ゲッターロボ/ゲッターロボG

放映

ゲッターロボ

昭和49年4月4日〜昭和50年5月8日、全51回
フジテレビ系
毎週木曜19時〜19時30分

ゲッターロボG

昭和50年5月15日〜昭和51年3月25日、全39回
フジテレビ系
毎週木曜19時〜19時30分

概要

太古に地球を支配していた知能を持った恐竜たちは、有害なゲッター線が地球に降り注いできたせいで地中に逃れて恐竜帝国を築いた。 だが今、恐竜帝国は再び地上を支配しようとして、活動を開始した。 その科学力を駆使してゲッター線に耐えられるサイボーグ・メカザウルスを作り出し、地上を襲い始めたのだ。

一方、ゲッター線を研究していた早乙女研究所では、その研究成果であるゲッターロボのテストが行なわれていた。 が、その研究のことを知った恐竜帝国の帝王ゴールはメカザウルスを派遣し、ゲッターロボを破壊させ研究所を襲わせる。 このゲッターロボは試作品であり武装していなかったのだ。

だが、研究所にはもうひとつの、戦闘可能なゲッターロボがあった。 浅間学園の生徒であるリョウ、ハヤト、ムサシの3人はそのゲッターロボに乗り込み、恐竜帝国との戦いを開始したのだった。

やがて長い戦いの末、恐竜帝国は最後の総攻撃を開始し、早乙女研究所を大破させゲッターロボをも破壊して東京を占領する。 が、そこでムサシの命をかけた攻撃が大逆転を生み、恐竜帝国は滅んだのだった。

だが平和が戻ったわけではなかった。 新たに現れた敵・百鬼帝国がゲッター線増幅器を狙って行動を開始した。 ゲッターチームは新たな仲間ベンケイと共に、10倍にパワーアップしたゲッターロボGを駆って百鬼帝国と戦うのだった。

解説

「ドロロンえん魔くん」の後番組。

安直に紹介すれば、マジンガーZが大ヒットしてたので作られた新しいロボットもの。 が、この作品はそんな2匹目のどじょうにはとどまらない凄さを持っている。

何より、合体ロボットという新しいコンセプトを持ってきたこと。(なに?合体ロボットならキングジョーの方がもっと先だと?そ、そりゃそうだけど、それはさておき) そして3人の個性豊かなパイロットをメインに据えて、チームで戦う形式を確立したこと。

とにかくマジンガーZの発展型として、ロボットものの新しいフォーマットを確立してしまった。 これに変化型としてガンダムでも加えれば、もうロボットものの基本パターンは全て網羅できてしまう。 この3つのいずれかのタイプに分類できない人間搭乗型ロボットアニメはあるまい。 この作品にどれだけ意義があるかは分かってもらえると思う。

ところでこのゲッターロボの合体は何かと笑いのタネになったりするが、この合体システムがどれだけ戦略的に優れたものかは別文書を参照してもらいたい。 ちなみに私は、Gよりは初代ゲッターの方が好きである。 Gの合体はどうもモーフィングでもしてるような強引すぎる感じがするのだが、初代ゲッターはいかにも3台のマシンをくっつけたらこうなりましたという感じでいい。 あの、なんか垢抜けない感じがいかにも合体ロボットといった雰囲気で好きなのだ。

それに、恐竜帝国のメカザウルスも特筆ものである。ロボットの敵が恐竜だなんて、普通考える? 恐竜が半機械化されているという独特のコンセプトのおかげで、見ただけでこいつはメカザウルスだと分かる。

マジンガーZの機械獣はとにかくロボットでありさえすれば良かったので、形は何でも良かった。 だが後発作品では差別化を図らなければならない。そしてこのメカザウルスは見事に差別化に成功しているのだ。 とか言いつつ、どこが恐竜なのかよく分からんメカザウルスもいるが。両生類や哺乳類まで混じってない? ただGの方の百鬼帝国のメカ百鬼は、とにかく角が生えているロボット、といった雰囲気が共通しているだけという感じがしてどうもインパクトに欠ける気がする。 ちなみに、メカザウルスもメカ百鬼も有人。いや、有恐竜とか有鬼とか言わんといかんか?

