| タイトル | 登場怪獣/宇宙人 |
第29話 | 「地底への挑戦」 | ゴルドン |
脚本 南川竜・金城哲夫 特殊技術 高野宏一 監督 野長瀬三摩地
日本一の埋蔵量を誇る金山から、全く金が取れなくなった。そして廃坑になったその金山から、怪獣ゴルドンが出現する。
ゴルドンは地底で主に行動する怪獣だ。だが科特隊では既に、イデが設計した地底戦車ベルシダーが完成していた。
科特隊はまず空中から攻撃を加えるが、ゴルドンはあっさり地底に逃げる。
そして科特隊は、金山の地下に逃げ遅れた人がいることを知る。キャップとイデはベルシダーで地底に潜る。
地底でなんとかその人を救出したキャップとイデ。なんとゴルドンが金を食べてしまったことが分かる。
そしてそこへゴルドンが近付いて来る。ベルシダーはなんとかこれを回避し、ゴルドンの後を追う。
再び向かってきたゴルドンを地上へ追い立てるべく、ベルシダーは攻撃を加える。しかしゴルドンの逆襲を食らい、ベルシダーは吹き飛ばされる。
地上に現れたゴルドン。ハヤタたちのビートルが攻撃を加えるが、ゴルドンの硬い表皮にはロケット弾も通じない。
ハヤタは地上に降り、至近距離から急所を狙うことにする。そしてフジ隊員が負傷したものの、アラシの砲撃が見事にゴルドンを捉え、ゴルドンは絶命した。
一方、ベルシダーが故障して地底に孤立していたキャップ達だが、なんとかイデが修理を済ませる。
だが地上に戻る途中、何かにぶつかってしまう。ゴルドンだ。ゴルドンはもう一匹いたのだ。
そしてそのせいで酸素タンクが破壊された。また更にゴルドンの攻撃を受け、ベルシダーは移動すらできなくなってしまう。
なおも向かって来るゴルドン。そこにベルシダーはただひとつ残った武器、地底魚雷を打ち込む。ゴルドンは地上に逃げ出す。
その時、ハヤタはウルトラマンに変身した。
ウルトラマンはゴルドンの長い尻尾に苦しめられるが、逆にその尻尾をゴルドンの首に巻き付け、ゴルドンの動きを封じる。
そして弱ったところへスペシウム光線を浴びせ、ついにゴルドンは倒れた。
地底で瀕死のキャップとイデ。もはや酸素は無い。だがそこへウルトラマンが駆けつけ、ベルシダーを持ち地上へと向かう。
かくして事件は解決したのだった。
怪獣やっつけ隊が地底で活躍するというのは、実はウルトラシリーズでは意外と珍しい。
地底戦車というのはかなり強烈な印象を残すのでメジャーなパターンのような気もするが、実際のところは地底戦車というのはシリーズ中で一回しか出てこないとかいったことが多いのだ。
今回のベルシダーもそのパターン。
なお、新メカが登場するだけでなく、その他でも今回は結構豪華な話となっている。
なんと最後、ゴルドンからは150トンの純金が取れたというじゃありませんか。いやー、景気のいい話ですねえ。
…って、そういうことじゃなくて。
なぜか科特隊の攻撃であっさり死んでしまうゴルドン。ウルトラマンの出番がねえじゃねえかと思いきや、なんとゴルドンはもう一匹いた!
二匹いると言われると、別に着ぐるみが二つあるわけでもないのになんだかお得な気分になってしまう。
こういうパターンの話は今までなかったしね。
しかしそのゴルドン、2匹で150トンの金が取れたということは、1匹当たり75トン。…あれ?
ゴルドンの体重は6万トンだから、体重の0.1%程度!?
全身金色に輝いてるくせにたったそれだけかよ! 詐欺だぞ、詐欺!
