真ゲッターロボ 世界最後の日
平成10年8月〜平成11年5月、OVA 全13話
LD/ビデオ 全7巻
DVD 全4巻
概要
長い間困難を極めたゲッター線の利用が実用化された時、謎のインベーダーが月面を侵略してきた。
地球側では数々のスーパーロボットを開発してこれに対処、そしてその中には早乙女博士がゲッター線を利用して開発したゲッターロボの姿もあった。
そして人類は勝利を収め、インベーダーは全滅した。だが…、これは始まりに過ぎなかった。
それから3年、全滅したはずのインベーダーが地球に現れた。
そして死んだはずの早乙女博士が突如謎の復活を遂げ、軍を敵に回して早乙女研究所に謎の真ドラゴンを築き上げる。
また、早乙女博士の秘蔵のカプセルから現れた少年・號。
真ドラゴンの誕生は一体何を意味するのか、號は一体何者なのか。
全てが謎に秘められたまま、事態は急展開していく。
次々と現れるインベーダー、そしてインベーダーが進化して機械と融合し、より強力となったメタルビーストの出現。
果たして、早乙女の言う世界最後の日が訪れるのだろうか…。
解説
タイトルは、「チェンジ!!ゲッターロボ」と読む。
EMOTION 15周年記念で、LD/ビデオが特別低価格でリリースされたOVA。
原作「ゲッターロボ號」で登場してからゲーム「スーパーロボット大戦」で一躍メジャーになった(?)真ゲッターロボをメインに据えた作品。
それだけでなく、かつてのゲッターロボやゲッターロボGまで登場する、ファンにはうれしい配慮。
更に、登場人物も基本的に旧作の設定を引き継いでいる。ゲッターチームの面々はもちろん、早乙女一家も登場。
また原作でその強烈な存在感をアピールした敷島博士も登場したりする。
これまたやはり、ファンにとってはうれしい配慮。
いやそれどころか、この作品に登場するメカも含めたほぼ全てのキャラが、石川賢作品からの登場となっている。
石川賢ファンにとっては、そういったところも注目のポイントだ。
なお声優陣の方は、旧作アニメとは一新されている。
旧作ファンとしては多少残念なところだが、これはこれで正解。
なぜなら、この作品が下敷きにしているのはアニメ版の旧作ではなく、原作版の方だからだ。
例えば、原作を更に強調してワイルドでほとんど悪党みたいになってしまった流竜馬。
正統派熱血主人公の声がよく似合う神谷明の声では全然合わないだろう。
そんな具合に、キャラ設定がかなり原作寄りでイメージが旧アニメ版とは異なるため、キャスト一新は当然のことと言える。
ちなみに旧作アニメファンのために、第1話ナレーションは神谷明が担当している。要チェックだ。
そして主題歌。第3話までは水木一郎、以降は影山ヒロノブ、とツボをついた熱い男達が熱唱している。
こちらも要チェックだ。
では内容の方はどうか。これが一言で言うと…わけわからん。
どのくらいわけわからんか、例として主要キャラの人間関係を見てみよう。
ゲッター線を実用化しゲッターロボを作り上げた、対インベーダーの戦いでの最大の功労者、早乙女博士。
竜馬に殺されたはずだがなぜか復活した彼は全人類を敵に回し、真ゲッターロボを使って謎のカプセルを奪取する。
一方、博士に憎悪の念を燃やす流竜馬は、かつて博士の元でゲッターロボのメインパイロットをしていた男。
そしてカプセルから生まれた早乙女博士の秘蔵っ子・號は、竜馬たちと共に真ゲッターロボに乗り、やがて早乙女博士を相手に戦いを繰り広げることになる…。
ほらほら、もう何が何だか分からなくなってくるでしょ?
一体誰が敵で誰が味方なのか。いや、そもそも、主人公は誰なのかということすら分からないのだ、この作品は。
…などと言うと、むちゃくちゃで脈絡の無い展開のひどい作品かと敬遠したがる人もいるかもしれない。
が、少なくともひとつ忘れてはならないことがある。それは…この作品はまぎれもなくゲッターロボなのだということだ。
とにかく熱い! 原作のワイルドなテイスト全開のゲッターのパイロット達が、これぞスーパーロボット!というダイナミックでパワフルな戦いを繰り広げるのだ。これぞゲッター!
