仮面ライダー

放映

昭和46年4月3日〜昭和48年2月10日、全98回
毎日放送・NET系
毎週土曜19時30分〜20時

概要

頭脳も体力も一級の男、本郷猛はその能力のために悪の秘密結社ショッカーに捕らえられ、改造人間にされてしまう。 しかし、恩師緑川教授のおかげで脳改造の寸前に助けられた。 本郷猛は改造人間となった悲しみを乗り越え、人間の自由のために仮面ライダーとなってショッカーと戦うのだった。

やがて彼の最高のパートナー、一文字隼人を得て、彼に日本を任せて本郷はショッカーを追ってヨーロッパへと旅立つ。 長らく日本を守っていた隼人だったが、本郷猛がついに帰国。隼人は南米へと旅立つ。 しかしショッカーに代わりゲルショッカーが出現し、その猛攻の前に隼人も帰国。 そして二人の力でついにゲルショッカーは滅びたのだった。

解説

言わずと知れた最初の仮面ライダー。原作は石森章太郎。

仮面ライダーがどうして二人も出てくるかは有名な話。 本郷猛を演じる藤岡弘は芸熱心な人で、ライダー変身後もスーツの中に入ってライダーのアクションを演じていた。 ところが不幸なことにアクション中に事故で怪我をしてしまい、出演不可能になってしまった。 そこでスタッフは急遽新しい仮面ライダーとして2号を作り出し、登板させたわけ。 ということで2号が出る前の数回は本郷猛がほとんど登場せず(登場シーンはバンクフィルム)、いきなり仮面ライダーが登場する。 更に2号登場の際、本郷猛は突如みんなの前から姿を消したことになってしまっている。うーむ、強引。

ところでライダーの名物といえばなんといっても「へんしん!」。 これのおかげで特撮に、変身ポーズという新たなフィーチャーが加わったんだから。 ところで、1号の変身のかけ声は「ライダー、へんしん」で、2号は「へんしん」。 どうして2号の方がシンプルなのか?

私は子供の頃ずっとこれが不思議だったんだけど、後に謎が氷解。 実は、変身ポーズが導入されたのが2号が現れてからで、1号がポーズを取るのは再登場してからなのだぁ。 最初は1号はなんとなく変身していたのだ。ちょっとびっくり。 そこのあなた、同じような疑問を持ってなかった?

ところで仮面ライダーは2年も続いただけあって、レギュラー陣が何度も交代していている。 そしてその中には結構な有名人もいたりする。
最初からレギュラーだった、ルリ子の友達役の島田陽子。途中からレギュラー入りした、山本リンダや中田喜子やミミー(ミミ萩原)など。 でも、最近の若い人は知らない名前かもね。(ああ、年食っちまったい)

ライダーと言えば忘れてはならないのがライダースナック事件。 知らない人のために解説すると、仮面ライダー放映当時にカルビーから仮面ライダースナックっていうお菓子が発売されてた。 それにおまけでライダーカードというのがついてたんだけど、それが子供の間で大ブームを巻き起こしたわけ。 それでカード欲しさにライダースナックを買ってスナック自体は封も開けずに捨てたりする子供が続出して、社会問題にまでなったという。

ところでこのライダーカード、数年前に発売された仮面ライダー全話LDボックス(25枚組!)に完全復刻版(もちろん全種類)が付録でついてた。 ライダーカード欲しさにLDボックスを買ったけどLDは封も開けずに捨てようとした人がいたかどうかは定かではない。 いたらLDちょーだい。

もうひとつ忘れてはならないのは、御大石森章太郎が描いた漫画版。 なんと途中で12人のニセ仮面ライダーの攻撃を受け、本郷猛が死んでしまうという衝撃的展開。 しかし頭にキズを受けたおかげで正気になったニセライダーの一人、一文字隼人が仮面ライダーの名を受け継いでショッカーと戦うのだ。 まあ本郷も脳だけとなって生き続ける(!)んだけど、更に凄いのがラスト。

ショッカーの謎の「10月計画」を探っていた滝和也と一文字隼人は、それが10月に一斉に発売される様々な電化製品から発する電波で人間を操ろうとしている作戦だと知る。 その陰謀をつぶそうとショッカーに乗り込んだ隼人は計画の首謀者と対峙するが、そこで衝撃的事実を聞かされる。 なんと「10月計画」というのは元々は、国民総背番号制の計画の一環として政府が立案していたものだったというのだ。 それから全身機械となった本郷ライダーとのタッグで基地をぶっつぶすんだけど、そこで終わり。別にショッカーを滅ぼしてもいない。 けどもう続けられないよねえ。ショッカーだけでなく、日本政府すら自分たちの敵だと分かったんだから。 うーん、ハードだなあ。

敵の組織

ショッカーは世界中の人々を改造人間にして自分たちの支配下におこうとする悪の秘密結社。 ナチスの残党が作り上げたという設定があるらしい。 ショッカーが作り出す怪人は、人間に動植物の能力を与えたもの。 蜘蛛男、蝙蝠男など。珍しいものでは、動植物ではなくマグマをモチーフにしたゴースターなんて怪人もいる。 仮面ライダーも、ホントはバッタ男などという名前の怪人になるはずだったのかもしれない。

