| タイトル | 登場怪獣/宇宙人 |
第5話 | 「ミロガンダの秘密」 | グリーンモンス |
脚本 藤川桂介 特技監督 的場徹 監督 飯島敏宏
東京の真ん中で、二人の人間が相次いで窒息死するという事件が起きていた。
調査を依頼された科特隊は、大室公園にアラシとイデを派遣した。5日前にそこで起きた事件が今回の件とそっくりだったのだ。
一方、キャップとハヤタは事故現場を調査するが、そこで不思議な緑色の物体を発見していた。
アラシとイデは、最初の犠牲者である植物学者・山田博士の研究室を訪ねていた。
そこで、博士がオイリス島調査団に参加した際に島から持ち帰った花が消えているのを知る。
また、二人の犠牲者もまたオイリス島調査団の一員であったことが分かる。
岩本博士の調査で、現場に残っていた緑色の物体は植物と動物の両方の特質を持っていることが分かる。
そして、山田博士はオイリス島から持ち帰った花・ミロガンダの品種改良にいそしんでいたのだった。
皆はミロガンダに襲われたのではないか…?
科特隊は、調査団最後の一人の女性、浜口のガードにあたる。
そして彼女の話を聞き、きれいな花を咲かせるミロガンダは幼生の頃は不気味な食虫植物であることが分かる。
品種改良のための放射線によって幼生に戻ってしまったミロガンダは、オイリス島の水に含まれる特殊成分を求めて、島でそれを飲んだ隊員達を襲うのだ。
かくして一夜が明けたが、異変は生じなかった。と、ふと気を緩めたアラシをミロガンダが襲った。
しかしすぐに皆が駆けつけ、スーパーガンで撃退する。ミロガンダは水中に没した。
だが、そのスーパーガンが逆効果となった。その晩、怪植物は巨大化して丸の内に現れた。
血気にはやって雪辱戦を挑むアラシ。しかし逆襲されピンチに陥る。
それを救ったハヤタ。そして彼はウルトラマンに変身する。
対峙するウルトラマンとグリーンモンス。カラータイマーが点滅を始めピンチになるが、スペシウム光線を浴びせてグリーンモンスは灰になったのだった。
今回、実は全話中で最低視聴率をマークした不名誉な話。
なんせ、たった29.0%しか無かったのだ。こりゃ酷い。
制作第2話に当たり、まだフォーマットが固まっていないためかシリーズ全体から見れば少々異色といった雰囲気になっている。
例えばスーパーガンの光線が直線状に飛んでいくのはその典型。珍しいので必見だ。
そしてウルトラマンの戦いが非常にシンプル。
空中からキック。やられてヘタる。カラータイマー点滅。スペシウム光線。これで終わり。ウルトラマンの攻撃はわずか2回。
が、その分、対峙している時間が長く、「静」の戦いを見せてくれるのだ。こういうウルトラマンはかなり珍しい。
ラスト、スペシウム光線を浴びたグリーンモンスが炎上してしまうというのもやっぱり珍しい。
とまあ、何かと珍しいものが見られる話だ。
なおキャスト面では、岩本博士がさりげなく初登場。一方、ホシノ君はクレジットされてはいるが登場しない。
そして女キャメラマンの浜口を演じるのは、東宝特撮でもおなじみの若林映子。
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第6話 | 「沿岸警備命令」 | ゲスラ |
脚本 山田正弘 特技監督 高野宏一 監督 野長瀬三摩地
横浜に遊びに行ったホシノ君。一緒に居た友達に怪獣を見たと言われて探してみると、宝石密輸団のダイヤモンドキックを発見してしまう。
あわてて科特隊に連絡するホシノ君だが、アラシに一笑に付されてしまった。
その科特隊では、東京湾近郊での原因不明の船の沈没事故について調査を進めていた。
ホシノ君達はカカオ船の船員に出会い、カカオの実が好きなゲスラという両生類の話を聞いていた。
その時、海から巨大怪獣が現れる。ゲスラだ。ゲスラは辺りの船を襲い始めるが、すぐに海に消えてしまう。
ホシノ君達は、ゲスラが現れるかもしれないとカカオの倉庫に向かう。
だがそこには、カカオの袋に紛れ込ませて密輸したダイヤを探すダイヤモンドキックがいた。
彼らに見つかったホシノ君達は捕まってしまう。
ゲスラを追ってやってきた科特隊。カカオを餌にゲスラをおびき出そうとするが、そこでホシノ君達が捕まったことを知る。
更に、再びゲスラが現れて港の船を襲う。
また姿を消したゲスラだったが、ビートルでの捜索によって発見。
しかしうかつに攻撃すると狂暴化するため手が出せない。と、その時ゲスラが進路を変えた。
その方向には、カカオを満載した倉庫があった。
ダイヤモンドキックから逃げ出そうとするホシノ君達。
あわや再び捕まりそうになるが、そこにゲスラが向かってきていた。
その隙を突いて逃げ出すホシノ君達。一方ダイヤモンドキックは不用意にゲスラに発砲してしまい、ゲスラは怒り狂って暴れ始める。
ダイヤモンドキックを捕まえに倉庫に入ったハヤタは、瓦礫の下敷きになる。
そして他の隊員達がピンチになった時、フラッシュビームが輝いた!
