キカイダー01
放映
昭和48年5月12日〜昭和49年3月30日、全46回
NET系
毎週土曜20時〜20時30分
概要
ダークは滅んだ。しかし、プロフェッサーギルは自らの脳をハカイダーに移植してギルハカイダーとなって生き延びる。
そしてダークの幹部3人の脳を頭部に収めた3人のハカイダー、シルバーハカイダー・レッドハカイダー・ブルーハカイダーと共にハカイダー四人衆を結成。
ハカイダー部隊を率いて、最終兵器ジャイアントデビルの秘密を求めて少年アキラを狙う。
だがその時、光明寺博士がかつて作り出した人造人間が仁王像の中で目覚めた。
キカイダーの兄、イチロー・キカイダー01(ゼロワン)である。
イチローはアキラを守りつつ、ハカイダー部隊を壊滅に追いやる。
しかし、そこへ謎の組織シャドウが出現。イチローの戦いは果てしなく続く。
解説
大人気だった「人造人間キカイダー」の強化策として作られた続編。
前作の主人公、キカイダーも時々登場する。
最初は人気キャラクター、ハカイダーがハカイダー部隊を率いて登場。
この頃はまだマシだったのだが、ハカイダー部隊が全滅してギルハカイダーだけがシャドウに拾われてからハカイダーはどんどんおかしくなっていく。
くだらん仕事をやらされてどんどん落ちぶれていくその様子は涙ぐましい。前作のかっこよさを知る者としては見たくはなかろう。
だから01の話をしていて話題がハカイダーの方にいきそうになったら、清く正しいハカイダーファンなら
「そうそう、ハカイダーと言えば「サンダーマスク」に出てきた魔獣だよねー」
と言ってボケるべし。
この作品では主人公イチローのキャラクタが典型的なかっこいいヒーローとなり、前作の悩めるヒーロー像はどこかに消えてしまった。
これを不満と思う人も多かろう。
ところがそんな不満が消し飛ぶのは第30話以降。
ビジンダー・マリが登場するからだ。
不完全な良心回路を組み込まれたマリは、まさに前作のジローと同じく悩める人造人間として描かれる。
ほら、第30話以降のサブタイトルを見てもらえば分かるけど、ビジンダーの名が出る話はあれどもゼロワンの名が出る話はない。
ビジンダーはほとんど主役になってしまうのだ。
演じる志穂美悦子はこの作品がデビュー。千葉真一の秘蔵っ子で、この作品では千葉真一が直接指導したりしている。
そのためさすがにアクションもいい。ミニスカートで何のためらいもなくキックするんだから。(「いい」の意味が違うぞ)
更に終盤では、善悪を区別する心がないために悩む剣豪ロボット、ワルダーも登場する。
この、悩める人造人間たちのドラマは前作とはまた一味違う魅力を引き出していた。
ということで中盤以降はお薦めできる。
最終回のサブタイトルさえなんとかしてくれれば言うことなし。
なおついでに言っておくと、イチローの典型的ヒーローと言うべき性格は漫画版を全然読んでいなかった池田俊介が独自に作り上げたもの。
漫画版には01という作品はなくて、「人造人間キカイダー」にイチローも登場するのだが、主人公は悩めるジローのまま。
イチローは軽いお気楽男として描かれていた。そして良心回路も付いていないと明言されていた。
ちなみに漫画版の01は敵に操られ、キカイダーの手で破壊される。
登場人物
- キカイダー01・イチロー(池田俊介)
- 光明寺博士が作ったアンドロイド。仁王像の中に隠されていたが、危険を察知して甦る。
ハカイダー部隊/シャドウあるところ必ず現れる。が、ジローより更にひどく、後ろを向いてトランペットを吹いて登場する。もちろん高いところにいるのだ。
一般人が危機に陥っている時に後ろ向いて出てくるなあ!
太陽電池で動くため、日が暮れると危機に陥る。うーむ、とても戦闘用とは思えん。要するに試作品だから隠しておいたということかな。
普段はイチローという名の人間形態だが、「チェンジキカイダー、ゼロ・ワン!」の声と共に頭部の太陽電池が開き、戦闘形態のゼロワンに変身する。
左右対称なスタイル、いかにもヒーローな性格と、どう見ても完全な良心回路を内蔵しているようなのだがそのことに関して言及されてはいない。
必殺技はブラストエンド、ゼロワンドライバーなど。ダブルマシーンというサイドカーに乗っている。
- リエコ(隅田和世)
- 陰ながらアキラを守る謎の女。よく変装してアキラの周りをうろついていた。その正体はアンドロイドで、第24話で爆死(?)する。
- ミサオ(松本聖)
- ヒロシを連れてほっつき歩く女。ヒロシの教育係らしい。スリで生計をたてているようだ。
リエコの死後(?)はアキラも一緒に連れて歩くようになる。イチローに気があるらしい。やっぱりメカフェチか?
