| タイトル | 登場宇宙人/怪獣 |
第21話 | 「海底基地を追え」 | ミミー星人、アイアンロックス |
脚本 赤井鬼介 特殊技術 大木淳 監督 鈴木俊継
最近頻発する謎の船舶遭難事件に対し、ウルトラ警備隊が捜査に乗り出す。
だが、これは遭難直後に調査しても何の痕跡も見当たらない謎の事件だ。唯一の手がかりは、戦艦大和を見たという船長からの最後の連絡だった。
そこでハイドランジャーが戦艦大和の沈没地点の調査に向かう。しかし、沈没したはずの戦艦大和はどこにも存在しなかった。
そしてハイドランジャーは謎のヒトデ型物体を発見し、追跡する。だが、ハイドランジャーのアマギからの連絡が突如途絶える。
また、続いてアマギを探していたフルハシからも連絡が途絶える。
一方、下田の海中から突如戦艦大和が出現し、砲撃を開始していた。ウルトラ警備隊が応戦するが、その火力の前にダンのホーク3号が撃墜される。
しかしキリヤマ隊長の活躍により、なんとか戦艦を沈黙させることに成功した。ところが、パリからの連絡で恐るべき事が判明する。
同様に世界各地に現れている、沈没した船を元に作られた怪物・アイアンロックス。これは静止して15分後に爆発する爆弾ロボットなのだ。
再び砲撃を開始したアイアンロックス。その頃海中で目覚めたダンはセブンに変身する。
アイアンロックスを操るミミー星人はセブンを迎え撃つ。アイアンロックスの攻撃の凄まじさに、さすがのセブンも太刀打ち出来ない。
刻一刻とアイアンロックス爆発の時が迫る。だが爆発寸前、セブンは縛めから脱出し、エメリウム光線でアイアンロックスを粉砕する。
ミミー星人は捕らえていたハイドランジャーを捨てて逃げ出そうとする。しかしアマギとフルハシはすかさず円盤を撃破した。
こうして事件は解決したのである。
ミミー星人は設定だけの宇宙人。その姿は画面には現れない。
更に、セブンと戦う敵はそのまんま戦艦のアイアンロックスだし、デザイン面ではちょっとイマイチな今回。
まだミミー星人のヒトデ型円盤の方が見ごたえあるかも。
とは言ってもアイアンロックスの火力は凄まじく、対するウルトラ警備隊はホントに苦戦してるのがよく分かる。こういう描写は珍しいかも。
なるほど、最強の武器というのは地球人が作ったものということなんだね。いやあ、痛烈な皮肉だなあ。
…って、単にウルトラ警備隊より射程の長い遠距離攻撃兵器をいくつも備えてるってだけの話だってば。
しかしそうすると、どーして他の宇宙人はそういう重攻撃兵器を作って攻めてこないんだろ?
なぜか、ヘロヘロなビーム砲1門しかないような円盤に乗って来てそれでウルトラ警備隊と渡り合ったりとかしてばっかりだけど。
宇宙人の考えってよく分からんなあ。
そして重攻撃兵器アイアンロックス。実は15分で爆発する爆弾だということだが、下田で静止した時はまだ昼間だったぞ。
それが爆発するのが午後8時35分…って、どーなっとるんだ?
