破邪大星ダンガイオー 第1巻

解説

ダンガイオー登場の巻。 いかにも続編を作りますという終わり方がニクい。

ストーリーの展開自体は非常にスタンダード。 クサいというかお約束というか。 だけどそれでいいじゃないの。神谷明が必殺技の名を叫んでいる、それだけで見る価値は充分にある。

けどその神谷明が気の弱い男の役をやってるってのが結構面白い。 もし彼を知らない人がいたら、合体後にロールの性格が180度反転してしまうのを見て、なんじゃこいつわ、と思うかもしんないね。 ま、しょうがない。主人公はあくまでミア。 ロールは普段は目立ってはいけないのだから、彼の性格がこうなるのは必然。

でもどうしてもロール…いや神谷明が技の名前を叫ばなければ燃えるロボットアニメにならない。 だから合体後はミアが脇役になるという珍現象が起きてしまう。 しかし燃える展開にするためなのだ。細かいことは言いっこなし。

今回はミアとパイの記憶が戻り、ミアの故郷である地球が舞台となっての大活躍。 と思ったら、よく考えたら他の三人は最終的に自分の身の上を全て思い出すのに、ミアは自分のことを全然思い出してない。 まあたかが地球人に、他の三人みたいなドラマチックな身の上があるわけないんだからいいけどね。

ダンガイオーの武器の数々は、懐かしのスーパーロボット達へのオマージュに溢れている。 まず、合体は四人の心が一つにならないといけないなんてのは、ほとんどコンバトラーV。 パイロットの内、誰の心が乱れているとパワーが落ちるなんてのもお約束。

武器のブーストナックルはもちろんロケットパンチ。 額から放つダンガイビームは、なんとなくゲッターロボGのゲッタービーム。なにしろ
「ダンガイ・ビィィィム!」
だもんなあ。いいぞいいぞ。 サイキックウェイブで敵の動きを止めるのは超電磁タツマキ。 そしてサイキックザンで斬る!…のは元ネタ何だろ? まあいいか。

とにかく、技の名前を聞いているだけでひたすら燃える第1巻。 君の心も燃えているか?

ストーリー

ふと目覚めた少女は、目の前にいるロボットに襲われる。 そのロボットは、閃光に包まれた一人の少年によって粉砕される。彼の名はロール・クラン。彼女の名はミア・アリス。 が、二人は自分の名前以外は何も覚えていなかった。

そこで突如、その基地が爆破されるというアナウンスが流れる。 二人はあわてて逃げ出す。その途中で、指からビームを放つ少女、ランバ・ノムと出会う。 そしてやっと目的地の格納庫に到達する三人。が、その前にロボットが立ちふさがる。 そのロボットを背後から握り潰す一人の少女。彼女が四人目、パイ・サンダーだった。

しかし格納庫にはロボットが溢れていた。 ロールとランバは既に力尽きており、パイはミアに力を使うよう迫る。 が、ミアは自分の力など分からない。 だがロボットが銃撃しようとした時、ミアの力が解放される。 その強大な力の前に、ロボットは全て吹き飛んでしまった。 そして基地の爆発と同時に、4機のダンメカに乗って彼らは脱出する。

ターサン博士の元に着いた彼らは、自分たちがターサン博士に作られたものであり宇宙海賊バンカーに売られることを知る。 が、ミアは断片ながら自分の記憶を取り戻す。自分は地球という星の日本という場所で生まれた…。 ターサン博士の副官のギル・バーグは、ミアが記憶を取り戻していることを知り彼女を詰問する。 そこでミアは自分が記憶処理を受けたことを知らされる。自分は作られた存在ではなかったのだ。 そしてミアは再び自分の力を解放し、ギルを跳ね飛ばす。 そこへ他の三人が現れる。ミアの記憶をテレパシーで感じた彼らは、自分たちも人造人間でないことを確信してそこを逃げ出すことにする。

四人は無事にダンメカで脱出し、ミアの故郷の地球に向かうことにする。 やむをえずターサン博士は、代わりにギルを連れてバンカーに向かう。 ギルは自分をバンカーのガリモス大船長に売り込み、裏切った四人の討伐を買って出る。 ギルは地球に先回りして四人を待ち伏せることにする。

一方、ミアたちはターサン博士の部下のヨルドとディラに追われており、合体して反撃しようとする。 が、合体に手間取る間にミアの機体が故障し、合体不可能になる。 彼らは地上戦で決着をつけようとするが、その最中にパイは自分の記憶を取り戻す。 そしてミアの力で敵機は粉砕されるが、ミアは思わずパイロットのディラを助けてしまう。 ミアの優しさにうたれたディラは、四人が人造人間ではないことを改めて告げて息を引き取る。

ギルはついに地球に到達した。巨大ロボット・ブラッディを駆り、町を破壊し始める。 そんな中、パイはロールを連れて他の二人と別れて旅立つ。 そして飛べなくなったミアとランバの頭上に、ターサン博士の船が降りて来る。 二人はターサン博士に、パイの行方を捜すよう迫る。

なんとパイはバンカーの元に向かっていた。パイはガリモス大船長の娘だったのだ。 が、一度裏切った娘をガリモスは許そうとしない。ガリモスはパイに、無敵の殺人マシーンになった証しとしてロールを殺すように命令する。 パイの心は揺れ動く。ミアの言葉が頭の中をよぎり、パイはガリモスを裏切ることを決意する。 その時、ミアとランバの機体がパイ達の元に突っ込んで来る。四人は無事に逃げ出す。 四人はターサン博士の船に保護され、地球へと向かう。

地球ではギル・バーグが暴れており、町は壊滅状態に陥っていた。 到着した四人は合体する。
「クロス・ファイト! ダ・ン・ガ・イ・オー!」
四つのメカがひとつとなり、無敵のロボット、ダンガイオーが今地上に降り立つ。

ダンガイオーはロールのコクピットでしか操縦できないようになっていた。そして戦いの火蓋は切って落とされる。

ブーストナックルを放つロール。だがブラッディには効かない。そこでロールは、ダンガイビームでブラッディの動きを止める。

しかしその内部から更に小型の機体・ブラッディ2が現れた。その動きの速さに翻弄されるダンガイオー。 しかし一瞬の隙をついて逆転する。そこでギルは再び本体のブラッディ1と合体した。

ロールは皆の体力の消耗が激しいのを見て、最後の勝負をかける。
「サイキック・ウェィィィブ!」
念動波によってブラッディの動きが封じられ、空中に持ち上げられる。 ダンガイオーが剣を振りかざす。
「サイキック・ザァァァァン!」
その渾身の一太刀がブラッディを粉砕する。 そして瀕死のギルに手を差し伸べるダンガイオー。 が、ギルはその手をはねのけ、爆発する。

三人はミアとここで別れようとするが、ミアは皆と共に行くことを決意する。 そこへターサン博士も加わり、今ここにダンガイオーチームが誕生した。

スタッフ

プロデューサー...三浦亨・浅沼誠
原案...平野俊弘
キャラクターデザイン...平野俊弘
音楽...渡辺宙明
メカニックデザイン...河森正治・石津泰志・大張正己
モンスターデザイン...わたなべぢゅんいち
監督...平野俊弘
製作...AIC/ネットワーク

キャスト

ミア・アリス...荘真由美
ロール・クラン...神谷明
ランバ・ノム...岡本麻弥
パイ・サンダー...松井菜桜子
ターサン博士...青野武
ギル・バーグ...千葉繁
ヨルド...水木一郎
ディラ...堀江美都子
ガリモス船長...緒方賢一
肩の道化...田の中勇

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