| タイトル | 登場宇宙人/怪獣 |
第17話 | 「地底GO!GO!GO!」 | ユートム |
脚本 上原正三 特殊技術 大木淳 監督 円谷一
炭坑で落盤が起き、炭坑夫の薩摩次郎が生き埋めになった。落盤の原因に不審な点があることなどから、ウルトラ警備隊に出動が要請された。
次郎はかつて、登山中に200mの高さから落ちて無事に帰ってきたミラクルマンだという。ダンは透視してその青年を見たが、それはセブンが地球に来た時に出会った青年だった。
彼は登山中、自分を犠牲にして仲間を救おうとした勇敢な若者だった。そこでセブンは彼を救い、彼の姿をモデルにして地球人の姿となったのだ。
次郎はダンの分身だ。ダンは彼を救うべく、地底への出動を志願する。そこでマグマライザーが出動する。
地底1000mまで潜り、次郎のいる場所に行こうとするマグマライザー。だが途中で炭坑の空気口がふさがってしまい、次郎が危機に陥る。
マグマライザーは火山の風穴を通って急ごうとするが、途中で謎の人工の壁に行く手を阻まれてしまう。
なんとか壁を爆破するダン。しかし壁の向こうに現れたのは、巨大な地底都市だった。これが落盤の原因の地震を起こしていたのだ。
そしてダンを探すソガたちを謎のロボットが襲う。ソガたちはロボットを倒し、地底都市に侵入する。が、無数にいるロボットのため思うように動けない。
やがて目覚めたダン。ダンは自分がロボットに囚われていることを知り、なんとかウルトラセブンに変身する。
セブンは次郎を救い、マグマライザーに運んだ。一方のソガたちは基地に爆弾をセットする。
ダンは皆と合流し、マグマライザーは無事に地上へとたどり着く。
こうして次郎は助かり、やがて基地は爆発したのだった。
ついに明らかになったモロボシダン誕生秘話。とか言いつつ、別にそれを語るのがメインである話じゃないのだけれど。
まあそこら辺がセブンらしいといえばセブンらしい。なおついでに言うと、マグマライザーの初登場でもある。
今回分かる通り、セブンはマンのように地球人と一心同体になったわけではなく単に薩摩次郎の姿をコピーしただけなんだけど、ところが今回登場するどの人も、ダンと次郎が同じ顔であることを全く指摘しない!
皆、ダンの目の前で次郎の話をしてるんだけどなあ。…あ、さては、ウルトラ警備隊の隊員なんていう、おっかない人達の顔はまともに見なくないからちゃんと見てないのでは?
ある意味では軍隊より恐い連中だからなあ、なるほど。…って、ホンマかいな。
ちなみに次郎が救い出された時、次郎は目をやられていたので目にタオルを巻いていた。
なるほど、これならウルトラ警備隊の面々も次郎の顔には気付かないだろう。さてはタオルを巻いたのはダンだな。なかなか考えてる。
で、今回の敵ユートムは、地底都市の番人ロボット…のようなんだけど、対するウルトラ警備隊、またしても凄い行動を取る。
これについては、最後に都市が爆破されるところで流れるナレーションが全てを物語っている。この地底都市は、
『宇宙人の侵略基地だったのでしょうか?』
『地底人類の文化都市だったのかもしれないのです』
…つまり、この地底都市は全く正体不明なままウルトラ警備隊に破壊されたのだ!
なんと彼らは地底都市が地震の原因だと勝手に決めつけて破壊することを決定している。
しかもソガ、アマギ、アンヌの3人だけで、隊長の判断も仰がずに!そもそも地震の原因だとしても、どうして破壊しなきゃならんのだ? 敵ロボットがいたから?
確かに警備隊の面々はユートムに攻撃されたんだけど、実はユートムに攻撃したのは警備隊の方が先!そしてユートムの光線をまともに手に食らったソガは、その後もピンピンしてウルトラガンを撃っていた。
つまりユートムの光線は全然威力がないのだ!殺傷能力のない、ただの麻痺光線かもしれないぞ!ホントに抹殺しなきゃならんほどの敵なのか、これが?