ゲスラに立ち向かうウルトラマン。だが、ゲスラの体を覆う猛毒の針に苦戦する。
カラータイマーが点滅を始める。しかしウルトラマンは海中戦に持ち込み、ゲスラの弱点である頭のひれをもぎとって勝負を決めたのだった。
今回も異様にカラータイマー点滅が早い。変身してからわずか60秒。
ゲスラの毒にやられたせいだろうか?
…って、宇宙から来た無敵の超人が地球の動物の毒にやられるというのもなんかイメージ狂ってしまうのだが。
更に、今回初めてスペシウム光線なしで勝負が決まる。
また、どさくさ紛れにホシノ君が<
「あ! ウルトラマンのカラータイマーが!」
などと言っている。なんでカラータイマーのこと知ってるんだよ。
ちなみに元々このゲスラという怪獣はモスラの幼虫を改造する予定で、ゲラン蜂の幼虫が怪獣化するという設定だった。
作中でトカゲとはっきり言われているにもかかわらず、資料によっては蜂の幼虫が怪獣化した…などと書かれていることがあるのはそのため。
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第7話 | 「バラージの青い石」 | アントラー |
脚本 南川竜、金城哲夫 特技監督 高野宏一 監督 野長瀬三摩地
中近東に巨大な隕石が落下し、それ以来怪事件が多発していた。科学特捜隊では調査を進めていたが、調査隊はいずれも消息を絶ってしまった。
そしてついにパリ本部は日本支部に出動を要請してきた。フジ隊員を連絡要員に残し、日本支部の面々とジム隊員は隕石の落下地点に向かう。
だが、その付近に着くと謎の光の壁が現れた。そしてビートルの操縦が効かなくなる。その壁の正体は強力な磁力線だった。
キャップの機転でなんとか壁から逃れることができたが、磁力線の影響でビートルが故障して不時着してしまう。彼らは歩いて近くの町・バラージに向かうことにする。
イデは一人残って通信機の修理をしていたが、砂漠の底から怪獣が出現。ビートルは破壊されてしまう。磁力線はこいつの仕業だったのだ。
やむを得ず科特隊の面々は全員で町を目指す。そして彼らはついにかつて栄えた幻の町・バラージにたどり着いた。
そこには、テレパシーを持つ女性・チャータムがいた。彼女は、町を行き交う人々がアントラーのせいで絶えてしまったと語る。
そして、アントラーがバラージを襲わないのはノアの神のおかげだとも語る。ノアの神の像を見せてもらう科特隊の面々。
なんとそれはウルトラマンの像だった。そしてその手にある青い石がバラージを守っていると言う。
だがその時、アントラーがバラージを襲ってきた。立ち向かう科特隊の面々。
しかし、アントラーの磁力光線でスーパーガンも奪われ手も足も出ない。そこでハヤタはウルトラマンに変身する。
颯爽と現れるウルトラマン。だが、地底から神出鬼没に現れるアントラーの前に苦戦を強いられる。
そしてカラータイマーが点滅を始めた。スペシウム光線を放つウルトラマン。が、アントラーは平然と受け止めウルトラマンに襲いかかる。
窮地に陥るウルトラマン。その時、チャータムが突如神殿に走り出した。ノアの神のお告げを受け、青い石を取りに行ったのだ。
その石を受け取ったキャップがアントラーに投げつけた。するとアントラーは地に崩れ落ちた。
そして科特隊は、もはや人々に忘れ去られた蜃気楼の町バラージに別れを告げたのだった。
なんとウルトラマン(の仲間)は以前にも地球に来ていたというエピソードがこんなに早くに登場。
アラシはウルトラマンの先祖と言っているが、5千年前ならウルトラマンはとっくに生まれてたぞ。
しかしアントラー、スペシウム光線を受けてもひるみもせず平然としている。実は最強クラスの怪獣だったりする。
ところでウルトラマン、そのアントラーの磁力光線を受けて引き寄せられてる。ウルトラマンって金属製だったのか…。
更に、青い石で救ってもらっておきながら偉そうにふんぞり返っている。礼くらい言わんか、こら。
