S.31 (1956) |
宇宙人東京に現わる |
---|---|
S.40 (1965) |
大怪獣ガメラ |
S.41 (1966) |
大怪獣決闘ガメラ対バルゴン 大魔神 大魔神怒る 大魔神逆襲 |
S.42 (1967) |
大怪獣空中戦ガメラ対ギャオス |
S.43 (1968) |
ガメラ対宇宙怪獣バイラス 妖怪百物語 妖怪大戦争 |
S.44 (1969) |
ガメラ対大悪獣ギロン 東海道お化け道中 |
S.45 (1970) |
ガメラ対大魔獣ジャイガー |
S.46 (1971) |
ガメラ対深海怪獣ジグラ |
S.55 (1980) |
宇宙怪獣ガメラ |
H.7 (1995) |
ガメラ 大怪獣空中決戦 |
H.8 (1996) |
ガメラ2 レギオン襲来 |
H.11 (1999) |
ガメラ3 邪神覚醒 |
この新作、マニアを意識した子供映画というわけのわからんものを作って失敗し続けていた平成ゴジラシリーズに対して非常に評価が高いものになっている。 変にテーマを意識して話を歪めるわけではなく、基本的にエンターテインメントを目指している上にストーリーもしっかりしている。大したものだ。
だが、この名作を複雑な思いで見たのは私だけだろうか。うむ、確かにいい出来だ。 しかしこれはガメラではない。違うのだ。ガメラはこんな普通の映画のはずがないのだ。
竹内義和箸、「大映テレビの研究」というシリーズの本をご存知だろうか。 最近復刊(?)されたので知っている人も多いかもしれない。 この本を読むと、大映テレビが作るドラマがどれだけ異様なテイストを持つものか分かると思う。 そしてこのテイストは、まぎれもなく大映映画のガメラシリーズにも存在するのだ。
そういう点から見ると、大魔神シリーズは面白いんだけど非常に正統派の特撮時代劇として作られており大映らしさに欠ける。 やはり大映らしい作品というのはガメラなのだ。 しかし、ガメラは怪獣映画という、元々変な味を持っている分野の映画である。 その中に大映テレビのテイストを入れても、その味がうまく出ないのはやむをえないところ。
だから、他の怪獣作品と比較してもあまり差がないように見えるかもしれない。 しかしガメラ映画は、他の特撮物がいくら「御都合主義」と言えどもストーリーを破綻させないために越えようとしない一線を、あっさりと越えてしまう映画なのだ。 この一線の差こそががガメラ映画の味わい。その味わいがない平成の新作はガメラの形を借りた別物だ。
ということで、新作もいいんだけどガメラらしさと言うなら私は旧7作の方が大好きである。 残念ながら第8作である「宇宙怪獣ガメラ」は大映テイストもへったくれもない単なるハチャメチャ映画になり下がっていたが、まあこれはこれで味がある。 ガメラをゴジラの二番煎じ程度に考えている人がいたら、考えを改めてぜひ旧7作を見てほしい。 新作はだめよ。単なる出来のいい特撮映画だから。