| タイトル | 登場宇宙人/怪獣 |
第37話 | 「盗まれたウルトラ・アイ」 | マゼラン星人マヤ |
脚本 市川森一 特殊技術 高野宏一 監督 鈴木俊継
未確認飛行物体を追うウルトラ警備隊。ダンは飛行物体と関連があると見られる少女を追うが、飛行物体に襲われて少女にウルトラアイを盗まれてしまう。
その後K地区から、マゼラン星に向けて謎の電波が発信されるのがキャッチされる。
ウルトラ警備隊は再び電波が発信されるのを待ち、その発信源を探し出す。そしてダンとフルハシは発信源・スナックノアへと向かう。
「ムカエハ マダカ」
その通信の内容はそれだけだった。
ノアで張りこんでいたダンはあの少女を見つけ、コンタクトを試みる。
彼女の目的は地球侵略ではなかった。こんな狂った星に侵略する価値などない、と。
そして彼女は姿を消す。
店から電波発信機を手に入れたウルトラ警備隊は、マゼラン星からの返信を受け取る。
なんとマゼラン星から地球破壊のため巨大ミサイルが撃ちこまれていた。あと7時間で地球に到達してしまう。
そしてマゼラン星からの迎えは来ない…。彼女は最初から見捨てられていたのだ。
ミサイルを迎撃すべく出撃するウルトラ警備隊。だがダンは単身、あの少女を探しに向かう。
ミサイルにはウルトラ警備隊の攻撃が全く通用しない。ミサイルが刻一刻と迫る中、ダンはノアで少女と再会する。
迎えが来ると信じている少女に、ダンは受信した通信内容を見せる。
この星で生きよう、そう語るダンに答えず、少女はただウルトラアイを返す。ダンは変身して飛び立つ。
ミサイル内部に入りこんだセブンはミサイルの軌道を変えることに成功する。危機は去った。
だが少女は自らの命を絶っていた。やるせない気持ちで、ダンは街を後にするのだった。
着ぐるみ宇宙人も怪獣も登場しない一編。ということで地味ではあるのだが、人気の高いエピソードだ。
任務に忠実、かつ一途に迎えをまつ健気さ、それ故に裏切られた後の孤独感がなんとも切ない少女・マヤ。
非常に印象深いキャラクターだ。ちなみに作中では彼女の名前は出て来ない。
この話ではセブンの存在はほとんど意味がなくて、しかも変身してミサイルをブッ壊すのかと思いきや中で操作して軌道を変えるだけ。
爆発なんかさせたら予算が余計に必要だしね。
まあ話としても、ムチャやってミサイルが爆発でもしたら元も子もないから当然の対応といえばそうなんだが、やっぱり子供向けとしては迫力もなくて全然面白くない話だろうな。
ということで特撮ものとしては地味だけど、その分ドラマの良さが際立った名編、といったところですか。
ところで今回のダンなんだけど。最後の出撃の時、隊長直々の命令を無視して勝手にマヤを探しに行ってしまう。
なんでこんな命令もロクに守らない奴が隊員を続けていられるんだろう。キリヤマ隊長も寛大な人だなあ。
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第38話 | 「勇気ある戦い」 | クレージーゴン |
脚本 佐々木守 特殊技術 高野宏一 監督 飯島敏宏
箱根山中に突如濃霧が発生し、30台もの自動車が消失するという事件が発生していた。
その頃ダンは、アンヌの知り合いのオサム少年を見舞いに行っていた。彼は明日心臓手術を受ける予定だが、手術を恐がっているのだ。
ダンはオサムを励まし、手術に立ち会うことを約束する。
そして手術を担当する博士を迎えに行ったアンヌは高速道路で濃霧に遭遇する。
出動したウルトラ警備隊が霧を消した時に見たものは、自動車を体内に取りこむ巨大ロボットだった。
そしてアンヌの車がロボットに捕まった。ダンは変身して車を救出するが、ロボットは逃げ出してしまう。
逃げるロボットを追跡したウルトラ警備隊は、バンダ星人の宇宙ステーションを発見する。
彼らは物資不足のため、地球の資源を集めに来たのだった。
そこでダンは、ニセの交通渋滞情報を流してロボットをおびきだし、爆弾入りの車を回収させてステーションごと爆破する作戦を思いつく。
そして作戦は実行に移され、見事に成功した。ステーションは大爆発を起こす。
しかし、ロボットはまだ動いていた。おかしくなったロボットは街中へ出て暴れ始める。
そしてロボットは、オサムの手術中の病院へと迫る。怪我を負って病院に来ていたダンは、変身してロボットを止めようとする。
だがロボットは強力だった。エメリウム光線もアイスラッガーも通用しない。
一計を案じたセブンは、ミクロ化してフルハシの構えるエレクトロHガンの砲身に潜りこむ。
そしてフルハシがトリガーを引いた時、弾丸と化したセブンがロボットを粉砕した!
