牢屋見廻りとしてくさった日々を送る主水。彼はある日、中村主水を捜す白塗り顔の芸人男・赤井剣之介と出会う。だが中村主水など知らないととぼける主水。
主水は牢屋の囚人から沼木藩の奥方殺しの仕事を引き受けていたが、捨三と新たな仲間のやいとや又右衛門だけでは思うように仕事が出来ない。
そこで主水は捨三に白塗り男を探させる。だが男は追われる身だった。
主水は彼の愛人のお歌を捕まえて剣之介の正体を聞く。彼は元沼木藩の侍で、お歌のために人を斬り脱藩したという。
剣之介に会う主水。彼は市松と仕事をしたのが縁で主水の名を知ったという。
彼は、自分には殺し以外にできる仕事はないと言い、仕事を世話するよう頼む。
主水は、仕事の標的がお未央の方だと告げる。それを聞いた剣之介は、お未央の方は自分の許婚だったため斬れないと言う。
「許婚?ただそれだけのわけで人が斬れねえってのか」
だが、お歌が沼木藩に捕らえられてしまう。それを知り、あの女は俺がやる、と言う剣之介。
沼木藩の屋敷ではお歌がお未央の方にいたぶられていた。その屋敷に忍び込む主水たち。
主水が、やいとやが、次々と仕事を片づけていく。そしてお未央の方の前に現れる剣之介。
お未央の方は剣之介を慕い抱きつく。その未央を冷徹に殺す剣之介。
数日後、やいとやは主水に、剣之介はお尋ね者だから仲間にできないと言う。
だがそんなやいとやに主水は言う。
「俺たちゃおめえ、人様の命頂戴して金稼いでる悪党だ」
「だから仲間が欲しいんじゃねえか、地獄の道連れがよ」
「その道連れを裏切ってみろ、地獄へも行けやしねえぞ」
こうして、新たなる主水の仲間が誕生した。
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