- アキラ(五島義秀)
- プロフェッサーギルの息子。最終兵器ジャイアントデビルの設計図を背中に秘めているため、ハカイダー部隊やシャドウに狙われる。
その設計図はトランジスタラジオ程度の簡単な回路のように見え、実際トランジスタの記号も描かれていたが、きっと実は凡人には理解できない凄く複雑な回路に違いない。
ジャイアントデビルが敗れてからは、ただの少年Aにその地位を落とす。
- ヒロシ(石井聖考)
- アキラの兄。同じくジャイアントデビルの設計図を秘めている。二人揃わないと役にたたない。
ジャイアントデビルが敗れてからは、ただの少年Bにその地位を落とす。
- 百地頑太(久里みのる)
- 三枚目のカメラマン。通称ガンモ。ポスト半平のキャラだが、キャラクタとしてイマイチだったのであまり出番がなかった。
- ビジンダー・マリ(志穂美悦子)
- 第30話から登場したシャドウのアンドロイド。女子供に弱いゼロワンの性格を鋭く突く、ゼロワン必殺作戦の切り札だった。
人間形態のマリの時は人間に味方するようになっており、それでゼロワンを油断させる。
だがブラウスの第3ボタンを外すと体内の水爆が爆発する仕掛けになっており、激痛回路によって苦しむマリのボタンをイチローが外してやるとドカーンといくはずだった。
が、マリはそれを拒絶して作戦失敗。そして第31話でイチローに良心回路を組み込まれ、正義に転じて悩める乙女と化す。
その後も激痛回路でいじめられたり、あわや服を脱いでドカーンといきそうになるなど波乱の人生(?)を送る。
楽器としてハープを持っているが、マリの時には持たずにビジンダーになると背中にぶら下げている。
必殺技はビジンダーレーザー。
- キカイダー・ジロー(伴大介)
- 時々現れてイチローの手助けをする。普段はどこで何をしているのやら。
- ハカイダー(声:飯塚昭三)
- プロフェッサーギルの脳を頭部に収納して復活。この時点で性格がおかしくなり、転落への序曲となる。
ハカイダー四人衆をトップにハカイダー部隊を編成し、ジャイアントデビルの設計図を狙う。
ブラックドラゴンに変身する。また、ハカイダー四人衆が合体するとガッタイダーとなる。
ハカイダー部隊全滅時にビッグシャドウに拾われ、シャドウに居候する。
それからは単なる下っ端としてこき使われ、最終回では2回も破壊されるザコと化す。
- シルバーハカイダー(?)
- 電磁棒を武器とするハカイダー四人衆の1人。銀エビに変身する。
- ブルーハカイダー(?)
- 電磁ムチを武器とするハカイダー四人衆の1人。青ワニに変身する。
- レッドハカイダー(?)
- ミサイルボーガンを武器とするハカイダー四人衆の1人。朱ムカデに変身する。
- シャドウナイト(?)
- 第8話から登場したシャドウの大幹部。名前の通り騎士の格好をしている。第27話で死亡(?)。
- ザダム(?)
- 第25話から登場したシャドウの新幹部。二人が肩のところでくっついている。
- ワルダー(?)
- 第37話から登場した、シャドウが雇ったゼロワン打倒の剣客ロボット。頭にドンブリを乗せている。(乗せてないって)
正統派で卑怯な手段を嫌う剣豪。心を持たないために、善悪を区別して吠える犬を恐れる。ビジンダーと文通していたことがある。
第45話で死亡(?)。
- ビッグシャドウ(八名信男)
- 第9話から登場した悪の秘密組織シャドウの首領。演じる役者を見ても分かる通りガラが悪い。
(分からない人へ:「まずい!」の青汁のCMでも有名な悪役商会のリーダー。)
最終回で光明寺博士の気転でシャドウの秘密基地が大爆発を起こし、死亡。
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