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第30話 | 「まぼろしの雪山」 | ウー |
脚本 金城哲夫 特殊技術 高野宏一 監督 樋口祐三
スキー客でにぎわう山。その近くにある飯田山で、一人のベテラン猟師が遭難した。
その猟師は、ウーを見たと言った。
いつも猟師の邪魔をする雪ん子と呼ばれる少女。男は猟の途中でその雪ん子に出会い、彼女をこらしめようと追いかけ始めた。
すると少女は、ウーに助けを求めた。その時、雪山の中から伝説のウーか現れたのだと言う。
本当にそんなものがいればスキー客にも不安を与える。事件は科学特捜隊に通報された。
ハヤタ、アラシ、イデの三人は飯田山へと向かう。
飯田山は夏でも雪に覆われている不思議な山だった。山岳救助隊もウーを恐れて山には入ろうとしないのだ。
三隊員はスキーで飯田山に調査に向かう。だが途中で雪に穴が掘られており、ハヤタが穴に落ちて捻挫してしまう。
その犯人は雪ん子だった。イデは雪ん子を問い詰めるが、ウーは怪獣じゃないと言われて逃げられてしまう。
15年前の大雪の夜、村で行き倒れていた親子。母親は既に死んでいたが、赤ん坊の方は雪の中でも生き延びていた。その子が雪ん子だ。
そのことから雪女の子と言われて疎ましがられていた彼女は、今回の一件で完全に孤立してしまったのだ。
次の日、山にウーが現れる。パニックを起こすスキーヤー達。
アラシとイデは攻撃しようとするが、雪ん子がそれを阻止する。ウーをなだめる雪ん子。すると、なんとウーは山に帰る。
しばらくして、酔った猟師が穴に落ちて凍死しているのが発見される。猟師達は雪ん子の仕業と決め付け、雪ん子を追い出そうと決起する。
片やアラシとイデはウーを退治するよう依頼されていたが、快く引き受けるアラシとは裏腹に、イデはウーをそっとしてやりたいと思っているのだった。
しかし本部命令で、アラシとイデはビートルで出撃する。その頃、雪ん子は猟師達に追われていた。
そして猟師に捕まりそうになった時、雪ん子はウーを呼ぶ。その時、突如ウーが出現した。
攻撃するビートル。しかしウーの逆襲を食らい、不時着してしまう。
そして暴れ出したウーはスキー場を襲い始める。静養していたハヤタはウルトラマンに変身する。
戦い始めるウルトラマンとウー。やがてウルトラマンはスペシウム光線を撃とうとするが、その時雪ん子がウーを呼ぶ声が響く。
そしてウーは、幻のように消え去った。雪の中には、雪ん子が静かに横たわっていた。
ウーは、そして雪ん子までもが、雪山の幻だったのではないか…?
そんなことを考えるイデたちであった。
ファンタジックな名編。なんだか
「ウー!ウーよぉ!」
というセリフが耳について離れない。
ちなみにこのウーとは、「ウルトラQ」の前企画であるWOOの名前を使ったものである。
そして今回からウルトラマンはいよいよCタイプマスクが登場。
地球暮らしも長くなり落ち着いてきたためか、温和な顔付きになったようだ。
最初の頃、ストレスから来る吹き出物でひどい顔だったのとは大違い。あの頃はピリピリしてたからなあ。
今みたいな時にバルタン星人が最初にやって来たなら、皆殺しにされずに済んだろうに。(笑)
えー、話の方だけど、今回もやっぱりおいしいところを持っていくのはイデ。
