そんな時、HEARTのカグラ隊員はエストレーラーでウルトラマンネオスに変身し、怪獣と戦う。
ウルトラマンネオスはゾフィーが派遣した光の国の戦士。 先輩格であるウルトラセブン21と共に、ダークマターの脅威から地球を守るのだ!
平成テレビシリーズのウルトラマンは新設定で登場した。もはやM78星雲からの使者ではなくなっていたのだ。 作品のテーマなどを考えればそれは非常に妥当な選択ではあったのだが、旧作のファンとしては残念な面もあった。 しかーし、そんな思いを知ってか知らずか、このネオスは当然のようにM78星雲からやってきた、宇宙警備隊の戦士なのだ! バンザイ!
そしてその設定はもちろんうまく生きていて、本作にはなんとゾフィーが登場する! 今になってゾフィーの新作映像が見られるなんて! ああ、幸せ。 ちなみに、このゾフィーの声を演じるのは、ティガのムナカタリーダーこと大滝明利。 平成セブンからの流れで見ると、平成セブンシリーズから本作まで、擬闘を担当していることでおなじみだ。 そしてヒーロー大好きな彼は、最後のゾフィーの登場の際には自らスーツに入っている。必見だ。(って、誰が入ってるかなんて分かんないけどさ)
ちなみに当初は、ウルトラファミリーがもっと登場することも考えられていたようだが、残念ながらそれは果たされなかった。 まあ確かにウルトラマンがたくさん現れると話も画面も収拾がつかなくなってくるから、それはそれで正解かもしれない。12話しかないことだし。 しかしその代わり、セミレギュラーであるセブン21が大活躍。ネオスとセブン21のタッグによる戦いは非常に爽快だ。
また、音楽は冬木透が担当。曲のイメージとして「ウルトラセブン」と「帰ってきたウルトラマン」の両方をほうふつとさせるものがあるので、旧作ファンは要チェック。 曲もそうだが、ネオスは初代マンに、セブン21はもちろんセブンにイメージが似ていることもあり、曲と絵の両方からなんとも懐かしい雰囲気を感じ取ることもあるのではなかろうか。 オープニングナレーションは「ウルトラQ」みたいな雰囲気でもあるし。
さて、話の内容の方はどうだろう。 平成テレビシリーズでは、子供の頃ウルトラシリーズを見て育った大人たちの観賞にも耐えられるよう、ドラマ性が重視された。 そして本作の前に作られた平成セブンシリーズ。いかにもセブンらしく、重いテーマをシリアスに描いていた。 が、見ごたえがあるのはそれはそれで喜ばしいことなのだが、そのために難しいテーマを扱いシリアス過ぎるムードになったり、子供には分からない難解なストーリーが展開されるなどでは、ちょっと困りものな面も感じる。 メイン視聴者である子供を置いてけぼりにしてはいけない。
そして現れた本作。平成セブンの次の作品とは思えないくらい、実に分かりやすいストーリーが展開される。 主人公サイドの主張も非常に分かりやすく共感しやすいため、ネオスの戦いも実に思いきりが良く見ていて気持ちいい。 ネオスの勝利こそが作品のテーマの完遂につながるのだし、見ている方もそれに何の迷いも感じないからだ。 ネオスとセブン21が一緒に現れると見ている方も倍以上に楽しめるのは、そういうところからなのだ。 娯楽作品はこうでなくては。
そしてストーリーが分かりやすいからと言って、子供だましの強引なストーリーかというとそうではない。 脚本はしっかりしており、大人の観賞にも充分に耐えられる。 だが子供にも理解できるようなストーリーのため、重いテーマのウルトラマンに慣れてしまった人から見れば物足りないと感じるかもしれない。 ストーリーが単純なのは、テーマが軽めに設定されているからなのだ。 人類の存在意義について悩んだりするような、大きな重いテーマは全く無い。 ミスしてもくじけずがんばってそれを乗り越えていこうぜとか、過去の遺恨にこだわらずに前向きに進んでいこうぜとか、そういったシンプルで描きやすいテーマばかりなのである。 こんな調子なら確かに、暗いムードになったり難解なストーリーになったりすることはあるまい。
