楽器を使いたくても隣近所に迷惑を掛けたくないから使えない人多いんじゃありませんか。
このお部屋は
防音室の作り方 究極のアパートの防音室を作りますで作られています。
防音するには次の方法があります。
お部屋の中に新しい防音室を作る
お部屋の中に新しい防音室を作ると理屈上は遮音性能を足し算することができます。
既存のお部屋が30dBの減衰で新たなお部屋も30dBなら足し算してふたつのお部屋の防音性は60dBとなります。
もちろん理屈上でいろんな減衰がありますから実際はそこまで増えませんが壁の増し張りより、はるかに効果はあります。
例えば2重に張った大壁作りのお部屋を2重に作ると壁材は2×2×2=8枚張ったことになります。
防音の基本的な法則である質量則では「防音性能は質量と周波数の対数に比例する」のですが、
例えば1枚張りを2枚張りにすると遮音性は理屈上は6dB上昇します。
対数で増加していますので8枚張りは2の3乗ですから1枚張りを増し張りして8重張りとしも理屈上は6×3=18dB増えるだけです。
普通にお部屋を作れば30dB程度は達成出来ますから新たに2重の防音室を作るのが最良です。
ベースメントを作る
お部屋の中に作る新しい防音室は既存のお部屋の基礎や土台・床を共用してはいけません。
基礎を通じて音が伝わる可能性があるからです。
新たに基礎から作ります。専用の基礎をベースメントと呼んで新しく作っています。コンクリートで厚みは防音室の大きさに因りますが10cm〜20cmです。
ファンデーションを作ります。
防音室は床・壁・天井が必要です。防音性がいずれの部材も必要ですので床にも必要です。
床は直接その下のベースメントに触れるので特別のものが必要です。
床は壁・天井とは違って他の部分と直接触れる部分です。新たに作る重い防音室の荷重をベースメントに伝えられるものでなければなりません。
この床の部分をファンデーションと呼んでゴムの上に合板と石膏ボード重ね合わせてサンドイッチパネルを作ります。剛性と防音性を合わせ持っています。
スーパーストラクチャーを作ります。
ファンデーションの上に壁・天井を作ります。スーパーストラクチャーと呼んでいます。
壁はスーパーストラクチャーウオールと呼んで下地の厚みは35mm・70mm・105mmです。
簡易な35mmは片面張りで、別棟で3重にするとドラムもできるお部屋になります。
70mmは千鳥間柱の両面張りです。別棟で2重に作るとドラムもできる防音室のお部屋ができます。
105mmは同じく千鳥間柱の両面張りです。防音壁内には吸音材と吸音板が入っています。
トリレントと名付け特に高音側の落ち込みが少ない防音壁となっています。別棟ではなくお部屋の中に防音室を作る方法で使います。
千鳥間柱とは
スーパーストラクチャーウオール75mm・105mmは大壁作りといってひとつの下地の両側に壁材を張っています。
普通はひとつの下地の両側に張るのが一般的ですが防音性を高めるために千鳥間柱にしております。
千鳥間柱とは、 大壁作りといって 壁の裏と表に 壁材が張ってある場合 表の壁下地と 裏の壁下地を別々に作る方法です。 普通の壁ユニットも 別々にできていますが
入口ユニットも もちろんできています。
吸音板取付チップも取付済みです。
音が伝わるためには 媒体が必要です。 媒体は 身近にあるものなら空気 それと壁などの固体です。 空気は媒体としては極めて軽いので 減衰の少ない媒体です。
空気の減衰は拡散によるものが殆どです。 それに対して 固体の 減衰については 一様ではありません。
固体は 一度揺れると 減衰は 極めて少なくなります。 鉄製の階段の音が 建物全体に伝わることからもおわかりと思います。
模式図でご理解頂いたでしょうか。 左側は普通の大壁作りです。 一方の壁材の揺れは間柱を通じてもう一方に 伝わっていきます。 右側の千鳥間柱は
音源側の壁材の揺れは 空気のみで隣の壁 (この場合模式図で言えば 右側の下側の壁) に伝わることになります。 糸電話のように 繋がっていませんから
伝導効率は落ちます。 防音に役に立つのです。
出来上がったお部屋の防音・遮音性能を測定します。
実際には難しい方法で計るのですが
簡単な方法で測定します。
騒音問題を解決するため小社ではお部屋の防音 理論編の手法に従って施工しております。下記の施工方法は理論編1の壁天井床の遮音性能を上げる方法を実証するために行いました。理論編で書かれたことをすべて念入りにすると構造に関係なく概ね50Bの減衰を得ることができます。
業務用掃除機を騒音源に防音アパートの効果を確認します。
図面上は全く変わりません。
お部屋の写真もあまり変わりません。
既存お部屋の防音性を高める方法
石膏ボードのような比較的軽い材料の場合は増し張りが効果的です。
石膏ボードを張った上に遮音シートを張ります。
隙間がない方が絶対に良いです。
またその上に石膏ボードを張ります。
防音材間での隙間も皆無にするのが望ましい。
もう少し詳しくは
防音室 普通のアパートを防音アパートにご覧下さい。