母親を早くに亡くしていたイデは雪ん子に共感してしまい、ウー退治に否定的になってしまう。
そしてそれを非難するアラシ。
「怪獣は所詮、人間社会には入れてもらえない、悲しい存在なんだ」
んー、鋭く厳しいセリフですねえ。だがそれが現実だ。アラシもなかなかいいセリフあるじゃん。
なお、主人公のはずのハヤタ。今回は捻挫のため戦闘には参加せず待機。な、なんだか情けないぞ。
それと一言付け加えておく。明確な説明はないけど、最後に雪ん子が追いかけられる原因となった、猟師が落ちた穴。
画面の様子から察するに、これは話の前半で、子供達が雪ん子を落とすために掘った穴だと思われる。
自分が落とされた穴のせいで追われてしまう雪ん子の悲しさ。差別、偏見、いやなもんですねえ。
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第31話 | 「来たのは誰だ」 | ケロニア |
脚本 海堂太郎 特殊技術 高野宏一 監督 樋口祐三
科特隊南米支部の隊員だった父を早くに亡くし、20年ぶりに日本に帰還したゴトウ隊員。
しかし彼の前ではライターやマッチの火がつかなくなったりと、なんとも奇妙な感じだった。
イデやアラシはなんとなく彼を怪しむ。
また彼は科特隊の建物を構成する鉄筋の中に特殊合金が加えてあることをフジ隊員に語っていた。
これは科特隊の極秘事項だ。そんなことを軽々しく口に出すことを不審に思ったキャップは、彼の身元を問い合わせようとする。
だが、通信機は正常なのにボリビア支部との連絡は全く取れなかった。
一方あちこちで、急速に成長する不気味な植物が発生するという事件が起きていた。
専門家の二宮博士に話を聞きに行った科特隊は、そこで不思議な植物の話を聞かされる。
自ら移動でき、動物の血を吸って生きる植物の話を。
今あちこちに発生している植物にそっくりなその吸血植物ケロニアは、20年前の南米でゴトウ博士によって発見されたのだった!
その頃、ゴトウ隊員の様子をうかがっていたフジ隊員はタンスの中から現れた怪物に襲われてしまう。
そこでゴトウ隊員の部屋を調べたハヤタは、ゴトウ隊員の荷物の中に謎のうごめく植物を発見する。
二宮博士が調べたところ、それは20年前より遥かに進化して高等生物となったケロニアだった。
夜、ゴトウ隊員は二宮博士を襲撃する。その正体はケロニアだった。だがそこへハヤタが駆けつけ、ケロニアは逃げ出す。
そしてケロニアは巨大化する。またその頃、人間を征服すべくケロニアのエアーシップが各地に迫りつつあった。
ハヤタはウルトラマンに変身する。片や科特隊はビートルで出撃し、ケロニアのエアーシップを迎え撃つ。
ウルトラマンはスペシウム光線を放つが、ケロニアには通じない。
ピンチになるウルトラマン。しかしウルトラマンは新技・アタック光線でケロニアを粉砕する。
そして間髪を入れず空に飛び立ったウルトラマンは、ケロニアのエアーシップを全て粉砕するのだった。
ゴトウ隊員の父親が20年前ケロニアを発見したことから全てが始まった。
…あれ? ゴトウの父親って科特隊ボリビア支部の隊員だったんだよな。
すると20年前から科特隊は存在していた!?
そ、それじゃあ明らかに「ウルトラマン」の前の時代の話である「ウルトラQ」とのつながりはどうなる!?
「ウルトラQ」には科特隊らしき存在は全く出てこないぞ!