例えば第1話ではいきなり、短い時間の中でゲッター1、ゲッター2、ゲッター3、ゲッタードラゴン、ゲッターライガー、ゲッターポセイドン、更に真ゲッター1、と怒涛の登場。
もうストーリーなんてどうでもいい! ゲッターの熱い戦いにただ酔いしれろ!
あ、ちなみに念のために言っておくと、ストーリーは多少難解だし説明不足ではあるけれど、ちゃんと一貫性があるものになっている。
でもでも、そんな細かいところをいちいち考える余裕なんてないよ、見ていると。
続けて見ているとあっと言う間に終わってて、果たして全ての謎が解明されたのかどうかなんて全然注意もしていなかった自分に気付くはず。
どうでもいいじゃない、そんなこと。
熱いゲッターの合体を、戦いぶりを、一挙一動全てを見逃すな!
それだけでよし!
さあ、君も一緒に、「チェェェンジ、ゲッタァァァァー!!!」
登場人物
- 流竜馬(石川英郎)
- かつてのゲッターチームのリーダー。ゲッター1のパイロットだった。
早乙女博士を殺害した罪により投獄されていたが、皮肉にも復活した早乙女博士を殺すために釈放され、再びゲッターロボに乗る。
第1話でゲッター1を駆ってドラゴン軍団を蹴散らすところは壮絶。
第3話の最後で行方不明になる。時には真イーグル号に乗り、真ゲッター1のメインパイロットになる。
- 神隼人(内田直哉)
- 旧ゲッターチームの一員。ゲッター2のパイロットだった。
敷島博士と共に謎の行動を取っていたが、それはかつて早乙女博士と共にしようとしていたことと関係あるようだ。
第4話以降、「タワー」の指揮官となり真ドラゴンを追い続ける。
時には真ジャガー号に乗り、真ゲッター2のメインパイロットになる。
- 巴武蔵(辻親八)
- 旧ゲッターチームの一員。現在も軍に残っている。早乙女博士亡き後、元気を引き取って育てていた。
第1話でいきなりゲッター3に乗ってくれる。しかし武蔵のお約束ということで、第3話で無残にも…。
- 車弁慶(飯塚昭三)
- 旧ゲッターチームの一員。武蔵の後輩。武蔵に代わって元気を引き取ったはずだったが…。
時には真ベアー号に乗り、真ゲッター3のメインパイロットになる。
- 敷島博士(鈴木泰明)
- どこかマッドな科学者。しかし原作に比べたらずいぶんまともだ。隼人と共に「タワー」に乗りこんでいる。
- 早乙女元気(日高奈留美)
- 早乙女博士の息子。父親が殺されたのを見たせいで自閉症になっている。
第3話で重陽子爆弾が落ちて来た際、行方不明となる。
- 早乙女ミチル(長沢美樹)
- 早乙女博士の娘。かつてリョウ、ハヤトと共にゲッターロボGの合体テストをしていた時に、合体ミスでリョウ・ハヤトの機体に潰されて死亡してしまった。
早乙女博士はそのことを今でも恨んでいる。
- 號(関智一)
- 早乙女博士が作ったらしい謎のカプセルから現れた、謎の男。
普段は無表情で寡黙だが、ゲッターに乗り技の名前をシャウトする時は熱血している。
真イーグル号に乗り、真ゲッター1のメインパイロットを務める。
- 渓(日高奈留美)
- 第4話から登場。元気の代わりにベンケイに育てられた女の子。
育てた人間が悪かったか環境がそうさせたか、かなり男っぽい。銃の扱いなども手慣れている。
真ジャガー号に乗ることになり、真ゲッター2のメインパイロットとなった。
- 凱(松本保典)
- 第4話から登場。ベンケイと共に行動する男達の一人。
成り行きで真ベアー号に乗り、真ゲッター3のメインパイロットになった。
- 早乙女博士(麦人)
- ゲッターロボを作り上げた張本人。竜馬に殺されたはずだが、謎の復活を遂げて人類に宣戦布告する。
- コーウェン(郷里大輔)
- 早乙女博士と共にゲッター線開発に従事していた科学者。