ちなみにバラージの町のセットは、東宝映画「奇岩城の冒険」で使われたものの流用。今回の撮影は、この映画と一緒にやっていたらしい。妙にエキストラが多いのもそのため。
このように、何かにつけてウルトラマンは東宝にお世話になるのである。
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第8話 | 「怪獣無法地帯」 | レッドキング、チャンドラー、マグラ、ピグモン、スフラン |
脚本 金城哲夫、上原正三 特技監督 高野宏一 監督 円谷一
火山噴火のために無人島になっていた多々良島で定点観測が再開されることになったが、先発隊が消息を絶ってしまった。
そして科特隊に観測員達の救出が依頼された。
その頃多々良島では、怪獣同士の死闘が繰り広げられていた。そして片方の怪獣(チャンドラー)の翼がもがれ、白い怪獣(レッドキング)が勝利を収める。
そこにたどり着いた科特隊。彼らは怪獣をとりあえず無視して観測員達を救出に向かう。だが観測所はめちゃくちゃに破壊されていた。
手分けして観測員達を探す科特隊。アラシ達は観測員の持ち物が落ちているのを発見する。だが地磁気の影響で通信もコンパスも役に立たない。
その時イデとフジは食肉植物スフランに襲われる。観測員はこいつにやられたのだ。なんとかアラシに救出される二人。
一方、ハヤタとキャップは地底怪獣マグラに出くわしていた。二人はなんとかナパーム弾でマグラを仕留めるが、その時にハヤタはマグラの尻尾にやられて崖下に転落してしまう。
その頃、アラシ隊員達は小さな怪獣を発見していた。さっさと逃げ出す怪獣。怪獣は松井所員のハンカチを落としていた。
アラシは、この怪獣が松井所員の行方を知っているとにらんで後を追う。すると果たせるかな、怪獣の行く先には松井所員がいた。
松井所員は、この怪獣ピグモンが食料や水を調達してくれたと語る。
その時、レッドキングが現れ襲って来た。応戦するアラシ達。だがレッドキングの投げた岩のせいでピグモンが死んでしまう。
そしてアラシ達も旗色が悪くなる。救援を求める信号弾を撃つイデ。
その時キャップに救われていたハヤタは、キャップに先に行ってもらう。
そして変身しようとする。が、ベーターカプセルを岩の間に落としてしまっていた。しかしなんとか取り戻し、変身することに成功する。
レッドキングの前に現れるウルトラマン。レッドキング自慢の怪力も、ウルトラマンには歯が立たない。
そしてウルトラマンの豪快な首投げによってレッドキングは絶命する。
こうして多々良島は、再び平和な島に戻ったのだった。
怪獣が大挙して(って、大3匹+小2匹しかいないけどテレビだからこんなもんでしょ)登場する豪華編。
人気怪獣レッドキングやピグモンが登場する、初期の娯楽巨編のひとつ。
いきなり最初にチャンドラーとレッドキングの戦いが繰り広げられたりして、怪獣ファンにはたまらない。
しかし結局ウルトラマンはレッドキングとしか対決しない。
マグラはクレジット上ではマグラー。現在の資料ではなぜか全てマグラで統一されている。
なお、スフランも忘れないように。ちゃんとクレジットされてるし、第26話でもう1回出て来るんだから。
ちなみにレッドキングはご存知の通り白い。当時はまだ白黒テレビの家庭が多かったので、翌日学校でカラーテレビで見ていた友達から白かったと聞いてパニクった子供たちが多かったとか。(笑)
そしてそのレッドキング、パワフルな暴れん坊というイメージが大きいが、実はムチャクチャ弱い。
ウルトラマンはスペシウム光線を岩を破壊するのに使っただけ。カラータイマーは青いままで、レッドキングを首投げで倒している。
ここまであっさりやられた奴というのも珍しい…。
ちなみにもう一つ。アラシとイデの会話。
アラシ「キャップに救援を要請しろ」
イデ 「待ってました!」
ンなこと待つんじゃねえ! お前それでも科特隊の隊員か!
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