ゲルショッカーは、不甲斐ないショッカーを見限ったショッカー首領がアフリカ奥地に潜むゲルダム団と手を組んで作った組織。 その怪人は、2種類の生物の能力を掛け合わせたもの。 ガニコウモル、サソリトカゲスなど。わかりやすい名前だ。 その戦闘員は、常に3人で行動するカラフルな連中。3時間おきにゲルパー薬を投与しないと死んでしまうため、絶対に裏切り者が現れない。

登場人物

本郷猛(藤岡弘)
仮面ライダー1号に変身する。変身のかけ声は「ライダー、へんしん」(第53話より)。
城南大学(最初は城北だったはずだけど…)の学生でIQ600の大天才。 「技の1号」と呼ばれており、多彩な技を持つ。
一文字隼人(佐々木剛)
仮面ライダー2号に変身する。変身のかけ声は「へんーしん」。
フリーのカメラマンでスポーツ万能。柔道六段、空手五段。 ショッカーに捕らえられ改造されたところを、脳改造の前に本郷猛の手によって助けられる。 以来、自らも仮面ライダーとしてショッカーと戦う決意をし、本郷が去った後の日本を守る。 「力の2号」と呼ばれている。
立花藤兵衛(小林昭二)
スナック「Amigo(アミーゴ)」の経営者。 本郷のオートバイの師匠で、ライダーのオートバイ、サイクロン号を作った。 後に立花レーシングクラブを開いたり少年ライダー隊を結成したりしている。 ライダー達の良き理解者で、「ストロンガー」までの全作品に登場。
滝和也(千葉治郎)
第11話から登場したFBIの特命捜査官。ショッカーの悪事を暴くためライダーと共に行動する。 最終回でゲルショッカーが滅びた後、仲間に別れを告げて海外へと旅立っていった。 普通それって主役のやることだと思うんだけど…。
緑川ルリ子(真樹千恵子)
本郷の恩師、緑川教授の一人娘。アミーゴでバイトしている。 第1話で緑川教授が死ぬ現場を目撃し、本郷の仕業と勘違いする。 だが第2話でショッカーの首領がペラペラと真実をしゃべったため、誤解が解けて本郷の味方になる。 一文字隼人登場時に、本郷と共に旅立ったということでいなくなる。
野原ひとみ(島田陽子)
ルリ子の親友。ルリ子が本郷を追った後もレギュラーとして残り、立花レーシングクラブに入る。いつの間にか消え去る。
マリ(山本リンダ)
第14話から立花レーシングクラブに入った女性。フェンシングをやっているが、バイクはド素人。 いつもショッカーに余計なちょっかいを出して人質になったりするが、全然こりない。エミたちの登場に伴い、いつの間にか消え去る。
ユリ(沖わか子)
第14話から立花レーシングクラブに入った女性。空手をやっているが、バイクはド素人。 最後までレギュラーだった。
石倉五郎(三浦康晴)
いつの間にかレギュラーになって、立花レーシングクラブに入り浸っている謎の小学生。 普段の言動はバカっぽいが、実はクラスでトップクラスの成績らしい。 ナオキとミツルの登場に伴い、いつの間にか消え去る。
エミ(高見エミリー)
第40話から登場した、スイスで本郷の助手をしていた女性。 ショッカーの作戦を伝えるべく日本に来て、そのまま居着いてしまった。 ヨッコとチョコの登場に伴い消え去る。
ミカ(杉林陽子)
第40話から登場した、スイスで本郷の助手をしていた女性。 トランプ占いが趣味。そのカードを敵に手裏剣のように投げて攻撃もする。 ショッカーの作戦を伝えるべく日本に来て、そのまま居着いてしまった。 と思ったらすぐ消え去った。
トッコ(中島真智子)
第53話から登場した女性。ミカと入れ代わり? 通行人Aかと思いきや、なぜかレギュラーになる。
ナオキ(矢崎知紀)
第62話から登場した子供。後に少年仮面ライダー隊に入る。
ミツル(山田芳一)
第62話から登場した子供。後に少年仮面ライダー隊に入る。
ヨッコ(中田喜子)
第70話から登場した女性。
チョコ(ミミー)
第70話から登場した女性。四六時中ものを食べている。
ゾル大佐(宮口二郎)
ショッカー日本支部の初代大幹部。第26話から第39話まで登場。 最後には黄金狼男となってライダーに挑むが敗れ去る。
死神博士(天本英世)
ゾル大佐に代わってやってきたショッカーの大幹部。第40話から第52話まで登場。 その後は地獄大使に任せて一旦日本を離れるが、再び来日。 第68話でイカデビルになって地球に流星雨を降らせようとするがライダーに倒される。
地獄大使(潮健児)
第53話から第79話まで登場したショッカーの大幹部。 ショッカーがゲルショッカーに移行する際、首領を信じられなくなったと言って投降するが、実は罠だった。 ガラガランダになって藤兵衛たちを拉致し、ライダーに挑むが敗れる。
ブラック将軍(丹羽又三郎)
ゲルショッカーの大幹部。第80話から第98話まで登場。 最後にヒルカメレオンになって過去の怪人たちを蘇らせようとする。
首領(声:納谷悟朗)
ショッカーを指揮していた謎の首領。後にゲルダム団と手を組みゲルショッカーを組織する。 最終回でその姿を現すが、不気味な一つ目の顔だった。 しかし自爆したため真の正体は不明。

全話リスト

リストだけのものと、あらすじ入りのものを用意。
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