しかしその正体はインベーダーであり、ゲッター線の真の意味を知る者でもある。
そうだよね、スティンガー君。
- スティンガー(広瀬正志)
- う、うん、そうだね、コーウェン君。ということで、コーウェンの同類。
いつも二人一緒に行動する。
登場ロボット
- 真ゲッターロボ
- 真イーグル号・真ジャガー号・真ベアー号の3機で合体する、最強のゲッターロボ。1機のみ建造された。
真ゲッター1、真ゲッター2、真ゲッター3の3パターンに合体する。
號の精神に感応して、コクピットにいなくても多少は動く。
真ゲッター1はゲッターバトルウィングで空を飛び、額と腹部からゲッタービームを放ち、巨大斧ゲッタートマホーク、巨大鎌ゲッターサイトを武器とする。
また、3人のパイロットの意識をひとつに集中することで、最大の技ストナーサンシャインを放つことができる。
真ゲッター2はドリルで地中にもぐることができ、ドリルをぶっ放すドリルミサイルや、ドリルの高速回転で敵をミンチにするドリルハリケーンなどを武器とする。
真ゲッター3はパワーに優れ、また全身ミサイルの塊で、ホーミングミサイルやミサイルストームなどを武器とする。また弁慶ならば武蔵直伝の大雪山おろしを使う。
- ゲッターロボ
- イーグル号・ジャガー号・ベアー号の3機のゲットマシンで合体する。
空中用のゲッター1、地中用のゲッター2、水中用のゲッター3の3パターンに合体可能。
月面開発用に作られたが、戦闘用に武装して月面戦線に投入された。基本仕様は旧作アニメ版と同じ。
今となっては旧式ではあるものの、まだまだ一線で活躍できる機体。
- ゲッターロボG
- 新型のゲッターロボ。ドラゴン号・ライガー号・ポセイドン号の3機のゲットマシンで合体する。
空中用のゲッタードラゴン、地中用のゲッターライガー、水中用のゲッターポセイドンの3パターンに合体可能。
基本仕様は旧作アニメ版と同じ。
戦争終了後、最初から戦闘用として量産を前提として設計されたものだが、当然活躍の機会は無かった。
皮肉にも今回の戦いにおいて、早乙女博士の手によって破壊者として使用される。が、その真の存在意義は…。
- 真ドラゴン
- Gのゲットマシンが集合合体して形成された、超巨大な究極形態。その真の意味は謎に包まれている。
…と言うか、知ってる人は知っているのだが教えてくれない。
- ブラックゲッター
- 第8話で突如現れた謎の黒いゲッター1。実は月面に廃棄されていたゲッターロボを改修したもの。
武装はゲッター1と同じ。戦闘力を重視した結果、合体・変形機能が省略されている。
黒いのは大気圏突入の際の摩擦熱による燃焼が原因。
その色にふさわしい、非情な鬼神のごとき戦いぶりを見せる。そのパイロットは…。
全話リスト
| タイトル |
第1話 | 「復活!! 悪の要塞早乙女研究所」 |
|
第2話 | 「脅威!! 神か悪魔か真ドラゴン」 |
|
第3話 | 「日本壊滅!! さらばゲッター!」 |
|
第4話 | 「激震!! 荒れ狂う大地!」 |
|
第5話 | 「出撃!! 新たなる戦士たち!」 |
|
第6話 | 「悪夢!! 暴かれた真実!」 |
|
第7話 | 「決戦!! スーパーロボット軍団!」 |
|
第8話 | 「死闘!! 血に染まる氷原!」 |
|
第9話 | 「謀略!! 摩天楼の決闘!」 |
|
第10話 | 「降臨!! 南海を断つ邪神!」 |
|
第11話 | 「襲来!! 甦る亡者たち!」 |
|
第12話 | 「戦慄!! 砕け散る魂!」 |
|
第13話 | 「閃光!! 進化の果て!」 |
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