| タイトル | 登場怪獣/宇宙人 |
第17話 | 「無限へのパスポート」 | ブルトン |
脚本 藤川桂介 特殊技術 高野宏一 監督 飯島敏宏
バローン砂漠から戻った探検家のイエスタデイ氏が突然姿を消した。
調査を依頼された科特隊は、イエスタデイ氏がバローン砂漠から不思議な隕石を持ち帰ったことを知り氏の家を訪れる。
だが隕石は氏と共に消えてしまったという。と、地震が起き、なんとイエスタデイ氏が突然庭に現れた。氏は親友の福井博士が危ないと言う。
福井博士は一緒に採取したもうひとつの隕石を所有していた。隕石は博士と共に科特隊に保護されることになる。
一方、イエスタデイ氏の隕石は川口研究所に拾われていた。そして研究所に異変が起き、ハヤタとキャップが研究所に向かう。
研究所では空間がねじ曲がり、四次元空間になってしまっていた。ハヤタはその原因が隕石にあると見抜き、隕石を外に放り出して空間を元に戻す。
これで二つの隕石が科特隊に集まった。隕石は処分されることになり、とりあえずケースの中に保存される。
だがイエスタデイ氏も川口博士も、二つの隕石が一つになった時のことを恐れていた。
そして二つの隕石は寄り集まり一つになった。そして科特隊本部の空間がねじ曲がる。
一方、ホシノ君を追い出すべく外に出ていたフジ隊員は本部に怪獣が現れたのを目撃する。
本部に戻って来たハヤタは二人と合流するが、本部との連絡が取れない。
片や内部に閉じ込められたキャップ達。なんとか外に出ようとするが、どんどん変な場所に出てしまう。
そしていつの間にやら元の場所に戻ってしまっていた。
その頃、フジ隊員の連絡を受けて怪獣ブルトンを倒すべく防衛軍が出撃していた。
だが空間を曲げるブルトンは、戦車隊も航空機隊も文字通り消し去ってしまう。
そして飛行機が地を走り、戦車が空を飛ぶ。防衛軍はあっさりと全滅する。
ハヤタはウルトラマンに変身する。
だがさすがのウルトラマンもブルトンの四次元攻撃の前に動きを封じられ、手も足も出ない。
しかしなんとか四次元空間から脱出したウルトラマンは、ブルトンの触角を破壊して四次元攻撃を封じ、スペシウム光線の連射でブルトンを元の隕石に戻してしまう。
そして隕石を砕き、ウルトラマンは去って行く。
全てが終わった。そしてハヤタを助けた功績で、ホシノ君は晴れて少年隊員になれたのだった。
はい。前回ホシノ君が隊員服で登場していたのは、今回少年隊員になったからなのだ。
制作順としては前回より今回の方が先で、…って監督が同じだから同時進行だったと思うんだけど、それで前回隊員服のホシノ君が登場してしまったんだと思われる。
さて今回登場するブルトンは、怪獣と呼ぶのはなんとなく抵抗がある。隕石というか心臓というか、なんとも独特のフォルムを持っている。
よくもまあ、こんな凄いデザインを思い付くもんだ。
ところでこいつを見ると、私はスーパーファミコンの格闘ゲームのウルトラマンを思い出す。これに出て来るブルトンがまた強いんだ。
そして四次元空間を操るこいつ、そのせいで翻弄される科特隊はなかなかユーモラスに描かれている。映像的にもなかなか楽しい。
もちろんギャグをかますのはイデの仕事ね。超古典的なギャグを堂々と見せてくれて、今見ればなんともお見事としか言いようがない。
やっぱおいしいとこ持っていくなあ。
ちなみに今回、カラータイマー点滅まで1分30秒。なんか時々妙に早いんだよねえ。
|
第18話 | 「遊星から来た兄弟」 | ザラブ星人、にせウルトラマン |
脚本 南川竜・金城哲夫 特殊技術 高野宏一 監督 野長瀬三摩地
突如東京が猛毒の霧に覆われた。早速科特隊が調査に出動することになる。だがこの霧には致死量の放射能が含まれていた。
守田博士は、この霧が宇宙から降り注いできたと言う。
濃霧の中を調査する科特隊の面々。そこでイデは謎の怪人を目撃する。
その怪人はザラブ星人と名乗った。ザラブ星人は友好のために地球にやって来たと言う。
一方東京上空を調査していたハヤタは、土星ロケットが漂っているのを発見する。
だがいきなり科特隊本部に現れたザラブ星人が、さまよっていたロケットを地球まで誘導してあげたのだと言う。
その言葉を信用しない面々。キャップは東京の霧を消せば信用すると言うが、ザラブ星人は簡単に霧を消し去ってしまう。
ザラブ星人は客として迎えられることになった。彼の処遇について宇宙局で会議が開催されるが、イデが通信機でその様子をつつぬけにしていた。
そしてその頃、科特隊で留守番をしていたアラシに一服盛ったザラブ星人は会議の様子を盗み聞きしていた。イデは催眠術をかけられていたのだ。
ザラブ星人は宇宙局に引き取られることになる。だが科特隊はザラブ星人に不審を抱き、宇宙局を張り込む。
そして宇宙に飛んだザラブ星人をハヤタのビートルが追う。ザラブ星人は土星ロケットに行き、その乗組員を操っていた。
だが地球に戻ろうとしたハヤタはザラブ星人に捕まってしまう。ザラブ星人はハヤタがウルトラマンであることを知っていた!
