大怪獣ガメラ

1965年11月27日公開
モノクロ,ワイド
本編79分

解説

記念すべきガメラシリーズ第1作。ガメラシリーズの中ではこの作品のみモノクロである。 東宝のゴジラシリーズに対抗して唯一シリーズ化された怪獣特撮映画であり、その人気の高さは言うまでもないだろう。

第1作から大映イズムが満ち溢れている。 ガメラは子供好きだという謎の設定が早速使用されているが、ガメラは自分で子供を危機に追いやって自分で助けている。 なんなんだ、こいつわ。 そしてこの助けられた子供自身の行動も不条理のなせる技。うーむ。

それよりこの作品の最大の謎はZプラン。 国家間の紛争を超えて、世界中の科学者の英知を結集してガメラに挑むという設定はなかなかいい。 だが問題は、Zプランとは何のための計画なのかということだ。 ガメラ対策には伊豆で進められているZプランしかないということだが、するとZプランはガメラと関係無しに進められていた計画ということだ。 そのZプランの正体は、ガメラを内部に閉じ込められるほど巨大な空洞を持った火星ロケットだ。 こんな巨大ながらんどうのロケットで何をするつもりだったんだ?

登場怪獣

ガメラ

身長60m、体重80t。

古代アトランティス大陸に生息していたとされる巨大亀。 口から炎を吐き、マッハ3で空を飛ぶ。 空を飛ぶ時は手足や首を引っ込め、そこから炎を噴射して回転しながら飛ぶ。(なぜそれで飛べる!?) 回転しないで飛ぶ場合もある。

体から怪電波を発している。…実は生き物じゃないかもしれない。 炎が好きで、熱がエネルギー源となる。火事や山の噴火など、とにかくあらゆる熱源に突っ込んでいってエネルギーを吸収する。 飛んで火に入るガメラかな。されどその身は少しも焼かれず。…ホントに生き物じゃないかも。

ストーリー

北極で撃墜された国籍不明機。その機には原爆が積載されており、墜落の際に大爆発を起こした。 その衝撃で北極の氷の中から巨大な亀が出現し、その襲撃を受けたちどり丸は沈められてしまう。

偶然船を降りていたため助かった日高博士は、その亀が古代アトランティス大陸にて生息したガメラであると発表する。 だがガメラは原爆の放射能を浴びているため、もう死んでいるだろうという。 その頃、世界各地で空飛ぶ円盤らしきものが目撃されていた。

やがて、全く弱った様子すら見せないガメラが北海道に上陸する。灯台を破壊するガメラ。ところが俊夫少年が灯台から落ちそうになっているのを見て、ガメラは俊夫を助ける。 一旦海中に没したガメラは地熱発電所に現れる。日高博士は放電によってガメラを倒そうとする。 だがガメラは電撃によってますます元気になったようだ。
「わしの失敗のようだね」
と、こともなげに言う博士。 そして自衛隊の攻撃が始まる。だが攻撃は全く通じず、ガメラの火炎攻撃の前に手も足も出ない。日高博士は村瀬博士の強力を要請する。

自衛隊では、米軍に依頼して核ミサイルを撃つことになる。だが博士の説得であっさりその計画は却下される。 博士は、炎を好むガメラには冷凍作戦が有効ではないかと考える。すると都合よく自衛隊で冷凍爆弾の試作品ができていた

進撃するガメラに対して、10分間しか有効ではない冷凍爆弾が撃ち込まれる。動きが鈍くなるガメラ。その間にダイナマイトが仕掛けられる。 そしてダイナマイトが爆破され、ガメラはひっくり返ってしまう。
「このまま気長に餓え死にするのを待てば、今度こそ奴の息の根は止められます」
と、のんきなことを言う村瀬博士。 だがガメラは手足を引っ込めてジェット噴射で上昇し、空を飛んで逃げてしまう。
「亀が空を飛ぶとはのう」
と感心する博士。 各地で目撃された空飛ぶ円盤の正体はガメラだったのだ。

俊夫と信代の姉弟は上京し、ガメラ対策本部に遊びに来る。俊夫はガメラを好きなようだ。 一方、日高博士はガメラがエネルギーを求めて石油・石炭・核エネルギーなどを襲う可能性を指摘する。 やがて東京に、ガメラが現れる兆候が現れ始める。 そこでガメラ対策のために世界中の科学者が東京に集まってくる。そして、伊豆で行われているZプランこそがガメラ対策の絶対案であるという。

だが、ガメラが東京を襲撃する。東京を火の海にするガメラ。 そしてガメラは石油コンビナートに居座って炎を吸い続ける。被害を最小限にするために、石油コンビナートに石油を搭載した列車をぶつけてガメラを釘付けにする作戦が取られる。 一方、俊夫少年はガメラの悪行を止めるため、その列車に乗り込む。降ろそうとする職員。大爆発する列車。傷ひとつない二人

やがてZプランが完成する。伊豆大島にて待機する日高博士たち。ガメラ心配のあまり密航した俊夫も島に着く。 東京湾ではガメラをおびき出すための炎の道が作られる。動き出すガメラ。だが後少しのところで、台風のために炎が途切れてしまう。 そこで青柳は辺りに火をつけまくり、ガメラをおびき寄せる。ただ一人、ガメラが来ないようにと願う俊夫。 そして残念ながら雨が降り出し、火が消えてしまう。だが突如火山が噴火、ガメラは更に進む。

Zプランの設備の凄さを見て、俊夫はガメラのことなどどうでもよくなってしまう。 おびき出されるガメラ。ついにZプランは発動される。巨大ロケットに閉じ込められたガメラは宇宙の彼方に打ち出される。 人類の英知がガメラに勝ったのである。

スタッフ

企画...斉藤米二郎
脚本...高橋二三
監督...湯浅憲明
音楽...山内正

キャスト

日高博士...船越英二
桜井信代...姿美千子
山本京子...霧立はるみ
青柳...山下洵一郎
桜井(父)...北原義郎
桜井俊夫...内田喜郎

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