仮面ライダーBLACK
放映
昭和62年10月4日〜昭和63年10月2日、全51回
毎日放送・TBS系
毎週日曜10時〜10時30分
概要
南光太郎と秋月信彦は同じ日食の日に生まれて兄弟同様に育てられてきた。
だが信彦の父、秋月総一郎は秘密結社ゴルゴムの一員であった。
二人は19歳の誕生日の日に捕らえられてゴルゴムの支配者・創世王の候補である世紀王に改造されてしまう。
世紀王ブラックサンとシャドームーンは命を賭けて戦い、勝った方が創世王になることができるのだ。
しかし総一郎のおかげでブラックサンとなるはずだった光太郎だけは脳改造の前に脱出することができた。
光太郎は仮面ライダーBLACKを名乗り、日本を守るため、信彦を救うためにゴルゴムと戦う決意を固めたのだった。
しかし恐れていた事態が起きた。親友・信彦が、ゴルゴムから救い出す前に世紀王シャドームーンとして復活したのだ。
無二の親友でありながら命を賭けて戦わなければならない。そのことに苦悩しつつ、光太郎は逃れられない運命の戦いへと身を投じていく。
解説
久しぶりに登場した仮面ライダーはまたしても原点回帰を目指し、怪奇ドラマの雰囲気を見せる。
そしてバッタ男からの二段変身を遂げるBLACK、変身直後は関節から煙が出る(急激な変化に伴う熱放出?)など、今度のライダーは非常に生物的。
これは敵組織、ゴルゴムの設定からくるもの。ということでゴルゴムの怪人も非常に生物的で、造型も良くかっこいい。名前も××怪人、と非常にシンプル。
ライダーの技も基本的にライダーパンチとライダーキックのみ。こういったシンプルな設定も原点回帰からくるものか。
原点回帰と言えば、BLACKは単に「仮面ライダー」と呼ばれることも多い。
「RX」で明らかになるが、この作品はかつて仮面ライダーがいた世界での出来事。
だから仮面ライダーという名も浸透しているし、光太郎がそう名乗ってもおかしくないといったところ。
人々から単に「仮面ライダー」と呼ばれるのも自然な感じがする。
ちなみに原作マンガでの世界は、なんと「仮面ライダー」というテレビ番組が放送されていた、すなわち我々の世界そのもの。
今度のライダーはスタッフが一新され、なんと宇宙刑事シリーズのスタッフによって作られている。
ところが宇宙刑事に似ているどころか、仮面ライダーが最初目指していた怪奇性、改造人間の悲哀などを見事に描き上げている。
設定からしてハード。無二の親友と死闘を繰り広げる運命にあるというんだから凄い。
更に、元親友に非情になりきれないBLACKは一度敗れ、ゴルゴムはほぼ日本を制圧してしまう。
ここまでやりとげた悪の組織はライダー史上初。このスケールの大きさにも注目したい。
シャドームーンの復活によって緊迫感が高まる第34話〜第36話。
BLACKがシャドームーンに敗れるという衝撃の展開からライダー復活・ゴルゴム全滅まで一気に魅せる第47話〜最終回。
このシリアスな展開にはシビレるのみである。
敵の組織
ゴルゴムは太古の昔から存在する暗黒結社。
人間を全滅させ、怪人の世界を作り出そうとする。
怪人は5万年の寿命を持つため、人間の中には怪人になるために地位や名誉がありながらゴルゴムに与する者もある。
その支配者は創世王。次期創世王の候補として二人の人間を選び出し、その二人にキングストーンを埋め込むことで世紀王にする。
二人の世紀王は命を賭けて戦い、勝った方が次期創世王になることができるのだ。
その二人とは、同じ日食の日に生まれたブラックサン・南光太郎とシャドームーン・秋月信彦である。
ゴルゴムは人間を他の生物と合体させて怪人を作り出す。
本来怪人達は長い眠りについているのだが、ブラックサンの造反によって多数の怪人を目覚めさせることになってしまった。
特にBLACKと戦うために怪人を作っていたわけではない。
更に、ライダーの悪の組織としては異例なことに戦闘員が存在しない。
登場人物
- 南光太郎(倉田てつを)
- 仮面ライダーBLACKに変身。変身のかけ声は「へん・しん!」。
変身ポーズは知る人ぞ知るチェイングのポーズから始まる。握りこぶしで力を入れててかっこいい。
東星大学のサッカー部に所属していた。19歳。
