人造人間キカイダー

放映

昭和47年7月8日〜昭和48年5月5日、全43回
NET系
毎週土曜20時〜20時30分

概要

プロフェッサーギルが組織した、悪のロボット軍団「ダーク」。 ロボット工学の権威である光明寺博士はギルに捕らえられ働かされていたが、密かに人造人間を製作していた。 それはギルのコントロールに従うことなく、自らの意志で善悪を判断する良心回路を備えたアンドロイド。 その名はジロー・キカイダーと言った。

光明寺博士と娘のミツ子はキカイダーの活躍でダーク基地から脱出するが、その際に光明寺博士は記憶を失い行方不明になる。 また、キカイダーの良心回路は不完全なままだった。 ミツ子は弟のマサルと共に父を探す旅に出る。 そしてミツ子たちを守るキカイダー・ジローは、良心回路が不完全なためにギルが吹くアンドロイドをコントロールする悪の笛の音に苦悩しつつ、ダーク破壊部隊と戦うのだった。

やがて光明寺博士は記憶を取り戻す。 だが彼は再びダークに捕らえられ、打倒キカイダーの最強戦士を作る羽目になる。 その戦士は光明寺博士の脳を頭部に収めてキカイダーの前に現れる。 その名はハカイダー・サブロー。悪魔回路を内蔵した、キカイダーを倒すことだけが目的の戦士である。 光明寺博士の脳のためにハカイダーとまともに戦うことができないキカイダー。それでなくてもハカイダーは手加減ができない強敵なのだ。 キカイダーはハカイダーとの避けられぬ対決に苦悩しつつ、やがてアカ地雷ガマの爆発でバラバラになるという衝撃的クライマックスを迎える。 果たしてキカイダーの運命やいかに?

解説

まず見て欲しいのはこの放送時間帯! 今では絶対考えられないよね、こんな時間に特撮ヒーローものをやるなんて。 で、時間帯からピンとくる人もいるかもしれないけど、これは「8時だよ!全員集合」の裏番組。 当時の怪物番組の裏に特撮番組をぶつけるという意気込み、かなり気合が入っている。

原作はもちろん石森章太郎。 氏いわく、あの名作「仮面ライダー」より思い入れがあるとのこと。 確かに気合が入ってるだけあって名作だ。

まず、善悪の狭間で苦悩するロボットなんて前代未聞。 良心回路が不完全なために戦闘スタイルにチェンジすると左右がアンバランスになってしまう。こんなヒーローは初めてだ。 この、悩める主人公は非常に魅力的。 そういう点で、明るくかっこいいヒーローだった「キカイダー01」のイチローより好きだという人も多いだろう。

更に特筆すべきは終盤。特撮史上最大の名悪役、ハカイダーが登場する。 キカイダーを倒す、ただそれだけのために存在する、最強のアンドロイド。 そのためなら自らを生み出したダークの組織すら無視して己の道を走り続ける、最高にかっこいい悪役だ。 いまだにハカイダーを超える悪役は誕生していない、と思う。 変身ヒーローものを初めて手がけたという渡辺宙明が作曲したハカイダーのテーマ曲も最高!

なお余談だが、「戦え!!イクサー1」というOVAがある。かなり古いけど。 その音楽を手がけたのが渡辺宙明で、主人公イクサー1の最大の敵であるイクサー2、そのテーマ曲はハカイダーのテーマ曲にそっくりである。 もちろんわざと似せてあるわけ。平野俊弘監督からの注文だったそうな。 イクサー2の設定はハカイダーに似ていて、イクサー1を倒すためだけに生み出された宿敵なのだ。 ハカイダーが好きなら見てみるといいかも。特にイクサー1の前に初めて現れたイクサー2、その対決はシビレるぅ!

また、雨宮慶太監督の手によって、平成7年に「人造人間ハカイダー」という新作映画が作られている。 ハカイダーのイメージだけをそのままに、設定などを一新して作られたもの。 ハカイダーファンならこれも見るべし。

…ってあれ? 何の紹介してたんだっけ?(笑)

登場人物

キカイダー・ジロー(伴大介)
光明寺博士が作ったアンドロイド。 サイドマシーンというサイドカーに乗っている。サイドカーに乗るヒーローってのも珍しい。 普段はジローという名の人間形態だが、「チェンジ!スイッチオン。ワン、ツー、スリー」の声と共に両肩のスイッチを入れると戦闘形態のキカイダーになる。 必殺技はデンジエンド。 ダークあるところ必ず現れ、なぜかいつも高いところでギターをひいて登場する。そんなことしてる間にダークの悪行を止めんかい! 不完全な良心回路を持っているため、ギルの超音波笛を聞くと悪の意志でコントロールされそうになり苦しむ。 それを毎回、とても超音波を遮断するとは思えない方法で防いで変身していた。変身するともうコントロールされないらしい。なぜ?
光明寺ミツ子(水の江じゅん)
光明寺博士の娘。自らもロボット工学の知識がある。ジローに気があるようだ。メカフェチか?
光明寺マサル(神谷政浩)
ミツ子の弟。まだ小学生。ジローと仲がいい。 数年後、今度はブレインが17番目に作ったロボットと仲良くなる。つくづくロボットと縁がある子供だ。(別人だってば)
服部半平(植田俊)
私立探偵で、自称・服部半蔵の子孫。通称ハンペン。本人はいつも一生懸命なのだがなぜか笑える。 「キカイダー01」の第36話にもゲスト出演し、なんとジローのギターをひきながら登場した。
光明寺博士(伊豆肇)
記憶を失い、日本中をさまようジローの産みの親。自分が誰かも分からないのに、少しはどこかに落ち着いたらどうなんだ。 挙げ句の果てに脳を摘出されハカイダーに移植される。エグい。
プロフェッサーギル(安藤三男)
ダークの支配者。ロボットを兵器として製造する死の商人。 超音波笛でロボットを操る。漫画版によれば、フルネームはギル・ヘルバート。
ハカイダー(声:飯塚昭三)
第37話から登場した、キカイダーを倒すためだけに作られたアンドロイド。キカイダーと互角以上の力を持つ。 キカイダーの弟と名乗り、サブロー(真山譲次)という人間形態にも変身できる。 頭部に光明寺博士の脳を収納してあり、一定時間ごとに血液交換しないと脳が死んでしまう。 そうすると能力が低下してアンドロイドマン以下になってしまう。それが唯一の弱点。 強力な銃、ハカイダーショットであらゆるロボットを破壊する。

全話リスト

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