真仮面ライダー序章(プロローグ)

平成4年2月20日発売
90分

概要

遺伝子レベルでの病気の治療に関する研究を進める「財団」の研究所。 だがそれは表向きの目的で、実際には遺伝子操作によって最強の戦士を作ろうとするプロジェクトを進めていたのだった。 そのプロジェクトの被験者となっていた風祭真は、自らも知らぬ間に遺伝子操作を施され、恐るべき超能力を持つ体に変身できるようになってしまう。 その彼を狙う財団、そしてCIA。真は避けられぬ運命へと身を投じていく。

解説

仮面ライダー生誕20周年記念として製作されたビデオオリジナル作品。 仮面ライダーの原点である改造人間の悲哀を強調すべく、今回の仮面ライダーはグロテスクなバッタ男となっている。 「BLACK」で描こうとしたが、やはりテレビ作品ということで果たせず原作マンガのみで描かれた気持ち悪いバッタ男。 それがようやく映像作品となって現れたと見ることもできよう。

そういったテレビの制約からある程度自由になっているため、内容の方も従来の仮面ライダーとはかなり違う。 敵が「財団」という社会にも認知されている組織であり、それをCIAや警察など、現実的な組織が探りにかかる。 変身能力も遺伝子操作の賜物など、かなりリアリティを追求した作りになっている。 悪の秘密結社とそれに改造された正義の男との戦い、なんて単純な構図にはなっていない。

それから、結構エッチなシーンもある。こういうところから見ても子供向け作品とは思えん。 予告編では真と愛が裸で抱き合うシーンがあったのだが、さすがに完成作品ではカットされた。 裸で泳ぐシーンならあるけどね。(実はこっちの方がエッチだな…)

更に、仮面ライダーなんて言葉は本編中では一度も使われていない。 使われてるのはタイトルが出る時と、エンディングの時だけ。 そもそも、変身したらバイクには乗らないんだよね。どこが仮面ライダーなんだ。

それから、御大石ノ森章太郎自ら特別出演。冒頭で視察団としてやって来て、研究所に盗聴機を仕掛ける男を演じている。 ちゃんとセリフもあるぞ。

出演者と言えば、余談をひとつ。 スポーツクラブでギャグシーンを演じるコーチの兄ちゃんは、最近見た顔だと思ったらスーパーGUTSのナカジマ隊員こと小野寺丈。 御大石ノ森章太郎の長男であり、脚本にも参加してるぞ。

更に余談。鬼塚博士が自分を改造するために極秘に作っていた実験場。 そこで制御用に使われていたコンピュータは、古そうなPC−9801だった。 当時は最新機種だったのかしら?

敵の組織

財団。

正式名称は不明。そして作中ではその活動についてはほとんど語られない。 世界の政治・経済などを全て財団の影響下に置くべく暗躍しているらしい。

ストーリー

都内に連続女性殺人事件が発生していた。そして警察の囮捜査の前に姿を現した犯人は、異形の怪物だった。 一方、風祭真は自分が殺人を犯す夢を見て脅えていた。

彼は「財団」の遺伝子治療研究のために自らの身を提供していた。彼の父・大門が研究に携わっているのだ。 その大門は、同僚の鬼塚と対立しつつあった。鬼塚は、現段階では危険なレベル3の遺伝子操作を行なおうとしていたのだ。

真は新聞で、警察の囮捜査が失敗し大量の犠牲者が出たことを知る。それを夢で見ていた彼は、自分の仕業ではないかと恐れる。 やがてある夜、真は鬼塚が自身の体に何らかの医学的処置を施しているのを目撃する。 そこへ突如乱入してきた謎の武装集団。謎の頭痛に襲われた真はそこで気を失い、その集団を惨殺する夢を見る。 そして気付いた時、その集団の死体が転がっていた。

次の朝、真は鬼塚に真実を話すように迫る。が、鬼塚は意味不明なバッタの話をするだけだった。 そこで真は再び昨夜の現場である倉庫に戻ってみた。しかし倉庫はもぬけの空だった。 そして真は昨夜の襲撃部隊のリーダーである女性と出会う。しかし話を聞く間もなく、謎の狙撃者の襲撃を受ける。 狙撃者は財団が放った男だった。そしてその男は、銃弾を受けても平気で起き上がるのだった。

わけが分からぬまま、真の精神は追いつめられていく。 そんな彼の心を支えるのは、彼の担当看護婦であり恋人でもある明日香愛だった。

鬼塚は財団に監禁され、大門も愛も財団の不審な動きに巻き込まれていく。 一方、真は単独で鬼塚の行方を追っていたが、ふと不思議な感覚に包まれて研究所から出て行くトラックを追って行った。 そのトラックを襲撃するいつかの女性とその仲間。

それを止めようとする真。が、また頭痛が彼を襲う。 砲撃され、炎上するトラックから出てくる、炎に包まれたバッタ男。 その叫びに呼応するかのように、真の体は変貌を始める。 バッタ男が鬼塚の姿に戻って崩れ落ちる一方、真はバッタ男へと完全に変身していた。

その時、いつかの狙撃者が彼女たちを襲う。それを阻むシン。 すると狙撃者もまた異形の怪物にと変身し、シンと対決する。 彼女の助けで怪物を退けたシンは、警察が来るのを知って逃げ出す。 そのシンの前に現れる愛。

次の朝、愛は真に全てを話す。財団は遺伝子操作によって無敵の兵士を作ろうとしていたのだ。 鬼塚はその目的に気付いて自らを実験台にし、真にも同様の処置を施していたのだった。 そしてテレパシー能力のため、真は鬼塚の体験を自分のことのように感じていたのだった。

真に自分が監視役だったということを打ち明けた愛は、財団と話をつけるため研究所に戻る。 が、彼女は拉致されてしまう。そして彼女は、自分が真の子供を身ごもっていることを知る。

一方の真は、誰かが自分に助けを求めているのを感じて研究所に向かう。 片や大門と愛は研究所から逃げ出そうとするが、惜しくも捕まってしまう。そこへ助けにやってきた真。 3人は逃げ出そうとするが、そこに研究所の所長が銃撃を加え、真をかばった愛は銃弾を受けて死亡する。

その怒りが真を再び変身させた。所長を血祭りにあげるシン。 そこへ、いつかの怪物戦士が襲ってくる。苦戦するシン。 だが、受けた傷がことごとくすぐに治ってしまうシンはついに怪物を倒す。

しかし、いつかの女性、CIAのセーラがシン抹殺の命を帯びて襲撃してくる。 更にそこへ襲って来て銃撃を加える財団のヘリ。ヘリは大門とシンを捕まえて飛び去ろうとする。 そこで、瀕死のセーラのロケットランチャーが火を吹いた。ヘリはビルに激突して大爆発を起こした!

…愛の亡骸を抱いて一人歩く真の姿があった。 彼女の体内には、二人の愛の結晶が今も息づいていた。 そして真は、力強く歩き続けるのだった。

スタッフ

原作...石ノ森章太郎
脚本...宮下隼一・小野寺丈
音楽...宇崎竜童
監督...辻理

キャスト

風祭真(真・仮面ライダー)...石川功久
明日香愛...野村裕美
氷室巌...原田大二郎
鬼塚義一...片岡弘貴
セーラ・深町...塚田きよみ
結城卓也...高嶋政伸(友情出演)

仮面ライダーシリーズメインページに戻る
特撮メインページに戻る