まず世間における「仮面ライダー」の認知度について考えてみよう。
例えば怪人に襲われててライダーに助けられた人が、
「ありがとう、ライダー」
などと言うのはよくある話。
風見志郎も
「先輩がライダーだったなんて!」
などと言ってるし、ライダーは結構一般市民に知られているようだ。
ということはライダーは皆の英雄だし、改造された人間が
「俺も仮面ライダーを名乗ろう!」
と思うのも無理もないのかもしれない。
では個々のケースについて順番に考えてみよう。
まず仮面ライダー1号こと本郷猛。これは最初だからどう名乗ろうと自由だ。 ちなみに劇中で最初に彼を仮面ライダーと呼んだのはナレーター。ううむ、これより発言権の強い者はいまい。
続いて仮面ライダー2号、一文字隼人。 彼はショッカーで改造されていて本郷に助けられたわけだが、おそらくその際に「これからはお前も仮面ライダーとなってショッカーと戦うんだ」などと言われてそれに従ったんだろう。
次のV3・風見志郎も同様。二人の先輩ライダーに改造されたわけなので、仮面ライダーを名乗る正当な権利を持っている。 恐らくダブルライダーが名付け親に違いない。
問題は次から。 まずXライダーの神啓介だが、なんと父親の神敬太郎が勝手に「仮面ライダーX」と名付けている。 どうしてそんな勝手なことを! 先輩ライダーたちの許可は得ているんだろうか。 しかしここで、どうして神教授が息子に仮面ライダーを名乗らせたかを考えてみよう。
冷静に見てみると、どうもXの風貌は1号・2号を意識しているように見受けられる。
Xは深海用改造人間・カイゾーグだが、深海用改造人間をあんな風貌にする必然性は感じられないし、ひょっとして神教授はかつて1号や2号に助けられたことがあったのではないだろうか?
その際に
「ライダーはすばらしい。カイゾーグを作ることがあったらぜひあんな風にしたいものだ」
などと思ったのかもしれない。
だから名前もパクったと。…って勝手にパクるなよ、おい。
次はもっとひどい。 アマゾンライダーこと山本大介だが、なんとマサヒコ少年が、変身したアマゾンを見て「アマゾンライダーだ!」と勝手に名付けている。 ちなみにアマゾンはこの時点でオートバイなんてものは見たこともなく、初めてオートバイを見た時は嫌悪感を抱いたりしている。 おまけに外見もかつてのライダーとはなんか違うし、どこが仮面ライダーなんだ、おい!
続いてストロンガー。 彼はブラックサタンで改造されて電気人間ストロンガーと名付けられるが(なんで奇械人カブトーンとかいう名前じゃないんだろ)、その後自分で勝手に「仮面ライダーストロンガー」と名乗っている。 もう言ったもん勝ちだな、こりゃ。
で、続くスカイライダー・スーパー1・ZXは見てなかったので知らないのだが、次のBLACKはなかなか興味を惹く点がある。
南光太郎は第1話でいきなり「仮面ライダーBLACK」を名乗るのだが、第35話で面白いことを言っている。
自分の正体を知った杏子に対して、
「だから僕は仮面ライダーとなって奴らを!」
と言い放っている。
仮面ライダー「と」というところが面白い。これは仮面ライダーなるものが世間に認知されているかのような言い草ではないか。
続編、RXで歴代ライダーが総登場するので作品世界がつながっていることが分かるのだが、やはり仮面ライダーは世間一般に知られた存在と考えて良さそうだ。
しかし結局BLACKも言ったもん勝ちでライダーになっちまったんだねえ。
残りの作品だが、シンは作中一度も仮面ライダーを名乗ってはいない。 ZOやJは見てないから知らない。 しかし結局仮面ライダーなんて言ったもん勝ち。 君も悪の組織につかまって改造され、運良く脳改造の前に脱走できたらぜひ仮面ライダーを名乗ろう。 私もぜひそうしたいと思っている。 あ、しまった。でも2輪免許持ってないや。 原チャリなら乗れるけど、原チャリの仮面ライダーは悲しいだろうなあ、シクシク。
しかし見事に散った彼女のために、仮面ライダー8号の名を与え....ってあれ? ZXが10号扱いになってるんだけど、ということはスーパー1が9号、スカイライダーが8号、一方ストロンガーは7号だし、彼女の入る余地がない! ライダーマンを外そうにも、彼はV3からライダー4号の名をもらっているし、「ぼくのライダーマン」という歌でも「仮面ライダー4号だ」と宣言されている。 要するに歴史から抹殺された改造人間なわけだ。 な、なんてかわいそうなんだ。好きなのにぃ。