- 「ウルトラQ」は「ウルトラマン」の少なくとも20年以上前の話である。
- 実は科学特捜隊の日本支部というのは最近できたものである。
…2番かな? う〜む、謎だ。
そして今回ウルトラマンは、最初で最後のアタック光線を披露。
ウルトラマンの光線技のレパートリーは少ないだけに、これは貴重だ。
しかし、アタック光線てなんじゃらほいと言われると、私にも分からんのだが…。
とりあえずスペシウム光線が通じないケロニアも、アタック光線でなら倒せるらしい。
しかし実はケロニアは、幼生時代だとよく燃えるらしい。冒頭でマッチやライターが消えていたのは火を嫌うゴトウが消していたため。
それで事件解決後、街に生えていたケロニアをよく燃えるというので近所の主婦達が細切れにして持って帰ったそうな。
一応怪獣なのに、気持ち悪くないのか? 主婦、恐るべし。
なお、二宮博士を演じるのは「ウルトラセブン」のキリヤマ隊長こと中山昭二。
おお、科学特捜隊とウルトラ警備隊の隊長との夢の共演だぜ。
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第32話 | 「果てしなき逆襲」 | ザンボラー |
脚本 藤川桂介 特殊技術 高野宏一 監督 鈴木俊継
科特隊インド支部から日本での休暇を楽しむためやってきたパティ隊員。ハヤタはインチキくじでそのエスコート権を勝ち取り、彼女のお供をすることになった。
しかし、開発が進む宮の森で突如大火災が発生。科特隊は早速消火に向かう。ハヤタも呼び出されてしまった。
現場を調査するハヤタとパティ。なんと温泉でもないのに川の水がお湯になっている。そして時折発生する地震。
そして鬼山に怪獣が出現し、化学工場を襲う。たちまちの内に炎に包まれる工場。怪獣ザンボラーは高熱を放つのだ。
そしてその付近に来ていたハヤタはもちろん休暇中のパティまでも、ザンボラーを迎え撃つ。
やがてビートルが到着。火事は消火されたが、ザンボラーはその間に姿を消してしまう。
森を焼き払い、工場群を次々と襲ったザンボラーは、開発を進める人間に対する復讐のため動き出したのだろうか…。
科特隊は防衛軍に出撃を要請し、ザンボラー出現に備える。
片やハヤタも、パティには東京へ戻るように言って一人ザンボラーを探す。
果たしてザンボラーは東京へと向かいつつあり、ハヤタはいち早くそれを発見する。
ハヤタはウルトラマンに変身…と思ったが、パティが休暇中でも自分は科特隊員だと言ってそこへやって来る。
ザンボラーを迎え撃つ防衛軍と科特隊。激しい猛攻を加えるが、ザンボラーを止めることはできず、防衛軍の戦車は次々と炎上する。
ビートルはイデが発明した冷凍弾を撃ち込む。動きが鈍るザンボラー。
科特隊は地上攻撃を開始する。参ってしまったパティは、ハヤタに先に行くよう促す。
ハヤタは今度こそウルトラマンに変身する。
ザンボラーの発熱攻撃の前にはウルトラマンもたじろぐ。
しかしウルトラマンはザンボラーを投げ飛ばし、動かなくなったところをスペシウム光線でとどめをさす。
せっかくの休暇が早くも大変なことになったパティ。
しかしパティは結構機嫌がいい。もう日本の名物を三つも見たからだ。
それは、地震・怪獣・ウルトラマンだそうである。
冒頭のインチキくじ。ありがちな、当たりの入っていないくじを全員に引かせて自分が当たったことにするというもの。へぇー、ハヤタもそういうことするんだ。
なお、パティ隊員のエスコート役を決めるこのくじを引く時。フジ隊員は淡々としていたが、イデとアラシは当たれ当たれ〜と思いっきり気合を入れていた。
これだから男って奴は…。
ちなみに、そのパティ隊員を演じるのは真理アンヌ。
隊員と言いつつスーツ姿でしか登場しなかった前回のゴトウとは異なり、日本支部の面々と同じく普段のブルーの制服と戦闘時のオレンジの隊員服を披露している。
また今回、ちょっと意外なのが科特隊の出動。
なんと山火事が起きたというので出動し、消火活動を行なうのだ。
結果的に怪獣が出たからいつものパターンになるんだけど、科特隊って消防署の助っ人もやるのか。知らなかった。
ところで今回のサブタイトル。ちょっと意味不明なんだけど、科特隊の面々の説明くさいセリフによれば、自然の開発を続ける人間達に逆襲するためにザンボラーは現れたのだそうだ。
「いやぁー、今の東京は、自然を失うことの代償で世界の都会になったんだ」
なんてキャップも言ってるし。ん〜、その台詞の内容自体は認めるけど、ザンボラーってばところ構わず焼き尽くして、山火事なんかも起こしてたぞ。
自然開発に対する逆襲というのはちょっと違うのではなかろうか?
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