| タイトル | 登場宇宙人/怪獣 |
第33話 | 「侵略する死者たち」 | シャドウマン |
脚本 上原正三 特殊技術 高野宏一 監督 円谷一
世界各地の秘密防衛基地の所在を示すマイクロフィルムが極秘裏に運ばれてきて、防衛軍の金庫室に収納された。
一方その頃防衛軍周辺で、身元不明の人間が突如車の前に飛び出し、メディカルセンターに運ばれるとすぐ死んでしまうという奇怪な事件が起きていた。
が、調査の結果、それは病院から盗み出された死体であることが分かった。死体がなぜ動き出し防衛軍に接触してきたのか。
隊長はダンに死体の監視を命じる。
その夜、防衛軍基地内部を謎の影が徘徊していた。そして厳重な警戒の金庫室からマイクロフィルムがたやすく盗まれてしまう。
まさしく動いているのは影だけなのだった。ダンは死体が怪しいとにらみ、死体を調べる。
何者かが死体を操っているらしい。ダンはセブンに変身して敵を迎え撃とうとするが、謎のガスを浴びて小さくされ、コップに閉じ込められてしまう。
セブンはわざと火事を起こし、警備隊の面々を呼んで難を逃れる。
が、その隙に影は司令室に忍び込み、マイクロフィルムの内容を電送してしまっていた。
警備隊はその送信先をつきとめるが、電波はそこから更に宇宙へと飛んでいた。ダンはホーク2号で宇宙に飛ぶ。
果たしてそこには敵の宇宙ステーションが存在した。ホーク2号はその攻撃を受けて爆発してしまう。
そして宇宙ステーションからは次々に円盤が発進する。が、そこに現れたウルトラセブンが円盤を迎え撃つ。
だがセブンは円盤に包囲され、宇宙ステーションに捕らえられてしまう。
そこに駆けつけたホーク1号。円盤群を蹴散らしつつ、ホーク1号はセブンを救出する。
そしてセブンとホークの連携で、宇宙ステーションと円盤は全て粉砕されたのだった。
円盤とかは出るんだけど、着ぐるみが全然登場しない話。
この時期、予算が切迫していた円谷プロとしては、着ぐるみが登場しない話を必要としていたのだ。
今回はそんな一編。
まあがんばってはいるんだけど、死体の影が動くだけということで、地味な話になってる。
子供が見ても全然面白くない話じゃなかろうか。はっきり言って、私は子供の頃見ても全然面白くなかった。
そして今回はセブン自身、コップに閉じ込められる、あっさり敵円盤に捕まってしまう、とまあ、かなり情けない。
その分、セブンを敵から救出したり円盤をことごとく破壊したりといったウルトラ警備隊の相変わらずの活躍が光る…かな。
コップに閉じ込められたセブン、エメリウム光線で薬瓶を破壊し、わざと火事を起こして警備隊の面々を呼び、そうとは知らぬ面々がコップを蹴っ飛ばしたために無事脱出する。
火事を起こしたり蹴っ飛ばされたりってのはなんだけど、まあコップを通して薬瓶を破壊するとはなかなかの頭脳プレイ。…って、ちょっと待て。
ガラスのコップは透過するのに薬瓶は破壊できるエメリウム光線って、一体何者!?