新たにクロスを張って出来上がりです。
開口となる窓・扉・コンセント・換気口についても防音処理をします。
お部屋の防音性の測定
このお部屋の防音性について測定します
50dB減衰させることができます。
まず部屋の中に大きな音が出るものを置きます。
実際の音は低音や高音が混ざっていたりするのですが、
低音域の音は遮音しづらいので低音がよく出る機械で測定する方が実際の音と
合っていると思います。
また騒音源の振動が直接床に伝わると板振動伝わるので実際の騒音よりよく伝わってしまいます。
そこで柔らかい台の上に置いて音を出します。
今回の測定はディスクグラインダーを段ボールのはこの上に置いて音を出しております。
部屋の中での騒音は91.4dBと読み取れます。
防音ドアに改造したドア外での騒音レベル
66.8dBと読み取れます。 部屋の中より24.6dB低くなっています。
廊下での騒音 39.5dBです。51.9dB低くなっています。
既存のお部屋の防音性を高めてから中に防音室を作る方法
既存のお部屋の防音性を上げても限度があります。
質量則に従えば質量が2倍になれば6dBの減衰します。
理屈上は4倍なら12dB 8倍なら18dB 16倍なら24dBとなります。
つまり石膏ボード1枚張りを2枚張りすれば質量が理屈上は2倍になっているので6dB向上したことになります。
まったく理屈上ですが16枚張りにすると質量は16倍になるので24dBの減衰となります。
16枚張りにしてやっと24dBの減衰です。
実際は16枚張りは不可能です。
そこで防音性を高めるためにはお部屋の中に防音室を作ります。
騒音問題を解決するため小社ではお部屋の防音 理論編の手法に従って施工しております。下記の施工方法は理論編2の方法です。新たにお部屋を作る方法で実証するために行いました。理論編で書かれたことをすべて念入りにすると構造に関係なく概ね50Bの減衰を得ることができます。
A101の庭に作られた防音室。急ごしらえですので外壁は波トタンを使用していますが防音性のは優れています。わかりづらいですが防音室は気密性が高いので換気は必要です。普通に換気口をしては音が漏れますので換気用のチャンバーを吸気用と排気用のふたつを設けています。
扉は二重扉です。遮音シートを張って遮音性のを上げています。
内部は白のクロス貼りです。排気用のパイプファンもあります。
防音室 BN105
ベランダ右が防音室
防音室入り口
入り口の外扉を開けたところ内扉があります。
内扉を開けたところ 天井はグラスウール吸音材張り
大きさは、1m75cm×1m65cm
防音室の防音性についてのビデオです。
防音室の性能
内部に92dBAの騒音源(ディスクグラインダー)を置いて騒音テストをしてみました。
1枚目のドアーを閉じたときは72dBA
2枚目のドアーを閉じたときは52dBAになりました。
40dBAの減衰です。
ここで言う92dBAは音圧を人間の耳に合わせて補正したもので通常「ホン」と呼ばれているものと同じです。
防音室の構造
防音室の構造はプラスターボード厚9.5mm3枚貼りです。床はコンパネ張りです
防音室の換気
防音室は防音のために気密性が大変高くなっています。
換気装置がないと生命に危険があります。
吸気口と排気口を設けています。
普通に穴だけ開けると
音が抜けていきますのでチャンバーと呼ばれる箱を介在させます。
中に吸音材を張っています。
- 音は曲がっていると伝わりにくい
- 急に広がっていると伝わりにくい
- 吸音材があると伝わりにくい
性質を利用しています。
防音換気チャンバーの作り方
防音室の扉
防音室の扉は
既製品の防音扉を用いるのが普通ですが
重くて扱いにくく高価ですので汎用品を用います。
既製品の防音扉1カ所より汎用品2カ所の方が安価で効果は同じです。
エアコンの防音貫通孔
エアコンの貫通孔は防音上弱点ですが窓の接続部分を斜めにしている間隙の大きなところで図の様な接続しました。
エアコンの防音貫通孔の作り方
- エアコンのドレインが流れるように外勾配にします。
- まず防音間隙の広いところ 手が入るところに貫通孔を開けるのが最善ですが
途中に吸音層があれば必要なところに設けても問題ありません。
- 塩ビパイプ50φを差し込みます。 この時既存壁と新設防音室の壁のパイプは連続させません。
- パイプと各壁の間はシリコーンで塞ぎます。
- エアコンと取り付け後パイプに油性コーキングパテを詰め込みます。
- 防音間隙部分のパイプまわりに防音材を巻き付けます。
防音間隙の中のパイプ継ぎ目部分に油性コーキングで詰めます。
このまわりに吸音材を巻き付けます。
もっと詳しく
エアコンの配管口の防音上の作り方をご覧下さい。
お部屋の大きさを物理的に大きくする方法はありません。
新たに大きくするためにはロフトを作るしかありません。
そしてそのロフトを防音室にすると新しい防音室がひとつできます。
ロフトにはエアコンをつけて涼しく快適に暮らせます。
入り口には扉がついています。
ガススプリングで軽く開閉可能です。