登場人物が深刻に悩み、難しいことを考えるばかりがリアルなドラマ作りではなかろう。 ちゃんと説得力を持った展開であれば、明るく単純明快で大人でも見ごたえのある特撮ドラマを作ることはできるのだ。 例えば第1話で、初めて姿を現したネオスに対してHEARTはなんと攻撃を加える。 「ウルトラマンG」でも描かれたこの状況だが、確かによく考えたら、怪獣に攻撃するならウルトラマンに攻撃するのも当たり前ではないか。 こうした細かい描写の積み重ねが、地に足のついたドラマ展開を形作る。
近年のシリアスな展開を見せるシリーズとは違った趣のウルトラマン。 だがストーリーを明快にすることによって、ウルトラマンの魅力、怪獣の魅力、戦いの魅力などを存分に見せるこの作品は、ある意味では原点回帰とも言える。 シリアス系が好きな人も、肩の力を抜いて見てみてはいかがだろう。
身長58メートル、体重5万9千トン。
必殺技はネオマグニウム光線。そのポーズは、前振り付きだが最後にはスペシウム光線のポーズになる。 エネルギーを大量消費するので、うかつには使えない。 そしてスペシウム光線ポーズを取るウルトラマンのお約束として(?)、ウルトラスラッシュも使える。 また、ネオマグニウムエネルギーを右腕に集中させて放つ、ウルトラエディビームという技もある。 その他、額のブロウスポットからは様々な性質に変化させられるウルトラマルチビームを放つ。
身長56メートル、体重5万7千トン。
元々は彼が地球防衛の任に就くはずだったが、担当区域で発生した異変に対処する必要が生じたため、急遽代わりにネオスが派遣されることになった。 そこでセブン21は、可能な限りネオスのサポートとして地球に赴くことを決意したのだ。 地球に来た時は地球人の姿に変身することが多いが、その姿は一定しておらず、事件の度に姿が変わる。 またそこから元の姿に戻る時は、残念ながらウルトラアイのようなアイテムは使わず、そのまま姿が変わってしまう。
しかし必殺技は、セブンならやっぱりこれでしょ、の頭部のブーメラン、ヴェルザード。またの名を21スラッガー。 また、セブンならこれもそうでしょ、の額のビームランプから放つアドリウム光線。 そして、セブンならこれもなくちゃ、の腕をL字型にして放つワイドな光線、レジアショット。
隊員はHEARTスーツとHEARTメットを着用し、HEARTポップという通信機兼用の超小型パソコンを携帯する。 また、アタッチメントによって機能が様々に変化するHEARTダイヴァーズガンを装備する。 更に、巨大なバズーカ砲のごときヒートブラスターという銃もある。
地上移動用には、まず特殊車両ハートビーターSX。最高速度は時速333kmで、レーザー砲やバズーカ砲を装備し、空も飛べる(というか浮かぶというか…)優れもの。 また通常のパトロールには、ハートビーターRXを使用する。特に武装はなく探索などを得意とする車両で、最高速度は291km。
戦闘機としてハートワーマーとハートウィナーを装備する。 ハートワーマーは動く司令室で、現場での行動拠点となる。 ハートウィナーは2人乗りのジェット機で、偵察から戦闘まで何でもこなす。
なお作中には登場しなかったメカとして、ジェットヘリのGJ、潜航艇ターボットSS号、スーパーバイクのソクイード555、小型タンクのダッキーなどもある。
タイトル | 登場怪獣/宇宙人 | |
第1話 | 「ネオス誕生」 | アーナガルゲ |
第2話 | 「謎のダークマター」 | ザム星人 |
第3話 | 「海からのSOS」 | シーゴリアン |
第4話 | 「赤い巨人!セブン21」 | ノゼラ、サゾラ |
第5話 | 「見えない絆」 | シルドバン、バッカクーン |
第6話 | 「ザム星人の復讐」 | ザム星人、ザムリベンジャー |
第7話 | 「生態系の王」 | ロックイーター、キングバモス |
第8話 | 「蘇る地球HEART南へ!」 | ラフレシオン |
第9話 | 「僕らの恐竜コースター」 | キングダイナス |
第10話 | 「決断せよ!SX救出作戦」 | ギガドレッド |
第11話 | 「宇宙からの暗殺獣」 | グラール、ザム星人 |
第12話 | 「光の戦士よ永遠に」 | メンシュハイト、ザム星人 |