| タイトル | 登場怪獣/宇宙人 |
第1話 | 「ウルトラ作戦第一号」 | ベムラー |
脚本 関沢新一、金城哲夫 特技監督 高野宏一 監督 円谷一
科学特捜隊のハヤタ隊員は、パトロール中に竜ヶ森上空で青い光を放つ飛行物体を発見して追跡を始めた。
その物体は湖に姿を消したが、また新たに赤い光を放つ飛行物体が現れハヤタ隊員のビートル機と激突し、ビートル機は墜落してしまう。
そして、ハヤタ隊員の体は赤い飛行物体に包まれる。その中にいたのは、M78星雲の宇宙人だった。
彼の話によれば、彼は凶悪な宇宙怪獣ベムラーを追って地球に来たという。そして、自分のせいで死を迎えたハヤタに対して自分の命を与えようというのだ。
彼はハヤタに、困った時に使えと言ってベーターカプセルを授ける。
一方、現地に到着した科特隊の面々はハヤタの捜索を行なっていたが、湖から怪獣が現れるのを目撃する。
その頃、科特隊本部にハヤタ隊員からの連絡があり、フジ隊員は特殊潜航艇を湖に運ぶ。
そしてハヤタからの情報で、科特隊は水中と空中からベムラーを攻撃する「ウルトラ作戦第一号」を開始する。
水中から空中から、ベムラーを追い立てる科特隊。だが、ハヤタの特殊潜航艇がベムラーに捕まってしまい、地上に放り出される。
ベムラーの怪光線で炎に包まれる特殊潜航艇。その時ハヤタは、ベーターカプセルを天にかかげた。フラッシュビームがハヤタの体を包み込む!
そしてハヤタは、M78星雲の宇宙人の姿に変身を遂げた!
巨人となった彼は、ベムラーとの戦いを始めた。壮絶な格闘戦が繰り広げられる。
だがやがて、ベムラーの旗色が悪くなる。ベムラーは青い玉になり、宇宙に逃げ出そうとする。
その時、宇宙人が腕をクロスして光線を放った。その光線を受けたベムラーは木っ端微塵に粉砕された!
こうして戦いは終わった。ベムラーを倒し、またハヤタを助けてくれたという宇宙人。彼はハヤタによってウルトラマンと命名されたのだった。
記念すべき第1話。制作では第5話に当たる。
しかしまさしく、輝かしい第1話だけあって、どこを取っても完璧な話の作り!
…と言いたいところだが、まずウルトラマンが極悪。
どれだけひどい奴かは「ウルトラ兄弟出撃指令」を参照のこと。
自分が殺した相手に向かって、
「フッフッフ、心配することはない」
だもんなあ。おいおい。
それに科特隊も極悪。湖から現れたベムラーをいきなり撃ちまくる。
いくら相手が怪獣だからって、問答無用で撃っていいのか、おい。
ネス湖からネッシーが現れたからっていきなり撃つ奴はいねえだろう。ベムラーなら撃っていいのか?
…って、ああ!
ウルトラマンなら素直にホメちぎれると思ってたのに、やっぱりいつもの調子になってしまった!
しかしとにかく、怪獣やっつけ隊の活躍、危ないところで変身による巨大ヒーローの登場、光線技によるフィニッシュなど、新しいフィーチャーばかりが詰め込まれながら基本フォーマットを完全に確立した話になっている。
それってやっぱり凄いし、いいよねえ。
なおちなみに今回のサブタイトル。第一号なんて言ってるけどひとつしかないじゃないか、とツッコミを入れたくなる人がいるかもしれない。
が、あ・ま・い!
ちゃんとウルトラ作戦第二号は存在するのだ!
