
そこへ、新ゲッター、ゲッターロボGが現れる。 ゲッタードラゴンとなってグレートを救うリョウ。 ビーム攻撃で一気にピクドロンを倒そうとする両者だが、ピクドロンは逆にそのエネルギーを吸収して巨大化してしまう。 苦戦する両者。
が、そこでグレートブースターが完成。鉄也は無事にドッキングを成功させる。 そして円盤を発見した鉄也はゲッタードラゴンと共に攻撃し、ゲッタービームとグレートブースターの連続攻撃で見事に円盤を粉砕する。 更にピクドロンに向かう両者。鉄也はグレートタイフーンでピクドロンの光を吹き飛ばし、その下の固い本体を剥き出しにする。 そしてゲッタードラゴンがピクドロンの首をぶった斬り、グレートがグレートブースターでとどめをさす。
再び平和が戻った。が、その代償は大きかった。 皆は、ムサシの死を悼みこれからの平和を誓うのだった。
| 製作 | ... | 今田智憲 | 
| 企画 | ... | 有賀健・横山賢二 | 
| 原作 | ... | 永井豪・石川賢とダイナミックプロ | 
| 脚本 | ... | 藤川桂介 | 
| 音楽 | ... | 渡辺宙明・菊池俊輔 | 
| 作画監督 | ... | 小松原一男 | 
| 演出 | ... | 明比正行 | 
| 鉄也 | ... | 野田圭一 | 
| ジュン | ... | 中谷ゆみ | 
| 剣造 | ... | 柴田秀勝 | 
| シロー | ... | 沢田和子 | 
| 所員 | ... | 矢田耕司 | 
| リョウ | ... | 神谷明 | 
| ハヤト | ... | 山田俊司 | 
| ムサシ | ... | 西尾徳 | 
| ベンケイ | ... | 八奈見乗児 | 
| 早乙女博士 | ... | 富田耕生 | 
| ミチル | ... | 吉田理保子 |