その一方で、百舌の速贄はなおも続いていた。 その死体を見て舌なめずりする男。その前に、サトルが現れる。 サトルの言葉を受け、男の体は巨体へと変化していく。
いつしかジュンは、滝浦家跡の前に佇んでいた。 と、そこでかけられた懐かしい声。振り向いたジュンの前には和美がいた。
だがその頃、貪欲に人を食う巨大ビースト、タングロフが現れていた。 前田はジュンを迎えに行く。 そしてその車内、和美に一言も声をかけることができないジュン。 そんなジュンに和美は優しい微笑みを向ける。
HAの攻撃をも食らい尽くすタングロフ。
しかしマンションに着いたジュンは、和美と共に車を降りる。
部屋に着いた二人。和美はジュンに抱きつき、唇を合わせる。
「一緒にいて…」
その頃、現場に報道のヘリが駆けつけていた。 ついにビーストの姿が電波に乗ってしまった…! 厳しい表情になる前田。と、その時、車内に置き忘れていたジュンの電話が鳴った。 かけてきたのは…和美!?
ジュンの体は完全に麻痺させられていた。 そこに迫る和美の顔。 その時、和美の背中に深々とナイフが突き立てられる。前田だ。 和美は、いや、和美だったものはその正体を現す。ビースト・イミテイル!
真相を知ったジュンは変身する。
怒りに燃えるレディーはイミテイルと闘おうとするが、前田はそれを制止する。
「不動さん、あなたの相手はこいつじゃない!」
「不動ジュン!行くんだ!!」
山崎はタングロフに対して武装ヘリによる攻撃を開始するが、あっさり撃墜される。 その時、その炎を背にして現れるレディー。 レディーはギガイフェクトを発現させる。
報道ヘリや一般人が見ている中、レディーはあっさり電撃でタングロフを葬り去る。
「さすがだね」
いつの間にか、サトルが側にいる。
「でも、見てごらんよあの人たちを」
恐れおののく人達の姿が目に入る。
「君だって進化できないあの人達から見れば、化け物でしかないんだよ」
「なのにどうして…?」
部屋に戻ったジュン。全身傷だらけとなった前田が迎える。
前田から電話を受け取ったジュンは、再び和美からのメッセージを聞く。
「ジュンちゃんに、言っておかなきゃならないと思って…」
「ありがとう。ジュンちゃんは、私を守ってくれたんだよね…」
蝦蟇ビースト・タングロフ
体長 18m、体重 15トン
百舌の速贄を見た男がビースト化。一応、百舌の速贄はビースト化促進キャンペーンに役立っているようだ。
別にギガイフェクトしたわけではなく、最初から大きいらしい。 尻尾(?)がサソリのように上を向いていて、そこにある口から触手状の舌を出してものを食べる。 また、ちゃんと下の顔にも口がある。なんとなくツインテール(in 帰ってきたウルトラマン)を思い出してしまう。
いもりビースト・イミテイル
体長 2m、体重 400キロ
和美に化けてジュンをたぶらかす。これはサトルの命令のようだ。 しかし大した力は持っていなくて、前田がナイフ一本で倒してしまったらしい。アルゴス並みの弱さだ。
前話で和美が自分の意志で姿を消したということが明確に描かれていないため、押しが弱くなってしまった話。 そういう大事なところはもっとしっかり描写してほしいものだが。
ま、とにかく、和美を失って落ち込んでいるジュン。元々くよくよしやすい性格なので、こうなるとどうしようもない。 さあそこでサトルの、「和美をダシにジュンをいたぶる作戦その3」が展開される。
結局何をしたかったのか明確には語られていないが、ジュンを足止めしている間に派手にビーストを暴れさせて、その存在を世間に知らしめるということならば、今回の作戦は見事に成功。 まあジュンは結局出てきてタングロフを倒してしまったわけだが、さすがにサトル、最後にジュンに嫌味を言うのも忘れない。 いや、嫌味ではなく、日頃の不満(?)をジュンにぶつけてるだけのようだが。
しかしこのセリフ、原作デビルマンで飛鳥了が不動明に同じようなことを言っているが、まさにこれがサトルの本音だろう。 同じく進化した仲間を殺す、旧人類の傀儡。ビーストの側に立ってみれば、腹立たしいことこの上ないのはよく分かる。 とは言うものの、力押しでジュンを倒そうとせずにあくまでネチネチと陰湿な手段で仕掛けてくるあたり、性格暗いなあ。
なお、ラストのレディーの必殺技。 第15話の電撃技と同様のもののようだが、資料によればやっぱり「デビルビーム」と呼んでいいらしい。ホンマかいな。 モチーフは「サンダーブレーク」だ。おいおい、そのまんまやがな。
ちなみに今回出てきた2匹のビースト。 ブヨブヨした巨体の奴と、天井に張りつくチョロチョロした奴。 どこかで見た取り合わせではないか? そう! 今回のビーストはイヤモンとバウウをイメージしているのだ!
…って、誰も分かんねえよ、そんなの! えー、分からん人は、とりあえずアニメ版デビルマンを見ろ! 名作だ!…かどうかは各人の判断に任せる。うむ。