邪魔なものはとりあえず破壊する…なんて恐ろしい連中だ。私ゃこんな恐ろしいウルトラ警備隊の連中とは目を合わせたくないぞ。
だからまともに隊員の顔なんか見ない。…あ、するとさっきの仮説はやっぱり正しいのね。(ホントか?ホントなのか?)
そしてダン。ダンには若気の至りな部分があることは今までにも述べたが、今回もそれが現れている。
ホットプレート(ぉぃ)で焼かれそうになったダン、取られてしまったウルトラアイを手元に引き寄せて変身する。
どうやって手元に引き寄せたのか原理がさっぱり分からんのだが、それはともかく。なんと変身するや、ユートムにいきなりワイドショット!
…あのー、ユートムってウルトラガンでも倒せるほど弱っちい奴なんですけど、どうして最強の技ワイドショットを?
うむこれはね、殺されそうになったので、ちくしょー!俺を殺そうとしやがったな!ブッ殺してやるぜ!という具合にキレたからなんだよ。若いねえ。
あ、ちなみにセブンに向かってユートムが放った光線、ホットプレート(違うってば)に当たったらなんと跳ね返った。
や、やっぱり全然威力がない光線じゃないか。きっとこの地底都市、平和的な連中の住みかに違いないぞ。
というわけで今回は、平和な都市を自分勝手な理由で破壊する恐ろしい侵略者の話でした。
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第18話 | 「空間X脱出」 | ベル星人、グモンガ |
脚本 金城哲夫 特殊技術 大木淳 監督 円谷一
ウルトラ警備隊の特別訓練でスカイダイビングが行なわれた。だがアマギとソガが、ダイビングはしたものの隊長達の元にやって来ない。
やがて気絶していたアマギは気付き、自分が見知らぬ森の中にいることを知る。そして彼はソガのメッセージを見つける。
「この森は普通の森ではない」と。
警備隊が懸命に捜索する中、アマギは底なし沼でソガを発見する。そして二人はなんとか本部と連絡を取るが、不気味な音と共に二人からの連絡は途絶える。
二人の連絡を元に捜索が更に続けられるが、その場所は発見出来ない。やがて再び二人からの連絡が届き、彼らがベル星人の擬似空間に捕らえられていることが分かる。
大蜘蛛グモンガに襲われるソガとアマギ。隊長はホーク1号を発進させ、二人のビデオシーバーの信号をたどって擬似空間に突入する。
そして間一髪、グモンガに襲われていた二人は救出される。ダンは自分が囮になって二人を退避させる。
なんとかグモンガを倒したダン。だが、そこに現れたベル星人の怪音波がダンを苦しめる。ダンはかろうじて変身する。
変身しても怪音波に苦しめられるセブン。しかし空中戦に持ち込み、ベル星人を撃墜する。
ついに擬似空間は破れた。ホーク1号は消えゆく擬似空間からかろうじて脱出し、セブンもβ号に乗り込んで全員無事に帰還したのであった。
ウルトラ警備隊は月に一度特別訓練をするそうだ。
ウルトラ警備隊ともあろう者がスカイダイビングくらいで何が特別なのかよく分からんけど、隊員全員がパトロールもせずに訓練するというのは確かに特別かも。
そしてアマギはダイビングが苦手らしい。ソガいわく、電子計算機ばかり相手にしてるから、だそうだ。うーむ、言葉が時代を感じさせるなあ。
そして謎の森でソガのパラシュートを見つけたアマギ。そこには暗号でメッセージが書かれていた!
どうしてわざわざ書くのも面倒な暗号を使うのかよく分からんが、普段からそういう訓練を受けているということか。
警備隊のメッセージが宇宙人に読まれたりしたらいかんからね。
そしてベル星人との戦い。その怪音波に苦しめられるダンは、なんとウルトラアイを持たずにセブンに変身する。
多分ウルトラアイは胸ポケットに入れたまま。う〜む、そんなのあり?