幼い頃に両親を飛行機事故で失っているが、それは両親がゴルゴムへの協力を拒んだため。以降、秋月総一郎に育てられてきた。
世紀王ブラックサンに改造されるが脳改造の前に脱出に成功するというお約束の展開でゴルゴムと戦うようになる。
何か事件が起きるとゴルゴムの仕業だと思い込む傾向あり。
最終回でゴルゴムを全滅させた後、いずこへともなく去って行く。で、「RX」ですぐにまたお目にかかれる。
- 秋月杏子(井上明美)
- 信彦の妹。朝霧女子高校のテニス部員だったがゴルゴムの目から逃れるため自主退学。
それはいいとして、その後光太郎の先輩の東堂勝から喫茶店「キャピトラ」の経営を任されていた。
未成年だぞ。狙われてんだぞ。いいのか、おい。
第35話で光太郎の正体を目の当たりにする。でも以前から感づいていたそうな。
第48話でゴルゴムの脅威から逃れるため渡米する。
- 紀田克美(田口あゆみ)
- 信彦の恋人で女子大生。光太郎たちと行動を共にする。第48話で杏子と共に渡米する。
- 秋月総一郎(菅貫太郎)
- 信彦と杏子の父親。光太郎の育ての親でもある。ゴルゴムを裏切ったため第1話でクモ怪人に殺される。
先祖が仕事人に狙われるような悪人だったからかもしんない。(ぉぃぉぃ)
- 東堂勝(セント)
- 光太郎の先輩。光太郎たちの拠点である喫茶店「キャピトラ」のオーナーだが、第2話と第10話にしか登場しない。
- 滝竜介(京本政樹)
- インターポールの特別捜査官。第16話と第30話に登場。名前の由来は組紐屋の竜+滝和也だそうな。
- 大神官ダロム(庄司浩和,声:飯塚昭三)
- ゴルゴムの三神官の一人。シャドームーン復活のために命の源である天の石を失った後、第36話で三葉虫の怪人・大怪人ダロムとして再生する。
第49話でのBLACKとの戦いで、キングストーンフラッシュで自らの攻撃をはね返されたのが元で敗北する。
- 大神官バラオム(高橋利道)
- ゴルゴムの三神官の一人。シャドームーン復活のために命の源である海の石を失った後、第36話でサーベルジャガーの怪人・大怪人バラオムとして再生する。
第46話でクジラ怪人の裏切りに合い、BLACKに敗れる。
- 大神官ビシュム(好井ひとみ)
- ゴルゴムの三神官の一人。シャドームーン復活のために命の源である地の石を失った後、第36話で翼竜の怪人・大怪人ビシュムとして再生する。
第45話でBLACKと玉砕しようとするが、自分だけシャドームーンの破壊光線に貫かれて死亡する。
- 剣聖ビルゲニア(吉田淳)
- 創世王の怒りにふれ、3万年封印されていた暴れん坊。第18話でBLACKを倒すために封印を解かれる。
持っている剣はビルセイバー、盾はビルテクターという。
ライダーパンチやライダーキックが通じない強敵。しかし第35話でシャドームーンにサタンサーベルの一太刀で倒される。
- シャドームーン・秋月信彦(堀内孝人)
- 改造手術の際の総一郎の妨害のせいで、長い間バッタ男状態のまま眠りについていた。
第35話で三神官の天・海・地の三つの石の力で復活し、ゴルゴムの実権を握る。必殺技はシャドーキック。
BLACKを遥かにしのぐ力を持ち、第47話で一度BLACKを倒すがとどめをさすことができず、第50話〜第51話で再び戦ってバトルホッパーの特攻が元で敗れる。
これで死んだと思いきや、甦って続編「RX」にも登場する。
なおシャドームーンは基本的に人間形態にならないため、信彦自身は回想シーンくらいにしか出てこない。
両脇に侍女怪人のマーラ、カーラというのが控えている。
- コウモリ怪人(?)
- 第1話から度々登場した怪人。斥候係として活躍。第49話でクジラ怪人とBLACKにやられて死亡する。
- 黒松英臣(黒部進)
- ウルトラマンに変身…じゃなくて東都大学医学部教授。ゴルゴムのメンバーであるが本人はまだ怪人ではない。
作戦が失敗続きだったため、第19話で処刑される。
- 創世王(声:渡辺猛)
- ゴルゴムの支配者。心臓だけの姿。寿命が尽きかけていたためシャドームーンにブラックサンを早く倒すように迫る。
最終回でBLACKが操るサタンサーベルに貫かれる。
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