静止してから爆発するとか言って、また動き出して砲撃を再開するし。ずるいぞ。
そしてアイアンロックスとセブンとの戦い。なんだか変。
セブンは鎖で捕らえられてちょっと砲撃を食らっただけで、あとはアイアンロックスはボケーッとしているだけ。
にも関わらずセブン、のたうち回って苦しんでいて、なかなか反撃しない。
な、なんであれしきの攻撃で無敵のセブンが苦しんでるんだ。実はアイアンロックスの火力ってウルトラ戦士もびっくりの凄いものなのかも。うーむ。
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第22話 | 「人間牧場」 | ブラコ星人 |
脚本 山浦弘靖 特殊技術 大木淳 監督 鈴木俊継
アンヌの友人、石山ルリ子の誕生パーティーが開催された夜、ルリ子が姿を消してしまった。それを追ったアンヌは、海底に消える円盤状の物体を見た。
アンヌの要請でウルトラ警備隊が出動して一帯を調査した。が、足跡以外に何も見つけることはできなかった。
しかしやがて、昏睡状態のルリ子が発見された。腕に妙な物体をつけて。彼女はウルトラ警備隊に収容され、検査される。
そのルリ子の病室に、宇宙人が現れた。そしてアンヌが襲われる。しかしそこに駆けつけたダンと隊長のおかげで、宇宙人は倒される。
だが、ルリ子とアンヌの全身が緑色になってしまう。
倒したブラコ星人を解剖した結果、恐るべきことが判明した。ルリ子の腕につけられていた物体、それはブラコ星人の食料となる赤い胞子だったのだ。
そしてその胞子は女性のホルモンによって増殖していく。
ブラコ星人は地球上の様々な動物で実験を重ね、ついに人間の女性が自らの食料を増殖させるための牧場に適していることを発見したのだ。
アンヌ達を救うには、放射線アルファ73を使うしかない。しかしそれは、土星の鉱石にしか含まれていないのだ。
そしてホーク2号でも土星まで3日はかかるが、彼女達の命はあと15時間くらいしか持たない…。
その頃、ホーク1号は円盤の群れと遭遇、交戦状態になる。ダンはホーク3号で救援に出るが、焦って無茶をしたダンは撃墜されてしまう。
が、そこでウルトラセブンが現れた。セブンはホーク1号の協力を得て、円盤群を振り切って土星へと向かう。
そしてホーク1号は円盤を全滅させる。
やがて、放射線アルファ73が完成。二人は無事に元通りになったのであった。
冒頭、友人の誕生パーティーに出席しているアンヌ。もちろん私服でパーティードレス。やっぱウルトラ警備隊は普段は暇なんだねー。
でもビデオシーバーは持ってるし、なぜかブーツに照明弾を仕込んでるし、さすがウルトラ警備隊といったところか。
…って、ちょっと待て。なんで照明弾なんか持ち歩いてるんだ? 私服でそんなに物は持てないだろうに、もっと他に持つべきものがあるような気がするのだが。
で、今回登場するブラコ星人は食料増殖のために地球上の色々な動物で実験を繰り返し、ついに人間の女性という理想的な苗床を見つけた!
…と思ったらしいんだが、こいつらアホだな。そそっかしいにもほどがある。
胞子を植え付けられた女性は、その命は1日もたたずに尽きてしまう。こんなもののどこが理想的なんだか。
大体繁殖実験なら、胞子がしっかり繁殖するまで毎日観察日記でもつけながら何日もじっくりと調査すべきだろう。
さては実験に次ぐ実験で真面目にコツコツやる気を失ってしまい、なんか良さそうなんでこれにしよう!といいかげんに決めてしまったといったところか。
あんまり地道な努力をしそうな奴らには見えないしなあ。
しかしそのせいでアンヌ(とルリ子)が死にそうだとなればダンも焦る。
早くセブンになって土星に行きたいのに出撃命令を受けてしまい、そこでわざと無茶やってホーク3号を撃墜されて変身!
ほんとに無茶な奴だなー。あのホーク、爆発したんじゃねーの? それって凄く珍しいことなんだが。
実のところ、ウルトラ警備隊というのは歴代シリーズの中では最強クラスのチームで、戦闘機はほとんど爆破されないし、活躍も凄いのだ。
今回もそう。今回のダン(ウルトラセブン)の戦果は、あらまあ円盤1機を破壊したのみ。
ところがウルトラ警備隊。ブラコ星人に襲われているダンを救い、星人を倒したのはキリヤマ隊長。
そして何十機もの円盤群を全滅させたのはホーク1号。凄いぞー。
しかもそれだけで驚くなかれ。さすがと言うべきはキリヤマ隊長。円盤との戦いの時、なぜかセブンが土星に行こうとしていることを知っている!