オサムの手術も成功した。平和が戻ってきたのだった。
何かと青二才な言動が目立つダンだが、今回も見事。ロボットがドッキングした謎の飛行物体の写真を見て、
「バンダ星人の宇宙ステーションだ!」
と口を滑らせてしまう。そして案の定なぜ知ってるのかとツッコミを食らっていたが、主人公特権でなんとかうやむやにできた模様。
まあ博識なのは認めるけど、もう少し用心深さを持ちたまえ。素直すぎるんだよ、君は。
そしてロボットをおびき出すため、ニセの交通情報を流すわけだが…。
交通情報を頼りにしているバンダ星人というのも笑えるな。理にかなった手っ取り早い手段と言えば確かにそうなんだが。
しかしそれよりウルトラ警備隊! ニセの交通情報なんてなんか流していいのか! 日本の交通を混乱させる気か、お前らは!
元はダンの発案だが、それがあっさり通ってしまうところがウルトラ警備隊だなあ、やっぱり。
更には、爆破するという発想も凄いよな、ダン。そもそも彼らは破壊活動をしていたわけではなく、ただの自動車窃盗犯だぞ。
しかも搭乗者ごと回収してるから、あの宇宙ステーションの中には車に乗っていた人がいてもおかしくないはず。
それをいきなり爆破とは…。ああ、ダンもすっかりウルトラ警備隊の空気に染まってしまったなあ。
しかしその作戦が敵ロボットの暴走を呼び街が破壊される羽目になるとは、これは珍しくウルトラ警備隊の過激さが裏目に出ている。
まあそういうこともあるわな。
ちなみに今回のゲストのオサムはなぜか一隊員に過ぎないダンに会いたがっていたわけだが、一峰大二のコミック版では、セブンに会いたがっていることになっていた。
そしてダンはセブンを連れてきてあげると約束し、最後に変身してオサムに会い、オサムは峠を越えるという展開になっている。
うーん、こっちの方がいいなあ。
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第39話 | 「セブン暗殺計画 (前編)」 | ガッツ星人、アロン |
脚本 藤川桂介 特殊技術 高野宏一 監督 飯島敏宏
暴れる怪獣アロンを迎え撃つセブン。だがその戦いを見てセブンの能力・弱点を冷静に分析している宇宙人がいた。
彼らはセブンを倒して、人類を降伏させようと企んでいるのだ。
ウルトラ警備隊にニセの通報が相次いでいた。そしてまた通報があり、ダンとアンヌが出動する。
だがそこにあの宇宙人が現れる。彼らはガッツ星人と名乗りダンに挑戦する。
ダンはアンヌを戻らせ、ウインダムを放つ。しかしウインダムはガッツ星人に翻弄された上、円盤の攻撃を受けて倒されてしまう。
ダンとアンヌはホーク1号の応援を受け、辛くも脱出する。
ガッツ星人の狙いは何なのか…ダンの心中に不安がよぎる。
そしてパトロールでガッツ星人の宇宙船が見つかった。しかしダンとソガはガッツ星人の攻撃を受け、ソガが捕まってしまう。
ダンはセブンに変身する。
やっとセブンになったなとほくそ笑むガッツ星人。セブンは絶え間無く攻撃を加え続けるが、全く手応えが無い。
そしてセブンはエネルギーを使い果たしてしまう。これがガッツ星人の狙いだったのだ。
セブンはガッツ星人に捕らえられてしまう。
ウルトラ警備隊はソガを発見、救出するが、ダンの姿は見つからない。そしてガッツ星人の円盤に対する防衛軍の攻撃も全く効果がない。
やがてガッツ星人は磔にしたセブンを姿を人々の前にさらし、明朝処刑することを宣言する。
セブンをどう救出するのか苦悩するウルトラ警備隊。
そんな中、ウルトラ警備隊に正体不明の通信電波が届いていた。
知性派、ガッツ星人登場。冷静にセブンを分析し、周到に計画を練る。
その力の前には、ウインダムさえ倒されてしまう。そう、今回、誰がどう見たってウインダムは死んだ(壊れた?)。…のだが、なぜか平成新シリーズではピンピンして登場する。謎だ。
しかしそれ以前に、ダンがウインダムを出した理由が謎。確かに近くにアンヌがいたからうかつに変身するのは考えものだけど、等身大宇宙人相手にカプセル怪獣ってのは無意味じゃねーの?