最後に、どうしてもこれに触れておきたい。原作についてである。 原作は永井豪・石川賢とダイナミックプロで、アニメとマンガは同時進行。 だが実際にマンガを描いてたのは石川賢だけで、永井豪はタッチしてない。 そのため、永井豪はゲッターロボを描けないのだそうだ。(笑)

そしてその石川賢の原作が凄い。 小学館の学習雑誌に掲載されていたものはともかく、本筋(?)の週刊少年サンデー(後に掲載誌が冒険王に移る)版が凄すぎ。 ここで「原作」といえばこのバージョンを差す。 その内容は次のような感じ。

まず、早乙女博士は恐竜帝国と戦うためのゲッターロボのパイロットとして頑強な若者を探し求める。 そこに現れた主人公のリョウは、父の遺影を手に空手大会に殴り込んで、選手から審査員から全員をやっつけてしまうワイルドでイカレた空手野郎。 研究所のスカウト陣はそんな彼にラリったボクサーやナイフ野郎などを差し向けてその実力を見る。

そしてリョウは強引に研究所に連れて行かれ、そこで恐竜の襲撃を受ける。 早乙女博士は恐竜に肉体を乗っ取られた息子の達人を自らの手で焼き殺し、リョウは頭部だけのゲッター1でなんとかその場を切り抜ける。

次にリョウは野良犬の首をすっ飛ばしたりしながら、次なるパイロット候補のハヤトに会いに行く。 ハヤトは学生運動のリーダーで、学校も機動隊も手を出すのをあきらめた「隼人の校舎」の支配者。 大臣暗殺などを画策し、逃げ出そうとする者には死の制裁を与えるとんでもない野郎。

で、リョウは恐竜が襲ってきたどさくさに紛れてハヤトをジャガー号に乗せ、無理矢理パイロットにしてしまう。 そこでようやくゲッターロボが合体。 ちなみにこの時点でベアー号には、鼻血を吹きつつ早乙女博士が乗っていた。

かくしてしばらくして、リョウは大雪山での調査に向かい、そこで修行していた柔道家のムサシと出会う。 そう、こうして見ると、実はムサシが一番まともで一般人に近い人。 そのムサシはパイロットテストに落第するが、無理矢理乗り込み正式パイロットになってしまう。

その頃になるとリョウもハヤトも一般人と化しており(笑)、その後は比較的普通に話が進む。 なあに、人間が串刺しにされたり、子供がバラバラになって首だけになったりするけど、石川賢ならいつものことじゃん。 ムサシが恐竜帝国に特攻かける時は単身ゲッター1で出撃し、ゲッター線を暴走させて体をドロドロに溶かしながらゲッターを大爆発させたけど、描写としてはおとなしい方だよね、これって。