それはその時に紹介しよう。フフフ。
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第2話 | 「侵略者を撃て」 | バルタン星人 |
脚本 千束北男 特技監督 的場徹 監督 飯島敏宏
東京上空で、怪電波を発していた飛行物体が消息を絶った。早速消えた地点が割り出され、アラシ隊員が現場に向かった。
アラシはその現場、科学センターに到着するが、そこで硬直した人間を発見する。
そして更に内部を調査しに向かうが、謎の怪人が現れて怪光線を放ち、アラシの体も硬直されられてしまう。
やがてハヤタが防衛軍と共に到着。内部を調査するが、やはり怪人が現れて危うくハヤタもやられそうになる。
そして防衛会議が招集され、その怪人・バルタン星人に対する対策が検討された。
だが、彼らの宇宙船の場所さえはっきりしない状況では、これといった確実な対策は出てこない。
結局ムラマツキャップの、彼らと話し合うという案が採用された。
その大役をイデ隊員が担うことになり、彼はへっぴり腰で内部へ進む。
そんな彼の前にバルタン星人が現れた。そしてバルタン星人は、アラシの体を使って日本語でコンタクトを取ってきた。
そこに現れたハヤタがバルタン星人の話を聞く。
彼らは核実験で故郷を失い、その時に宇宙旅行中だった者達が新天地を求めて旅を続けていたが、宇宙船修理のために地球に立ち寄った。
だが彼らは、地球が自分達に適した星だと分かり、地球に住むことに決めたのだ。その数、20億3千万!
そしてバルタン星人は一方的に話を打ち切った。巨大化してビルの狭間に現れるバルタン星人。その超能力の前には、核ミサイル「はげたか」すら通じない。
街の破壊を始めるバルタン星人。その時、ハヤタはベーターカプセルを手にしていた。
現れるウルトラマン。死闘の末、ウルトラマンの光線がバルタン星人を一撃で倒す。
それこそがバルタン星人の弱点、火星にある物質スペシウムによるスペシウム光線だったのだ。
そして姿を隠していたバルタン星人の宇宙船も発見されて爆破される。かくしてバルタン星人の野望はついえたのだ。
制作第1話。ここからウルトラマンは始まったとも言える。
そこに名スター、バルタン星人登場!その美しい姿と技に酔いしれよ!
制作第1話にして、本編がイデの回想になっているという珍しい構成。
ただ、この話でもやっぱりウルトラマンと科特隊は極悪で、その極悪ぶりは「バルタン星人の限りなきチャレンジ魂」を参照のこと。
大体、謎の宇宙人が現れたからって、いきなり撃つなってばハヤタ!
防衛隊も、巨大化したからって核ミサイルを撃ち込むなってば!
うっうっ、どうしてこう地球人は好戦的なんだ。私ゃ恥ずかしいぞ。
ちなみに防衛隊の長官役は、この人しかいない藤田進。必見だ。
そして今回、科特隊の面々は夜間でも隊員服のまま、仮眠室みたいな質素なところで二段ベッドで寝て待機していることが分かる。
ご苦労様です。でもフジ隊員はちゃんと豪華な個室で寝ているような気がする。
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第3話 | 「科特隊出撃せよ」 | ネロンガ |
脚本 山田正弘 特技監督 的場徹 監督 飯島敏宏
不気味な音が鳴る井戸を調べに行ったホシノ君。フジ隊員も同行するが、井戸に入って調べている時に地震が発生する。
そして不気味な咆哮が響き渡り山崩れが起き、発電所が破壊される。その時、透明な怪獣が目撃された。
科特隊は、フジ隊員からの応答が途絶えたこともあって現場へと向かう。
フジ隊員達は無事に発見されたが、次いで送電所が襲われた。ハヤタとアラシは、電気を吸収すると姿を現す怪獣を目撃する。
次は、関東一円の60%の電力を供給する第3火力発電所が危ない。科学特捜隊は、怪獣ネロンガから発電所を守るために出撃して迎撃態勢を整える。
そして待ち受ける科特隊の前にネロンガの咆哮が轟く。姿なき敵に攻撃を加える科特隊。
やがてネロンガの声が消え、ホッとしかけた科特隊。その前にネロンガが姿を現し、発電所を破壊し暴れ狂う。
一方ホシノ君は、ネロンガに仕返しするためスパイダーショットを持ち出していた。
果敢にネロンガの前に立ちはだかり、スパイダーを乱射するホシノ君。だがスパイダーのエネルギーが切れ、ホシノ君はピンチになる。
そこにハヤタとアラシが駆けつけホシノ君を助け出し、ハヤタはネロンガに突っ込んでいく。
そしてハヤタはフラッシュビームを放った!