さて、そのガッツ星人とついに対決したセブン。なんとガッツ星人の作戦は、幻影でセブンを翻弄してエネルギーを使い果たさせることだった。
その罠にあっさりはまってしまうセブン。…そう、あっさりしすぎ!
そもそもセブン! 登場するなりアイスラッガー、エメリウム光線、ワイドショット、とは何なんだ一体。
そんなことしてたらエネルギーがいくらあっても足りんだろう。決め技は最後に取っておくもんだ。なんと不注意な。
つーことで、ガッツ星人が狡猾というよりはセブンがうかつだっただけ、というような展開でした。
そして最後。皆がセブンの心配をする中、一人だけダンの心配をするアンヌ。
おーおー、やっぱりそういうことですか、アンヌさん。
ま、他の皆が相変わらずダンの心配をしてないのは、セブンがああなっちゃった以上そんなこと考えてる余裕がないから仕方ががないといったらそうかな。
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第40話 | 「セブン暗殺計画 (後編)」 | ガッツ星人 |
脚本 藤川桂介 特殊技術 高野宏一 監督 飯島敏宏
ウルトラ警備隊は正体不明の電波の正体を探る。それはセブンから発信されているものだった。
セブンはマグネリウムエネルギーがないと動けないと伝えていた。
だがマグネリウムエネルギーを合成するにはダイモード鉱石が必要だ。
その鉱石はフルハシが知り合いの女性・夏彩子からもらっていたが、いざ使ってみるとエネルギーが足りない。
鉱石の量が少ないのだ。しかし鉱石はもう半分、夏が持っているものがあった。
その頃、夏は怪しい気配に怯えていた。果たしてそれはガッツ星人だった。ガッツ星人は鉱石のことを知り彼女を襲撃したのだ。
フルハシたちはなんとか彼女を見つけ出し、鉱石も無事に入手できた。そしてウルトラ警備隊はセブン救出に発進する。
ガッツ星人の応戦をかわし、なんとかセブンにマグネリウムエネルギーを照射しようとするホーク1号。
しかしそのセブンは幻影だった。落胆する警備隊。
そこでウルトラ警備隊は夏の車をマークして、ガッツの円盤が襲撃してくるところを狙う。
そして現れた円盤の行き先を確かめ、ついに本物のセブンを発見する。
やがてガッツ星人のセブン処刑が始まった。だがそこにマグマライザーが到着。
マグネリウムエネルギーをセブンに照射することに成功する。セブンは復活した。
次々に粉砕されていくガッツ星人の円盤群。セブンは母艦も一気に破壊し、ガッツ星人の野望はついえたのだった。
セブン復活に必須のマグネリウムエネルギー合成の方法。
水素原子4個を融合させてヘリウム1原子にして…って、太陽の核融合反応か?
ウルトラ戦士を動かす原動力は、太陽光線かと思いきや太陽の核融合エネルギーだったのか。さすがだな。
そしてそのために必要なダイモード鉱石はアフリカ特産。それは前回の冒頭で、夏からフルハシに送られてきた石だった。
で、アフリカの原住民と聞いてその話を思い出し、皆がフルハシの方を見るのでフルハシいわく。
「アフリカの原住民と俺とどういう関係があるんだい。そりゃまあ俺のツラはねぇ…」
あ、それってなんとなくアフリカの原住民さんに対する差別的発言かも。
で、残りの鉱石を夏が持っているのだが、なぜかそれを知っているガッツ星人が彼女を襲う。
はて? それを知っているのはウルトラ警備隊の面々くらいのものなのだが。警備隊内部に盗聴機でも仕掛けてあるのか?
更に謎なのが、ニセモノの鉱石を掴まされた腹いせに(?)夏を襲うガッツ。そんなことしてるひまがあったら、ウルトラ警備隊のセブンへの接近を阻止しろよ。
逆に襲撃のせいでセブンの本当の位置を警備隊に知られてしまうし、賢いのかバカなのか、よく分からん奴らだ。
それに、夏を襲撃する時点で、完全に夜があけてますけどぉ、ガッツさん。
夜明けと共にセブン処刑じゃなかったんですかぁ? やっぱりよく分からん奴らだ。
そんな奴らと裏腹に、相変わらず凄いウルトラ警備隊。
ガッツ星人が夏を襲撃するのを見越して、彼女を囮に使ってる。
彼女を守るつもりなら外出させなきゃいいのに、わざと外出させてますよ。
民間人を囮に使ってますな、完全に。恐るべし。
更にセブン救出のため出動するのが目立つホークではなく、地底からこっそり近づくマグマライザー。
さすがに相変わらず抜け目がない。ガッツ星人なんかよりレベルが遥かに上だね、これは。
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