地球では、ウルトラマンが現れてなんと暴れていた。ザラブ星人は宇宙局で、ウルトラマンこそ人類の敵だと言う。
その一方でザラブ星人は、ハヤタからベーターカプセルを取り上げようとする。だがハヤタは持っていなかった。
しかし密かに宇宙局に向かったホシノ君が、ハヤタが忘れていったベーターカプセルを持ってきてくれた。
その頃、再びウルトラマンが現れて町を破壊していた。科特隊は意を決して出撃する。
ホシノ君に助けられたハヤタは、ウルトラマンに変身した。暴れていたのは偽者だったのだ。
スペシウム光線を受けたニセウルトラマンはその正体を現す。それはザラブ星人だった。
そして激闘の末、再びスペシウム光線を受けたザラブ星人は炎に包まれる。
やはりウルトラマンは正義の味方なのだ。
ご存知、にせウルトラマンが登場する話。
ここでよく入れられるツッコミが、目が尖ってるんだから偽者だって気付けよ!だよね。
でも…、あんな40mの巨人、いちいち目がどんな形してたかなんて知ってる?
そりゃ我々テレビの前の人間は毎回絶妙なカメラアングルでウルトラマンの戦いを見ているわけだけど、あの世界の人達はそうじゃない。
報道ヘリが飛んでるのなんか見たこと無いから、多分一般人はまともなウルトラマンの写真すら見たことなかろう。
それに防衛軍や科特隊の面々だってベストアングルで見物しているわけじゃないから、いちいち全身がどんな風になってるのかなんて見えないだろー?
大体、人間の先入観とは恐ろしいものだ。あんな巨人は他にいないわけだし、パッと見ればウルトラマンだと思ってしまう。
そしてウルトラマンだと思ってしまえば、多少違っていても気にならないものだ。
そういうことを差し置いてツッコミを入れるのはアンフェアというものだぞ。
それよりツッコミを入れたくなるのは科特隊の装備。
科特隊のヘルメットには放射能防御バリアがあるらしいのだが、それを使っても口元が露出したままなんですけど…。
このバリアで宇宙でも平気だって言ってるから、見えないバリアを張り巡らしてるのかな、う〜む。
しかし少なくとも科特隊の制服は宇宙でも平気みたい。ハヤタってば制服のまま酸素ボンベしょって宇宙に出ていったもんな、いやはや凄い服だ。
ところで、ウルトラアイを狙った宇宙人は何人もいたけれど、ベーターカプセルを狙ったのはなんとこのザラブ星人のみ。
それにしても、結果オーライとは言え、そんな大事なもん忘れるなよ、ハヤタ。モロボシダンだってそんなボケかまさんぞ。
なお今回のゲスト、守田博士を演じるのは土屋嘉男。
|
第19話 | 「悪魔はふたたび」 | アボラス、バニラ |
脚本 山田正弘・南川竜 特殊技術 高野宏一 監督 野長瀬三摩地
東京のビル工事現場から不思議な金属の物体が発見された。福山博士は、3億5千年ほど前のタイムカプセルではないかと言う。
そしてその少し壊れたカプセルからは金属板と青い液体の入った容器が発見され、容器は鉱物試験所に運ばれた。カプセルにはもう一個何か入っていたようだが…。
その頃、工事現場から運ばれた土砂の中から赤い液体の入った容器が転がり落ちたが、誰も気付いてはしなかった。
福山博士は、イデとハヤタのおかげで金属板に光を反射させればメッセージが浮かび上がることを知り、その解読に全力を尽くしていた。
そして鉱物試験所も、青い液体の容器を開けるのに必死だった。
その晩、東京に雷雨が発生した。そしてその落雷を受けた赤い液体の容器から、赤い怪獣が現れた。
早速アラシがビートルで出撃する。更に、イデとキャップが応援に出撃する。
翌朝、福山博士はようやく金属板の解読を終えた。そこには、古代人が苦心して赤い怪獣バニラと青い怪獣アボラスを液化してカプセルに封じ込めたことが書かれていた。
またその頃、鉱物試験所では青い液体の容器に放電を行なっていた。そして、青い怪獣アボラスが復活を遂げる。
暴れ回るバニラとアボラス。そして両怪獣はオリンピック競技場に近付いていく。
科特隊は体勢を立て直して再び出撃する。
バニラとアボラスは戦い始めていた。競技場が瓦礫と化していく。
科特隊はその隙をついて攻撃を加える。やがてバニラが劣勢となり、アボラスの溶解泡の前に解け崩れてしまう。
だが科特隊の武器のエネルギーが無くなった。やむを得ず皆は退却し、ハヤタはウルトラマンに変身する。
アボラスのパワーとその溶解泡の前に苦戦するウルトラマン。だが、スペシウム光線3連発の前に、さしものアボラスも倒されたのだった。
