超人バロム・1
放映
昭和47年4月2日〜11月26日、全35回
よみうりテレビ、日本テレビ系
毎週日曜19時30分〜20時
概要
何千年もの間戦い続けてきた正義と悪、コプーとドルゲ。
ドルゲはついに地球にたどりつくがコプーは寿命が尽きつつあった。
そこでコプーは地球人の二人の少年、健太郎と猛に友情エネルギーによってバロム1に変身する能力を与えた。
二人はドルゲ魔人探知器ボップでドルゲの野望を暴き、バロムクロスで超人バロム1に変身してドルゲの放つ悪のエージェントと戦うのだ。
解説
なんと原作はさいとうたかを。読んだことはないけどテレビ化に当たってヒーローものになるようにアレンジが加えられたそうな。
数あるヒーローものの中でも異彩を放っているのは、まず小学生が変身するという設定。
ひょっとして変身ヒーロー史上最年少じゃなかろうか。
しかも友情エネルギーで変身するので、二人がケンカしていると変身できないのだ。
小学生のケンカで地球が悪の手に落ちるのではたまりませんな。
それに二人揃っていないと変身できないので、二人が引き離されるというシチュエーションが続出。
しかし第18話からは、ボップを空中に投げてそれに向かって二人がジャンプして行なう空中バロムクロスに変わった。
どれだけ離れていてもバロムクロスできてしまうというお気楽なもの。これは残念。
しかし、二人で変身するという設定を実に効果的に使っている。
同様の設定の「ウルトラマンA」がそれを生かしきれなかったのとは対照的。
主役が小学生ということで、毎回怪事件に首を突っ込むのは本来無理がある設定のはず。
しかしそれを可能にしたのはボップの存在。ドルゲ魔人が暗躍するとボップが反応して音を鳴らすので、すぐに分かるのだ。
おかげで、本来なら気付かずに通り過ぎてしまうはずの事件もドルゲの仕業と分かる次第。
ボップの存在自体は御都合主義の産物なんだけど、おかげで脚本に無理がなくなってる。これは設定の勝利。
この番組のもうひとつの特徴は敵の魔人。第20話までの魔人は動物がモチーフなのでまだ普通なのだが、それからが凄い。
クチビルゲ、ウデゲルゲなど人体の一部をモチーフにした魔人が続出。
そんなもの、想像しただけで気持ち悪いのが分かるだろう。
ストーリーの方も負けずに不気味。
最初の方こそ普通のヒーローものだったのだが、特に後半になるとホラー調。
このインパクトは忘れがたい。
「ヤゴゲルゲの子守唄」なんてものもあって、子供の頃にこれを聞くと恐くて眠れなくなる。
今見ると笑えるけど。
「探偵!ナイトスクープ」という番組で紹介されていたのは記憶に新しい。
もうひとつ有名な事件。この番組が放映されてた時、ドルゲという(ドイツ人の?)子供がいじめられたらしい。
それで、
「このドラマにでてくるドルゲはかくうのものでじつざいのひととはかんけいありません」
という表示をするようになったとか。
また特筆すべきは、有名声優が何人か素顔で出演しているということ。アニメファンの人も要チェック。
素顔じゃないけど、ドルゲの声は飯塚昭三最大のハマリ役。
敵の組織
ドルゲは悪のエージェント。人間の手が及ばない地下数千メートルの地底にアジトを作っている。
第20話までは人間にドルゲ菌を植え付けドルゲ魔人に仕立てていたが、それ以降は直接自分の細胞からドルゲ魔人を作り出していた。
戦闘員としてアントマンというのがいる。
ところがこれが小学生に翻弄されるほど情けない奴等。
松五郎にも結構簡単にやられていたし、はっきり言って人間の方がよっぽど強い。
登場人物
- バロム・1(声:上田耕一/村越伊知郎)
- 健太郎と猛がバロムクロスによって変身した姿。
ボップを空中に投げるとマッハロッドという自動車になる。
派手な外見の自動車なのだが車検は通るのだろうか?
それにバロム1は無免許だが運転してもいいのか?
必殺技は空中投げのバロムフライ、体当たりのバロムブレイク、とどめのバロム爆弾パンチなど。
第21話からの爆弾パンチはカメラに向かって3発連打するムチャクチャ痛そうな技。
- 白鳥健太郎(高野浩幸)
- 江南第一小学校に通う頭脳明晰な小学生。バロム1の頭脳の部分を担当。いつも冷静。
- 木戸猛(飯塚仁樹)
- 江南第一小学校の番長。バロム1の体力の部分を担当。単細胞で熱血漢。ちょっと太りぎみ。
- 木戸松五郎(砂川啓介)
- 木戸刑事の弟。就職試験に失敗したため無職。猛からは「松おじ」と呼ばれている。
健太郎や猛と共に事件に首を突っ込みいつもやられている。でも実は空手や剣道の有段者。
- 木戸りんたろう(小林清志)
- 漢字が分からん。猛の父親で警視庁の鬼刑事。家庭に対しても厳しい。
- 木戸紀子(戸島和美)
- 猛の姉。結構ドルゲの事件に巻き込まれているのにドルゲの存在を信じていない。
- 白鳥敬太郎(中原成男)
- 健太郎の父親。日読新聞の腕利きデスク。温厚な性格。
- 白鳥静(上田みゆき)
- 健太郎の母親。優しそう。
- コプー(寺島幹男)
- 正義のエージェント。健太郎と猛にバロム1になる力を与え、寿命が尽きて死ぬ。
- ドルゲ(声:飯塚昭三)
- 「ルロロロロロー、ドールゲー!」で有名な悪のエージェント。
- ミスタードルゲ(室田日出男)
- ドルゲが地上で活動するための人間の姿。世界で5本指に入る大財閥の経営者らしい。
そんなに凄いんなら変な魔人を使わなくても簡単に世界を支配できそうなものだけど。
全話リスト
ここはと思うポイントはほぼチェックしてあります。
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