でも、人間を超える能力を持ってるというのも辛いものがあるよね。
基地でアマギたちの通信を受けてた時、ダンは真っ先にベル星人の怪音波をキャッチしてしまい、周りの人が平気な顔をしているのに一人耳をふさいで苦しそうにしてた。
マナベ参謀が真面目に擬似空間の話をしている後ろで一人苦しそうにしているダンが、かわいそうというか笑ってしまうというか…。
いや、笑っちゃ失礼だけどさ。まあ、色々大変なんだから、ウルトラアイを手で持たなかったくらいはかんべんしてあげよう。
しかしこれはかんべんできないなあ。ウルトラ警備隊の皆さん、セブンの活躍で擬似空間が消えそうになった時に、あっさりダンを見捨てて脱出することを決定する。
反対してたのはアンヌ1人。その他の面々は、何の葛藤もなく決めてしまっているのだ。
苦汁の決断を迫られたという雰囲気でもなく、非情の決断をあっさり下してしまうウルトラ警備隊。
さすがは過激派侵略者集団だ。(ぉぃぉぃ)
ちなみに、前回もそうだったんだけど今回も、フルハシの出番がほとんどない。
スケジュールの都合だろうか?
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第19話 | 「プロジェクト・ブルー」 | バド星人 |
脚本 南川龍 特殊技術 的場徹 監督 野長瀬三摩地
宮部博士が手がけているプロジェクトブルー。それは月と地球を磁力線の網で覆う地球防御バリアを作るという壮大な計画だった。
そしてその宮部博士は、妻のグレイスの誕生日のために休暇を取って自宅に帰っていた。
翌日、妻が出かけた後でくつろいでいた博士は謎の怪人に捕らわれる。その怪人はバド星人と名乗り、地球を爆破すると言う。
そして自分達の宇宙船が入って来られるようするため、プロジェクトブルーの書類を渡せと言うのだ。
バド星人は博士に拷問を加えるが、それが効かないと見るや、グレイスの命を盾に博士を脅迫する。
一方ウルトラ警備隊では、宮部家の電話が通じないことに不審を抱き、ダンとアンヌが調査に出た。
そして二人はバド星人に教われているグレイスを発見し、彼女を助ける。
だが博士はどこに? ダンはセブンに変身し、バド星人の円盤を発見する。
そして円盤が逃げるのを阻止したセブンの前に巨大化したバド星人が現れる。
しかしセブンはバド星人を倒し、博士を救出する。そしてバド星人が置いていった爆弾も処理し、事件は解決したのである。
今回登場する宇宙人は、自ら宇宙の帝王と名乗るバド星人だ。恥ずかしげもなく自分で名乗るだけのことはあって、凄い奴である。
まず地球に来た時、宇宙人がよく通るコースにたまたま試験的に張り巡らせてあったバリアに引っかかって宇宙船をひとつ失ってしまう。
ゴキブリホイホイにかかるゴキブリか、こやつは。ちなみになぜ引っかかってしまったかというと、まだ完成しているとは思っていなかったからだ。
この余裕!さすが帝王だね。
そして博士を脅迫すべくその妻に魔手を伸ばす卑劣さ。襲うのに夢中になってダンとアンヌが家に入ってきたことにも気付かないほどだ。
二人はドアを破って入ってきたのだが。女性を襲うのが趣味なのかしら。
更に、ウルトラセブンの出現を知った時。さすが帝王!さっさと逃げようとする。この賢明さは他の宇宙人では及びもつかない。
また、セブンと戦う羽目になってしまった時。おお、足元の小岩を拾ってセブンにぶつけてるぞ。
臨機応変に周りのものを武器にしてしまうとは。恐るべき強敵だ。
そしてそれだけかと思いきや、いきなり懐(ってどこだ?)から針のついた凶器を取り出してセブンの顔面を攻撃し始める。
武器はないと油断させておいて凶器攻撃!こんな宇宙人、私は見たことないぞ。さすが宇宙の帝王、風格があるなあ。
なお、バド星人を倒した後、爆弾を回収しようと帰ってきたセブンにアンヌいわく、
「ウルトラセブン、ダンがいないのよ〜」
ん〜、宇宙人来襲よりダンの方が心配なのかな〜、アンヌさぁん。このっ、このっ。
しかしそんなこと言われても、意味不明にうなずくしかできないセブンであった。
ちなみにバド星人が捜し求めていたプロジェクトブルーの書類は、なんと妻にプレゼントした服に、光を当てると浮き出る特殊インク(?)で書きこんであった。
な、なぜそんなところに!? 秘密にするのは分かるけど、マイクロフィルムにでもして服に縫い込む方が簡単かつ安全では?