そして最後、無事に戻ってきたダンを皆は暖かく迎えるのだが、あのー。
ダンさん、仮にもホーク2号を完全破壊されているわけですよね。
ホークが完全に破壊されるのは非常に珍しいのだがそれはさておき。
本件について当然報告書だか始末書だかを書くのだと思うんですが、どうやって帰ってきたのかについて何と報告したんでしょう。ぜひ知りたいものだ。
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第34話 | 「蒸発都市」 | ダンカン |
脚本 金城哲夫 特殊技術 高野宏一 監督 円谷一
パトロール中、不審な工事と車を見つけ発砲されたダンとソガは、それを追っている内にポインターもろとも蒸発してしまう。
そして、白昼に次々とビルが消滅するという事件が発生。調査に出かけたアマギとキリヤマは、広大な空き地の中に謎の泡を見つける。
一方フルハシとアンヌはタケナカ参謀と共に、霊媒のユタ花村に会いに行く。今度の蒸発事件に関わる話があるというのだ。
すると、ユタ花村の口を通じて謎の宇宙人が語りかけてきた。一時的に地球に滞在するため、ビルなどをもらったと言うのだ。
そしてダンとソガは、邪魔をさせないための人質だと。
ウルトラ警備隊は宇宙人の居住区を見つけるべくパトロールを開始する。やがてフルハシとアンヌは、平野に突如現れたビル街を目撃する。
そして二人はビル街に駆けつけ、町の人々やソガが硬直しているのを目撃する。
アマギとキリヤマも駆けつけるが、宇宙人は警備隊が約束を破ったとして、ダンを操りセブンに変身させて破壊を開始する。
セブンが暴れる中、フルハシは宇宙人の司令室を発見し、宇宙人を倒して部屋を破壊する。
すると泡と化した宇宙人が町に現れ、怪獣ダンカンとなる。我に返ったセブンはダンカンと対決する。
ダンカンの素早い逃げ足に翻弄されるセブンであったが、やがてエメリウム光線でダンカンを倒し、ダンカンは再び泡となって消えた。
そして人々も元に戻ったのである。
ビル街が消えた現場をパトロールするアマギとキリヤマ。ただっ広い空き地の中に謎の泡を見つける。そこで隊長、一言。
「よし、撃ってみろ」
正体不明のものをいきなり撃つな! あ、相変わらず過激な人だ。
そしてウルトラ警備隊、宇宙人の言い分が不審だというので、ソガとダンが人質にされているのにも構わず宇宙人の捜索を開始する。
例によってムチャクチャな連中だ。こいつら相手に人質など意味無し。
そして宇宙人、居住区を発見されると怒ってダンをセブンに変身させ、警備隊を襲わせる。
…それだけならいいんだけど、セブン、ビル街も壊し始める。
町を壊すセブンの図というのもなかなか新鮮でいいんだけど、おい宇宙人。
ここはお前達の居住区ではないのか? 自分の居住区をセブンに破壊させるとは、お前ら一体…。
警備隊と話すのに霊媒(演じるは真理アンヌ)を使うというところも変だが…。
そして正気に戻ったセブン、ビルを壊しつつも(あ、正気に戻っても壊してるじゃん)ダンカンを倒す。
かくしてめでたしめでたし…ってちょっと待て。
平野に移されてしまったビル街はどうなるんだ。周りにホントに何もないところだぞ。
ナレーションではこの方がいいかもしれないなんて言ってたけど、そんな甘いもんじゃねえだろ〜。
これだけ大規模だとまさかビルを元通り移転させるわけにもいかんよな。すると町がここに引っ越すということか。
ああ、せっかくのどかな緑の地なのに、おそらくたちまち周りに鉄道やら道路やら住宅地やらができるんだな。
かくしてゴミゴミした都会が新たにできるのだろう。こういう暗示を残したラストなのでした。(そうなの?)
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第35話 | 「月世界の戦慄」 | ザンパ星人、ペテロ |
脚本 市川森一 特殊技術 高野宏一 監督 鈴木俊継
月基地で原因不明の爆発が起こった。調査のためキリヤマとダンがホーク1号で飛ぶ。また、V3からはクラタ隊長とシラハマ隊員が出動した。
だがホーク1号では謎の異常発生が相次ぎ、ついに通信まで不能になってしまう。
そしてその妨害電波は、クラタのステーションホーク内部から発信されているのだった。
ホーク1号はなんとか月面に着陸する。
一方クラタは既に着陸して調査を進めていた。が、基地の破壊は単なる爆発ではなさそうだった。
そして調査中、シラハマはクラタに襲いかかる。シラハマは偽者だった。
3年前、キリヤマとクラタに全滅させられた宇宙艦隊の生き残りのザンパ星人だったのだ。
やがてキリヤマとダンも到着し、二人はザンパ星人の正体を見抜いて、これを倒す。
すると、突如地響きと共に怪獣ペテロが現れた。こいつが基地を破壊した張本人だ。
ペテロはホークを狙って動き始める。そこでダンはセブンに変身して応戦する。
しかし、すぐに月の夜がやって来た。零下180度の夜が。セブンはたちまち力を失い、苦戦する。