とにかく石川賢テイストが満載。 原作とアニメのギャップという点では、デビルマンに迫るものがある。 必読だ。ぜひ読むべし。

登場人物

流竜馬(神谷明)
イーグル号/ドラゴン号に乗る、ゲッター1/ゲッタードラゴンのメイン操縦者。 浅間学園サッカー部のキャプテン。 部のコーチであった早乙女達人の乗るゲッターロボがメカザウルスに倒されたため、パイロットに志願する。眉毛の太い熱血リーダー。 普段はハヤトやムサシと共に学生寮に住んでいるが、戦いが激しくなるにつれていつも研究所にいるようになる。ちゃんと学校には行ってたのか? ハヤトやムサシと異なり、ミチルのことを特別好きというわけではないようだ。 父親は九州で剣道の師範をしており、ハヤトとムサシを杖の一撃で倒す凄腕。
神隼人(山田俊司)
ジャガー号/ライガー号に乗る、ゲッター2/ゲッターライガーのメイン操縦者。 浅間学園の生徒。運動神経抜群だが部活はしていない。ニヒルで、いつも木陰でハーモニカを吹いている。 明日香という美人の姉がいる。父親は神重工業株式会社の社長であるが、ハヤトは仕事のために母の死に際にも姿を見せなかった父親を憎んでいる。 ミチルに母親の面影を見出し、Gの最後ではめでたく彼女と結ばれる?
「俺はボインちゃんが大好きでな」
の迷セリフは何度聞いてもひっくり返る。
巴武蔵(西尾徳)
ベアー号に乗る、ゲッター3のメイン操縦者。 浅間学園柔道部のキャプテン。自転車にも乗れない機械オンチで爬虫類が苦手という、ゲッターに全く向かない男。 工事用の黄ヘルとゴーグル、ふんどしに剣道の防具を着込むという凄い格好でゲッターに乗り込む。 背中に刀を背負っているが、これは真剣。ミチルのことが好きな純情男。 恐竜帝国との最後の戦いで、自分のミスからゲットマシンを全滅させてしまう。 それを悔やんでコマンドマシンで最後の戦いを挑み、特攻して死んでしまう。 しかしそれが奇跡の大逆転となり、恐竜帝国を滅ぼすことができた。
早乙女ミチル(吉田理保子)
早乙女博士の娘。浅間学園の生徒。おてんば(死語)娘。 父を助け、コマンドマシン(Gになってからはレディコマンド)で調査・偵察を行なう。 普段は凄いミニスカートをはいているが、全然見えない。(何が?) 出撃時のパイロットスーツはボディコンで、しかも胸の先端にボタンみたいなものがついていて、ナニにしか見えない。(ナニってなに?) とにかく凄いぞ。
早乙女元気(菊池紘子)
早乙女博士の次男で小学生。いつも研究所にいるが、学校にもちゃんと通っているらしい。 あんな山奥の研究所の近くに小学校なんぞあるとは思えんのだが。 とか言いつつ、実家も結構寂しいところにある。
早乙女博士(富田耕生)
浅間山にある早乙女研究所の所長。下駄履きに無精髭でモサッとした印象だが、30年間ゲッター線を研究してきたゲッター線研究の第一人者。 ゲッターロボ/Gを作り上げた張本人。 奥さんの名は和子。単なる設定上の存在かと思いきや結構存在感がある。 3人の子がいるが、長男の達人は練習用ゲッターロボの訓練中にメカザウルス・サキの奇襲を受けて死亡した。 しかしこういう一家団欒できるロボットものの博士というのも珍しくないか? なお関係ないが、研究所の博士の部屋には裸婦の絵が飾ってある。
ジョーホー(富田耕生)
ジャガイモ頭のメガネ男。ムサシの後輩で柔道部員。 ムサシの役に立とうとして色々と策を弄する。 ついには文次の研究を利用しようとして文次の弟子になるが、いつも悲惨な目に合うだけとなった。 とは言え、メカザウルスの攻撃の直撃を受けても死なないのはギャグキャラの特権であり、意外と幸せかもしんない。
大枯文次(矢田耕司)
第23話から登場。浅間山のふもとに家を建て、世界発明研究所を名乗る変な発明家。国定忠次を尊敬している。 朝太郎という万能(?)ロボットを従えている。 早乙女研究所を敵視していたが、ミチルに一目惚れして和解する。 後にゲッターナバロン砲の砲手となる。
帝王ゴール(神弘無)
恐竜帝国の支配者。とは言うものの、実はその背後には大魔人ユラーがいる。 作戦が失敗する度に部下を叱り飛ばすが、別に自分が作戦を考えてるわけでもなく、ただ怒るだけの楽な立場だ。 とは言うものの、ユラー登場後はユラーに叱り飛ばされペコペコしており、中間管理職の悲哀がにじみ出ている。 最後には無敵戦艦ダイを駆って東京を征服するが、コマンドマシンの特攻で暴走したダイのせいでシャンデリアの下敷きになって死亡する。 なんか惨めな最期だが、原作の方がもっと悲惨。 部下に置いてけぼりを食らい、誇りをかけてゲッターに体当たりしようとするが、その前に百鬼帝国にあっさり殺される。あ、あんまりだ。
バッド将軍(緒方賢一)
第14話から登場した、メカザウルスを操る「キャプテン」たちの総司令官。バット将軍だと書いてある資料もあるが、本当のところはよく分からない。 何度かは自らメカザウルスを操りゲッターと戦っている。 最後にはメカザウルス・ゴダを操りゲッターに挑戦するが、敗れて海の藻屑と消える。
ガレリイ長官(山田俊司)
第14話から登場した、メカザウルスを製作する科学技術担当長官。バッド将軍と仲が悪い。 最後にはダイで祝杯を上げていたところ、コマンドマシンの特攻でダイと共に爆発してしまった。
大魔人ユラー(矢田耕司)
第27話から登場した恐竜帝国の真の支配者。恐竜帝国においては神にも等しい存在だが、その存在を知る者は帝王ゴールのみ。 最後にダイをゴールに与えてめでたく東京征服を実現し地上に現れるが、暴走したダイに踏み潰されて死亡。 原作には登場しない。
車弁慶(八奈見乗児)
「G」に登場。ポセイドン号に乗る、ゲッターポセイドンのメイン操縦者。 浅間学園に転校してきた、野球好きの怪力男。キャッチャーのマスクとプロテクターを着けてゲッターに乗り込む。 いかつい外見とは裏腹に、動物や子供が好きな、おっとりした男。 原作ではほとんど活躍の場がない。
ブライ大帝(八奈見乗児)
百鬼帝国の支配者。ヒゲが長くて大きな2本の角が生えている。その性格は、まさしく鬼。
ヒドラー元帥(緒方賢一)
百鬼帝国の作戦司令官。名前にたがわず、なんとなく某総統を思わせる風貌。残忍で卑劣な男。
グラー博士(矢田耕司)
百鬼帝国で科学技術を担当する。片眼鏡で頭がデカい。科学者らしく、落ち着いている。