そもそも土星の鉱石を取りに行かないといけないことは、ウルトラ警備隊の他、ごく一部の人しか知らないはずだが。
さては隊長、ダンの正体を既に知っていたのか!…んなわけないんだよねー。謎な人だ。
で、ラスト。無事にセブンが持ち帰った鉱石でアンヌ達は生き返るが、警備隊の面々はダンが行方不明だと嘆き悲しむ。
そう、ダンはまだ皆の元に戻っていないため、死んだのではないかと思われているのだ。
その頃、ダン。なぜか一人暗い部屋で楽しそうに、太陽系の星々の絵を描いていた。
…おい! 皆心配してるんだから、そんなことしてないでさっさと顔見せに行けよ! こ、こいつも謎な男だ…。
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第23話 | 「明日を捜せ」 | シャドー星人、ガブラ |
脚本 南川龍、上原正三 特殊技術 的場徹 監督 野長瀬三摩地
何者かに追われ続ける男。ウルトラ警備隊に助けられた彼は03倉庫が爆破されると言った。そして自分は殺される、と。その男、安井は占い師だった。
03倉庫は一見ただの倉庫だが、実は地球防衛軍の兵器開発基地が隠されているのだ。
キリヤマはその言葉を信じてみることにした。しかし03倉庫には異常はなく、安井は続けて円盤が現れたという予言もしたが、そんなものはどこにも居なかった。
今日がだめなら明日を捜せばいい!そう言う安井だが、家に帰されてしまう。しかし安井の言葉が気になるキリヤマは、彼が言っていた明日を捜すために休暇願いを出す。
あてもなく明日を捜しつづけるキリヤマ。そして安井の姿もどこにも見当たらなかった。
やがて宇宙パトロールから帰ってきたダンが隊長と合流する。その時、03倉庫に火の玉が飛来し、爆破された。予言は当たったのだ。
助けを求めていた安井を帰してしまった…キリヤマは自分を責めていた。ウルトラ警備隊は総力をあげて敵の本拠地を探り出そうとする。
その頃、安井はシャドー星人に捕まっており、ニセの予言でウルトラ警備隊を撹乱するよう脅迫されていた。
やがてウルトラ警備隊はシャドー星人の本拠地を探り出した。そこでシャドー星人は円盤を発進させる。ダンはセブンに変身した。
セブンは円盤を叩き落す。円盤は降参したかのような態度をとるが、隙を突いて怪獣ガブラが現れる。
セブンはアイスラッガーでガブラの首を切断する。円盤は今度こそ降参したと言い、安井を返す。
が、それもまた罠だった。セブンが安井に気を取られている内に、切断したガブラの首が飛んできてセブンを襲う。
かみつかれ、毒にやられて苦戦するセブン。だが安井の予知能力が、首を操っているのが円盤であることを見抜く。
セブンは円盤を破壊し、ガブラの首は地に落ちた。
全てが終わった。そして安井の超能力もなくなってしまったのだった。
冒頭、謎の車(実はシャドー星人)が安井を追う。…が、初老のその男になぜか自動車で追いつけない。
そうか、これがあの有名な、兎は永遠に亀に追いつけないという兎と亀のパラドックスか。…って違う!
ちなみに03倉庫の03はマルサンと読む。マルサンと言えば、怪獣のソフビやプラモなんかでウルトラファンにはおなじみだった会社である。
この名前はスタッフのお遊びだったらしい。
さてさて、科学的根拠に基づき行動すべきウルトラ警備隊の隊長でありながら、なんだか妙に安井の予言が気になるキリヤマ。まあ人間たまにはそういうこともあるさ。
そして「明日を捜す」なんて凄い理由で休暇を取る。相手がマナベ参謀でなければ、何わけのわからんこと言っとるボケ!となるところだ。
しかし休暇を取る時、隊長はなんとマナベ参謀に封筒入りの休暇願いを直接渡す。
うおお、まるで辞表みたいなものものしさ。さすがウルトラ警備隊の隊長。
紙っぺら一枚に必要事項を記入の上、上司の書類受けに放りこんでおけばいいというものではないのね。
そしてウルトラ警備隊は仕事も実にハードだ。前半、ウルトラ警備隊の中にダンの姿がないのが不思議なんだけど、実はダンはパトロールしていたのだ。
なんと、宇宙パトロールに1週間!