が、そこに隕石が落ちてきた。その爆発のエネルギーを得て、セブンは復活した。ワイドショットがペテロを一撃で葬り去る。
そして3人は無事に帰還したのだった。
ホーク1号で月面に飛ぶキリヤマとダン。あ、ホーク1号って宇宙でも飛べたのね。
そう言われれば今まで何回も宇宙まで飛んでたような。
そして遠隔指示器という怪しい機械を使うシラハマ。簡単に言えば物体遠隔操作装置なのだが、その操作方法が全く不明。
なんかダイヤルみたいなのを動かしてるだけで、目の前のポットからはるか離れたホーク内部の機器まで自在に動かせるらしい。
どういう操作方法なんだ。
それでシラハマのせいでホーク内部で各種機器の調整値の異常が多発し、点検を怠ったとしてダンが隊長に怒られる。かわいそう。
しかし隊長、宇宙空間を航行中にタバコ吸っていいんですか? 私ゃそっちの方が責められるべきだと思うのだが。
そして月面基地に着いて、V3の二人と合流。そこで、クラタの銃がないこと、シラハマが遠隔指示器を作動させていることから、ダンはシラハマが犯人だと見ぬく。
…って、それだけでどうして分かるのだ!? ああっ、隊長まで高笑いしながら犯人が分かったなんて言うし。
私には分からんぞぉ。うぅっ、そうか、このほとんど思い込みに近い直感で真実を見ぬく力こそがウルトラ警備隊に必要なものなのかぁっ!(ぉぃ)
なお今回のダン、宇宙服を着ていたくせに、どうやってセブンに変身したのか不明。画面ではごまかすように見せてたけど。
ちなみにその宇宙服、口の辺りに空気穴のようなものが見えるのは気のせいだろうか…。
そしてセブンの戦いだが、御都合主義的にすぐそばに落ちてくる隕石はいかがなものか。
ここはいつものパターンで、キリヤマとクラタが何か活躍してセブンを助けた方が良かったような。
セブンの影が薄くなるほど大活躍するのがウルトラ警備隊の良さだろうに。
かくしてラスト、全員めでたく生還するが、隊長がダンを見捨ててホークを発進させようとしていたのを見逃してはならない。
もしダンの帰りがもう少し遅れてたら、ダンは置いてけぼりを食っていたことになる。
いつものことだが、非情ですねえ、ウルトラ警備隊。
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第36話 | 「必殺の0.1秒」 | ペガ星人 |
脚本 山浦弘靖 特殊技術 高野宏一 監督 野長瀬三摩地
地球防衛軍が秘密裏に進めている人工太陽計画、その関係者が次々と射殺されていった。
そこで計画の最高責任者であるリヒター博士の来日にあたり、防衛軍の射撃大会で上位入賞したソガたちが護衛につくことになった。
しかし警備も虚しく博士は射殺されてしまう。が、博士は偽者で、翌日本物の博士が来日することになっていた。
一方、ソガは共に警護の任についていた射撃のライバル・ヒロタに不審を抱く。
ソガはヒロタを問い詰めるが、逆に捕まってしまう。ヒロタはペガ星人に操られていたのだ。そしてソガも催眠術をかけられてしまう。
翌日、本物の博士が来日した。が、ヒロタが博士を拉致して逃走する。そしてソガもダンたちの妨害をするが、爆発のショックで正気に返る。
ヒロタを追うソガ。やがて追いつかれたヒロタはソガに早撃ち勝負を挑み、二つの銃声が響く。そして…倒れたのはヒロタだった。
そこへ襲い来るペガ星人の円盤。気を失っていたダンは目覚め、セブンに変身する。
円盤からの攻撃をかいくぐり、セブンは円盤内部に侵入する。そしてエメリウム光線でペガ星人を倒す。
外へ出たセブンは円盤も撃墜し、ここにペガ星人の侵略計画はついえたのだった。
今回はドラマとしてはソガとヒロタのライバル話なのだが、ヒロタがずっと操られたままなのでドラマとしては弱い。そこでそれはさておき。
今回のペガ星人は、地球の気圧に耐えられないので円盤の外に出て来ないという、なんだか情けない奴。
いや、自分の星でも高い山に登っただけでおかしくなることがあるような地球人が情けないなどという資格はないが、生身で宇宙空間を飛ぶ宇宙人が出てくるような作品だからねえ。
しかしペガ星人、ならば円盤の中は自分に適した気圧に調整してあるんだよなあ。
が、一緒に円盤の中にいたソガやヒロタは平気だったぞ。
す、するとペガ星人って実は、地球人ではなんでもないようなちょっとした気圧の変化にも耐えられない、やっぱり軟弱な奴なんだろうか。うーむ。
ちなみにペガ星人がなぜ人工太陽計画を邪魔するのかというと、人工太陽がペガ星人の円盤侵入コースをふさぐから。
はるか遠い星から来るんだから、それくらいよけろよ!と言いたくなるのだが、だめ?
とまあ、なんとなく情けないペガ星人。セブンもそれが分かっているのか、円盤に突入してペガ星人と相対した時、なんと「帰れ」と説得するのだ。
セブンが説得を試みる宇宙人なんていたっけ? しかも聞き分けがなく抵抗するんだけど、あっさりやられてるし。弱いんだよなあ、んー。
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