うぅむ、天才の考えることは分からんなあ…。
また今回、アマギとソガはプロジェクトブルーの警備のため月に行っているということで、全く登場しない。前回、目立ちすぎたしねー。
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第20話 | 「地震源Xを倒せ」 | シャプレー星人、ギラドラス |
脚本 若槻文三 特殊技術 的場徹 監督 野長瀬三摩地
謎の地震が頻発していたため国際核研究センターの岩村博士に意見を伺いに行ったダンとソガは、頑固者の博士に追い返されてしまう。
そして震源地が青沢山岳地帯と分かり、再びダンとアンヌが博士を訪ねることになる。が、博士は既に現地に出発した後だった。
そこでフルハシを加えた3人も現地に飛ぶ。
3人と合流した博士は地球の核を構成するウルトニウムが地表で発見されたことを知り、何者かがウルトニウムを奪って地球をバラバラにしようとしているのではないかと恐れる。
そこでウルトラ警備隊は調査のためマグマライザーを発進させる。地中を掘り進むマグマライザー。その途中、ダンたちは謎の鳴き声を聞き、また地上との連絡が途絶える。
一方、地上で待機していたアンヌは、博士の影が宇宙人であることを知り、助手の榊と共に逃げる。
が、榊が落としたものを見た岩村博士は、それが地球の金属ではないことを見抜き榊を問い詰める。
そう、榊こそが宇宙人、シャプレー星人だったのである。だがアンヌとソガの連携攻撃によって、シャプレー星人は炎の中に消える。最後にギラドラスの名を呼びながら…。
そして地上に現れた怪獣ギラドラス。こいつこそがウルトニウムを奪っていた張本人だ。そしてその時の衝撃で、マグマライザーはマグマのたまった空洞に落ち込んでしまう。
高温で倒れゆく中、ダンはかろうじてセブンに変身する。
マグマライザーを地上に運び、ギラドラスと戦うセブン。セブンは天候を自在に操るギラドラスの攻撃に苦戦するが、起死回生のアイスラッガーでギラドラスを倒す。
そして空は晴れ渡り、皆は無事に帰還したのであった。
いきなり核の研究センターなんて出てきて、核爆弾か原子力発電か、なんて思ったりしたけど、原子核じゃなくて地球の核だそうだ。
まぎらわしい名前つけるなよぉ。
その核を構成すると言われるウルトニウムを地表で発見した二人組。
ラリーの途中だという女性二人だが、方向音痴のため道に迷ってしまったとか。
方向音痴のくせにラリーなんかに出るなぁ!
えーまあ、そういったことはともかく。マグマライザーのお話。
ウルトラシリーズの怪獣やっつけ隊の地底メカというのは、シリーズ中せいぜい1回か良くて2回くらいしか出てこないのが相場である。
が、マグマライザーは3回以上登場して活躍するという、非常に恵まれた地底メカなのだ。
今回もその活躍が見られる。…とか言いつつ、単なるヤラレ役だったりするけど。
ギラドラスのせいでマグマに突っ込んでしまい、内部温度が大上昇。
その温度、なんと50度!これにはさすがのダンも参った!
…けど、実は最終回でダンの体温は90度にまで上昇するんだよねー。
それでもがんばってパトロールに行ってたくらいなんだから、50度くらいホントはなんてことないはずなんだが。
今回は根性が足りなかったのかもしれんねぇ。軟弱者め。
なお、本編とは全然関係ない話だが、一峰大二が描いていたコミック版ウルトラセブンにおけるこのエピソードでは、シャプレー星人と称してなぜかバド星人が登場していた。
渡すデザインを間違えたか何かだと思われる。
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