え?まさかホーク2号の中で1週間も寝泊まりしてたの?…んなわけないか。
ひょっとしてV3辺りで寝てたのかな。クラタの配下で暮らすのって緊張しそうでやだなあ。
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第24話 | 「北へ還れ!」 | カナン星人 |
脚本 市川森一 特殊技術 高野宏一 監督 満田かずほ
母が病気ということで北海道に帰郷したフルハシ。だがそれは、息子に牧場を継いで欲しい母の狂言だった。それを知ったフルハシはさっさと逃げ帰ってしまう。
その頃北極で、地球防衛軍のパトロール機が操縦不能に陥り、旅客機と正面衝突するという事故が起きた。
その調査をウルトラ警備隊が命じられ、フルハシがホーク3号で出発する。その頃、フルハシの母がウルトラ警備隊に押しかけてきた。フルハシを連れ戻しに来たのだ。
現場に接近したフルハシ。が、突如ホーク3号が操縦不能に陥る。そしてその正面から、これまた操縦不能に陥った旅客機が接近していた。
キリヤマはフルハシにホークの爆破を命じる。時限装置をセットしたフルハシは脱出しようとするが、なんと脱出装置が作動しない。
しかし自爆をやめれば旅客機と正面衝突だ。キリヤマはフルハシの死を覚悟し、彼の母を作戦室に呼び寄せる。
そしてフルハシは久しぶりに母と語らう。
一方、そのホーク3号を追っていたホーク1号のダンは、途中の灯台から謎の光線が発射されているのを発見。地上に降りてウインダムを放つ。
ウインダムは灯台に迫るが、灯台にいたカナン星人の放った光線で電子頭脳が狂わされてしまい、ダンに襲いかかる。
ダンはセブンに変身し、ウインダムを迎え撃つ。
さすがにセブンにはウインダムは全く歯が立たない。ウインダムはセブンに翻弄され、目を回して倒れてしまう。
正気に戻ったウインダムは再び灯台に向かう。が、また灯台の光線を受け、倒れてしまう。セブンはウインダムをカプセルに戻す。
灯台はロケットだった。セブン相手ではかなわじと見たカナン星人は宇宙へ逃げようとする。
だがそれを追うセブンのワイドショットが炸裂し、ロケットは粉砕される。
カナン星人が倒されたため、間一髪、制御を取り戻したホーク3号は旅客機との衝突を回避する。
なんとか生きて戻ってきたフルハシ。だが、ウルトラ警備隊の仕事の大変さを知った母親は北海道に帰ってしまっていた。自分で選んだ仕事が一番いいのだと。
フルハシは北海道をパトロールしながら、母の想いを感じ取るのであった。
今回、ついにダンとアンヌ以外の隊員の名前が一人判明。フルハシの名前はシゲルだった!
隊員のプライベートな側面がなかなか描かれない本作においては、ちょっと貴重なエピソードとなっている。
しかし相変わらず凄いウルトラ警備隊。フルハシのホークが操縦不能、このままでは旅客機と正面衝突、自爆装置を作動させたはいいけど脱出装置が作動しない。
この状況下でキリヤマ隊長、結構葛藤があったとは言え、フルハシを自爆させて旅客機を救う決断をすぐに下してしまう。
うおお、なんと非情な決断を。せめて1時間くらい悩んだらどうなんだ。(その間に衝突するってば)
しかもそれをフルハシに告げない。フルハシも同じ決意だと確信しているからか。
その代わりに母親を呼んで最後の通信をさせる。それでフルハシも隊長の決意を確信したのか。
他のシリーズの怪獣やっつけ隊の隊員なら、どうするかギリギリまで悩むところだけどねえ。
ううむ、ウルトラ警備隊がなぜ強いのか分かったような気がする。恐るべし。
しかし新参者の隊員にはそこまでの緊張感はないのかねえ。
フルハシの母親を迎えに行って、基地に入れるけにはいかないから喫茶店で応対しているダン。
そこでフルハシの事でアンヌに呼ばれるのだが…コーヒーカップを持ったまま席を立つ。そんなもん置いていけよ!
しかも制服だし。喫茶店でコーヒーカップ持って制服でうろうろしているウルトラ警備隊員を見たら、私だったら失礼ながら笑ってしまうぞ。
もう少し隊員らしく凛々しい態度でいてほしいものだが。
それにカプセル怪獣の使い方もへたくそ。飛行機を操縦不能に陥らせる謎の敵を相手に、電子頭脳を搭載したウインダムを行かせるとは。
もっともひょっとして、敵の能力を確かめるためにわざとウインダムを選んだのかもしれないが。
実際ウインダムが逆に襲いかかって来ても、ほとんど遊びながらウインダムをあしらってしまった。余裕たっぷり。
セブンVSウインダムという異色な夢の(?)対決が、ただのおふざけになっちまってるんだよねー。
要するにカプセル怪獣って、セブンがふざけながら倒せるほど弱い奴なのね。しかもウインダム、結構アホだし。
こんな奴らをセブンが苦戦する相手にぶつけるんだから、毎回やられるのも無理はないね。
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