今回、やたら皆が3億5千年前と連呼する。億単位なのに千年単位の正確な数値。第10話のモンスター博士と互角の凄さだ。
しかし古代において悪魔と恐れられた二大怪獣だけど、単に二匹いっぺんに出たというだけで、毎週出てる怪獣と強さは大して変わらないような気がするのだが…。
それに二匹で同士討ちしてるし、バニラはウルトラマンに会う暇もなくアボラスにやられてるし。
とは言っても、なんとウルトラマンはアボラスに対してスペシウム光線を3発も撃っている。アボラスってば、やたらしぶとい奴だ。
なお今回、久しぶりにマルス133を見られる。よく考えたら、確かに16話以降使う機会は無かったな。
しかしあっと言う間にエネルギー切れ。うーむ、耐久力に難のある武器だな。
耐久力に難があると言えば、今回のウルトラマンはカラータイマー点滅まで1分。それでスペシウム光線3発も撃ってるんだから、エネルギーが余ってるのか足りないのかよく分からん。
|
第20話 | 「恐怖のルート87」 | ヒドラ |
脚本 金城哲夫 特殊技術 高野宏一 監督 樋口祐三
ある晩、伊豆の大室公園で怪光が目撃された。科特隊は早速出撃する。
次の日、キャップ達が大室公園を調査している時、科特隊本部に突然見知らぬ少年が現れた。
少年はフジ隊員に、大室公園の高原竜ヒドラが暴れると言って出て行く。
だが、直後に入ってきたイデも入口の守衛も、そんな少年は見ていないと言う。
高原竜ヒドラ…それは大室公園に作られた怪獣の像の名前だった。それは全国からデザインが公募されたもので、当選したのはムトウアキラという少年だった。
イデとフジ隊員は早速調査を開始する。だがムトウアキラ少年は半年前に国道87号線でトラックにひき逃げされ、既に死亡していた。
そして少年の遺影を見たフジ隊員は驚愕する。本部に現れたのはその少年だったのだ!
その晩、大室山に地震が発生する。そして山の中から高原竜ヒドラが姿を現し、科特隊の攻撃を退け飛び去っていく。
そして次の日、ヒドラは国道87号線に現れ、車を襲いつつ東京に向かっていた。科特隊は再び出撃する。
その途中、ハヤタもアラシも、ヒドラに少年の魂がのり移ったのではないかと考えていた。
やがて科特隊はヒドラを発見する。科特隊はウルトラ作戦第2号を開始した。
2機のビートルがヒドラを攻撃する。だが、ヒドラの逆襲にあってハヤタとアラシのビートルが撃墜される。
しかし幸い、ハヤタが腕に怪我しただけで済んだのだった。ハヤタは避難所で治療を受ける。
アラシは囮の車を運転し、わざとヒドラに襲わせて車を爆破する。しかし、怒ったヒドラに追いつめられてしまう。
その頃、こっそり避難所を抜け出したハヤタはウルトラマンに変身した。
だが、ウルトラマンの動きは鈍い。ヒドラの獰猛なくちばしに苦戦を強いられてしまう。
そしてヒドラは天高く舞い上がる。スペシウム光線を撃とうとするウルトラマン。
しかしその時、フジ隊員にはヒドラの背に乗る少年の姿が見えた。そしてウルトラマンもまたそれに気付き、スペシウム光線を撃つのをやめてヒドラを見送る。空の彼方に消え去るヒドラ。
ヒドラは交通事故で死んだ少年達の化身かもしれない…。ヒドラの像を前にして、皆はそう語り合うのだった。
怪現象に対して科学的に接する姿勢を崩さない本作品の世界観の中にあって、なんともファンタジックな名作。
相手を倒さなかった話としては第15話も挙げられるが、第15話では大人の都合で少々偽善的だったウルトラマンも今回はさわやかにラストをしめくくっている。
しかしこの名作も、「ウルトラファイト」の手にかかればヒドラがウルトラマンをボコボコにして勝ち逃げするという作品に生まれ変わってしまう。
ああ、なんてこったい。
さて今回、伊豆大室公園と称されているのは実は特撮作品ではよく利用されている伊豆シャボテン公園。第5話も少しここが舞台になってたりする。
しかしこの、通称ヒドラの像(って勝手に決めるなよ)が映ってないから分からないだろうね。
この像自体をドラマに持ち込んでいるのはこの話くらいのものだろうけど、その他東映特撮なんかでもよく舞台にされているので要チェック。
伊豆シャボテン公園は特撮名所なのだ!
ところで、第1話で思わせぶりに言っていた「ウルトラ作戦第2号」、実は今回実施される作戦なのだ。
ここで結局ウルトラ作戦って何なのかって思うんだけど、どうやら上下2方向からの両面攻撃のことを指しているみたい。
まああんまり深いことは考えないで、ね。
なお、今回はカラータイマー点滅まで1分40秒。怪我してたし、まあこんなもんか。
|