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コート・ロティ



Cote Rotie Cote Rotieリヨンから車でローヌの谷を20分下った所にアンプュイの村があります。この付近のローヌ最北部の斜面は狭くて急な段々畑で、古くからワインが栽培されてきました。水はけはいいのですけれども、機械が入らないため、シラー種とヴイオニエ種の栽培は今でも手作業で行われています。
コート・ロティの赤ワインは、長命でタンニンが多く、色が濃く、香りも高い力強いワインで、シラー種(Syrah)とヴイオニエ種(Vionier)で作られています。ヴイオニエ種の割合は多くとも20%を超えず、近年は、よりシラー種の割合が多い傾向のようです。
ここには、8つの一級畑と6つの二級畑がありますが、その中でも特に、コート・ブロンド、コート・ブリューヌと呼ばれる2つの丘が有名です。ギガルはこの2つの丘からから採れるブドウで世界で最も評価の高いレベルのワインを生産しています。
左のエチケット(ラベル)はコート・ロティ・コート・ブロンド・エ・コート・ブリューヌの1986年以前に使用されていたもので、右が現在のものです。



コート・ロティ・コート・ブロンド・エ・コート・ブリューヌ

Rotieコート・ロティ・コート・ブロンド・エ・コート・ブリューヌは、コート・ブロンドとコート・ブリューヌの両地区でE.Guigalの所有する畑と一部の畑から購入したブドウから作られます。品種の割合はシラー種94〜96%とヴイオニエ種4〜6%で、熟成は、オークの新樽に1/3、旧樽に1/3、大樽に1/3の割合で、36〜48ヶ月もの長い間行われます。この、E.Guigal特有の熟成方法が素晴らしいコート・ロティを生み出しているのです。
良いヴィンテージのものは、円熟した味わいとロースト香を含むベリーを思わせる香りを持ち、早くから熟してはいるが長い寿命を持ったワインとなります。古くは、1961年、1964年、1976年、1985年等が良いヴィンテージと言われています。
1990年にCote-Rotie Brune et Blonde La Pommiereというスペシャルボトルが作られたそうですが、これにはまだお目にかかっていません。もう売っていないので、シカゴのオークションあたりを見張っていないといけません。



コート・ロティ・ラ・ムーリンヌ

MoulineMouline1966年E.Guigalは伝説的なワインをこの世に送り出しました。それが、ラ・ムーリンヌです。このコート・ブロンドの約1haの畑のブドウは平均樹齢が80年を超えていて、ここからは、年間400ケース程しか生産されていないにもかかわらず、世界中のレストランに引っ張りだこの状態です。それに加えロバート・パーカーJr.が、このワインに高い評価を与えてからというものアメリカを中心に近年価格があまりにも高くなっています。
コート・ロティ・コート・ブロンド・エ・コート・ブリューヌと同じく、品種の割合はシラー種94〜96%とヴイオニエ種4〜6%ですが、熟成はすべてオークの新樽で行われ、熟成期間は、42ヶ月間です。
一般にコート・ブロンドのワインはコート・ブリューヌに比べるとやや早く熟成すると言われていますが、最低でも10年待たないと飲み頃にはなりません。どのヴィンテージも香りが高く、濃厚で素晴らしい出来栄えですが、1983、1985年あたりがようやく飲み頃になってきたのではないでしょうか。ローヌのワインの力強さを最もよく表現しているワインです。



コート・ロティ・ラ・ランドンヌ

LandonneE.Guigalのコート・ロティの2番目の特別銘柄は1978年にお目見えしたラ・ランドンヌです。ラ・ムーリンヌがコート・ブロンドであるのに対してこちらは、コート・ブリューヌにある約2haの畑で、年間800ケースが生産されています。濃い紫色で、濃縮された味わいと、強いロースト香、豊富なタンニンのこのワインは、ラ・ムーリンヌとは別のバランスの取れた力強さと豊かさを感じさせてくれます。
品種の割合はシラー種94〜96%とヴイオニエ種4〜6%、熟成はすべてオークの新樽で行われ、期間は42ヶ月間とラ・ムーリンヌと同様ですが、いいヴィンテージのものは2倍の寿命があると言われています。このため、最初のヴィンテージの1978年がようやく飲み頃となってきました。



コート・ロティ・ラ・トュルク

Turque1985年E.Guigal社は、エティンヌが独立する前に修行していていたヴィダル・フルーリー社Vidal-Fleuryを傘下に入れました。そのヴィダル・フルーリー社がコート・ブリューヌに所有していた約1haの畑から採れるブドウで作られたのがラ・トュルクです。
ラ・トュルクは1985年のデビュー以来、年間400ケースという生産量もさる事ながら、それまでのラ・ムーリンヌ、ラ・ランドンヌの持っていた評価から来る期待と、例によってロバート・パーカーJr.の高い評価によって、たちまち世界の貴重なワインとなってしまいました。特に同ヴィンテージ特別銘柄3本セットでの購入は他の商品との抱き合わせでしか購入できないといった状況まで引き起こしました。
品種、熟成方法などは他の銘柄と同じですが、より繊細で洗練された味わいに仕上がっているのではないかと思います。もっともまだまだ飲み頃には達していないヴィンテージばかりですので、どのような熟成をしていくのかこれから楽しんでいかなければなりません。と言いつつ既に垂直(ヴィンテージ毎の比較)のワイン会も開かれていますので、このあたりはTasting Reportのページをご覧ください。



コート・ロティ・シャトー・ダンピュイ

E.Guigal社は、コート・ロティで1995年に新しい畑を手に入れました。それが、シャトー・ダンピュイ(Chateau d'Ampuis)です。
いよいよ今年から販売されるそうですが、え!? まだ?
日本に入ってくるのは来年になりそうです。待ちきれませんなあ。


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