ネロンガの前に現れたウルトラマン。ネロンガとの戦いを開始する。
死闘が続き、やがてウルトラマンはネロンガの角を叩き折った。そしてスペシウム光線でネロンガを粉砕する。
かくして科特隊は帰路についたのだった。
ベーターカプセルから、フラッシュビームがくるくる回って出てきてハヤタの体を包み込む。
なかなか見られないこの変身パターンが初お目見え。いかにも、これから体が変わりますという感じ。
ピカッと光るだけでウルトラマンになってしまうのでは、何が何だか分からないしね。
また、「ウルトラマンの太陽エネルギーは地球上では急激に消耗する…」というお馴染みのナレーションも初登場。
カラータイマーという言葉が出て来るのも初めて。
今回で、ウルトラマンという作品の基本設定をしっかり語り尽くしたというところか。
ちなみに、今回のネロンガって凄えブサイク。
いや、造型が悪いとかデザインが悪いとか言ってるんじゃなくて、これは見事に計算され、完成された不細工さではないかと思うのだ。
これだけ汚くてモッサリしてて正面顔がへしゃげてる怪獣って珍しくない?
私は好きだぞ。
ちなみに、ネロンガ対策のため駆り出された兵器の数々。そこになぜか「怪獣大戦争」のAサイクル光線車が混じっている。
相手がX星人でなければ意味がないような気がするが…。(単なるミニチュアの再利用だってば)
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第4話 | 「大爆発五秒前」 | ラゴン |
脚本 南川竜 特技監督 高野宏一 監督 野長瀬三摩地
木星開発用原爆を積んだロケットが事故で墜落した。搭載していた原爆のひとつが海底で爆発した上、いくら調査してもひとつだけ原爆が見つからない。
そして科学特捜隊は原爆捜索の方法について相談された。その頃、フジ隊員はキャップから特別休暇をもらってホシノ君と一緒に旅行に出かけるところだった。
一方、原爆調査船が沈没した。生き残った人は、「白い航跡、怪物、原爆があった」とうわごとを繰り返していた。
その航跡が千葉に向かって進んでいるのが発見された。ハヤタは千葉に向かう。
その頃フジ隊員はホテルでくつろいでいたが、白い航跡を発見。アラシがビートルで現場へと向かう。
白い航跡はホテルに向かってきていた。フジ隊員はホテルの人達を待避させるが、ホテルで知り合った女の子を部屋に寝かせたままなのを思い出しホテルに戻る。
白い航跡の正体はラゴンだった。爆発した原爆の影響で巨大化しており、しかも最後の原爆を体にぶら下げていた。
ホテルを襲うラゴン。なんとかフジ隊員達は逃げ出すが、徐々に追いつめられる。
原爆があるため、アラシのビートルも攻撃することができない。そしてラゴンの攻撃によってビートルは撃墜されてしまう。
イデはラゴンの好きな音楽でラゴンを誘い出すことを思い付くが、狂暴化したラゴンには音楽は通じない。
そしてラゴンはパラシュートで降下しつつあるアラシに迫る。それを見たホシノ君はラゴンの前に囮となって飛び出す。
危機に陥るホシノ君。その時、ハヤタはベーターカプセルを天にかかげた!
ラゴンの前に立ちはだかるウルトラマン。なんとか原爆を奪うが、片手では思うように戦えない。
そして原爆は地に落ちてしまい、落下のショックで起爆装置が働いてしまう。
なんとかラゴンを倒したウルトラマン。そしてウルトラマンは、原爆を持って宇宙の彼方へ飛んでいく。
空の彼方に閃光が見えた。ウルトラマンは爆発と共に死んだのか?
だが悲しむホシノ君の前に元気にハヤタが現れ、ウルトラマンは不死身だと彼を励ますのだった。
冒頭のロケット発射シーン。どっから見ても「地球防衛軍」からの流用。
マーカライトファープでも積んでるのかと思ったぞ。
入隊以来、全く休暇を取ったことが無かったというフジ隊員。
初の休暇を貰うが、なんと隊員服で休暇を楽しむ。
いや、さすがに戦闘時のオレンジの奴じゃなくて、普段の青いブレザーだけど。
休暇中も制服じゃないといかんのか…。大変なところだな、科特隊って。
また相変わらずのイデのお約束のギャグ、古典的過ぎて逆に笑ってしまう。こういうの好きなんだよなあ。
なお今回、早くも異状現象発生。なんとハヤタがウルトラマンに変身後、わずか40秒でカラータイマーが点滅を始めるのだ。
エネルギーの蓄積が足りなかったんだろうか?
貯蓄はしっかりしておかないと人生苦労するよ。
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