登場ロボット

ゲッター1
上からイーグル号・ジャガー号・ベアー号の順序で合体する、空陸両用の形態。 武器は肩から出るゲッタァトマホゥゥク!や、それを敵に投げつけるトマホゥゥクブゥメラン!など。 また、腹部から出るゲッタァビィィィム!の威力は凄い。
ゲッター2
上からジャガー号・ベアー号・イーグル号の順序で合体する、地上・地中用の形態。 左腕のドリルアームで地中をマッハ3で突き進む。シーンによってはドリルアームは右腕になる。(笑) またドリルで旋風を巻き起こすドリルストームや、超高速の動きで分身したように見せるゲッタービジョンなどの技を持つ。
ゲッター3
上からベアー号・イーグル号・ジャガー号の順序で合体する、水中用の形態。 キャタピラ走行のため安定性がいい。武器はゲッターミサイルのみ。 しかしムサシ得意の柔道の技、大雪山おろしも重要な技。 ゲーム・スーパーロボット大戦での大雪山おろしの破壊力は凄いが、やっぱただの投げ技だし実際にはゲッターミサイルの方が破壊力あると思うんだけど…。
ゲッタードラゴン
上からドラゴン号・ライガー号・ポセイドン号の順序で合体する、ゲッター1の強化版。 ゲッタービームが額から出るようになり、なんか細いし威力が弱くなったようにしか見えない。 全エネルギーを放出するため一度しか使えない最大の武器・シャインスパークは第21話から装備される。
ゲッターライガー
上からライガー号・ポセイドン号・ドラゴン号の順序で合体する、ゲッター2の強化版。 チェーンアタック、ライガーミサイル、ドリルアームなどの武器を持つ。
ゲッターポセイドン
上からポセイドン号・ドラゴン号・ライガー号の順序で合体する、ゲッター3の強化版。 ちゃんと足がついている。指からフィンガーネット、首からゲッターサイクロン、そして背中からストロングミサイルを放つ。

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