防音室を作った杉原土地の失敗例

園田ロフト付賃貸アパートマンション杉原土地

完全防音室を作るためには失敗もしました

失敗例で防音の基本が見えてくると思います。
防音室付きアパート

防音室を数多く作った私はもちろん失敗も多くしました。
失敗を教訓に完全な防音室を作るようがんばっています。

遮音シートを張った失敗例

遮音シートは便利なシートです。
実際にやかましいところ例えばラジオの上にシートを掛けるとラジオの音が小さくなるのが実感できます。
私も最初これは効果があると思っておりました。
そこで防音室を最初作ったときには遮音シートと石膏ボードを張っておりました。
しかし小さい防音室を作って防音のテストをしたときにその実態がわかりました。
小さい防音室の防音性のが不足するので遮音シートを何層か張りました。
しかし防音性が全くといって良いほど向上しません。
youtubeビデオ で撮りました。

結果の考察

なぜこの様な結果になったか私には理解できません。
しかし遮音シートの性能は遮音性が少しの時に効果高いですが、相当遮音性があるところ(私の感覚ではD-30以上の遮音性:実験したわけではありませんのではっきりとはわかりません)をそれ以上に高める能力はありません。

正しい対処法

少しだけ遮音性が必要なときにのみ遮音シートは使います。

天井裏に吸音材を入れた失敗例

上階と下階の騒音問題は時として深刻です。
上階床と下階天井の間の空間を天井懐(てんじょうふところ)といいますが
ここに吸音材(この場合はセルロースファイバー)を入れました。
セルロースファイバーは細かい綿のようで圧縮空気で隙間に挿入することができるので
天井懐のような隙間にも封入することができます。
コンプレッサーの能力が不足するのでもう一台コンプレッサーと75φ圧力ホースを購入し
圧送器を自作して2m3を挿入しましたが結果は全く同じでした。

結果の考察

上階の床と天井に囲まれた2重壁の様な空間を音が透過するときには固体伝導と共鳴透過というふたつがあります。
共鳴透過には二重壁の間隔と吸音が効果があります。
固体伝導には特に方法はありません。強いて言えば重くすることでしょうか。
上階の音歩く音とか物を落とす音などで固体伝導音ですから
吸音材は役に立ちません。

正しい対処法

1.既存床の隙間を塞ぐ
2.天井を床から独立したものに作りかえる。
3.天井材を重いものにする。
4.天井材を2枚張り以上にする
5.床と天井の間に吸音材を入れる
防音のために上階の床から支持を受けずに作った天井下地
上から支持を受けずに作った天井下地 天井と床との間にはグラスウールを入れています。
防音天井下地に石膏ボード張り
下地に石膏ボード貼り 二重に張ります。

重い壁に石膏ボードを直接張った失敗例

既存の壁は両面に厚くモルタルを塗った壁です。
防音性をなお増すためにシリコーンで石膏ボードを直接直貼りしました。
全くといっていいほど効果はありませんでした。

結果の考察

音が物をどの程度透過するかは質量則の示すところです。
質量則では音の透過率は質量と周波数に反比例します。
一方、音の感じ方はウェーバー-フェヒナーの法則「感覚量ないし心理量は刺激量の対数に比例する」
ことになります。
もともと重い壁に石膏ボードを一体化して張っても質量の増加は数パーセントにしかなりません。
増加分の対数となれば殆ど増えません。
30パーセント以上質量が増すようでないと効果は実感できません。

正しい対処法

1.既存の重い壁の隙間を出来る限りなくす
2.既存の壁とは縁切りした新しい防音壁を新設する
3.既存壁と新設壁の間はできるだけ開けること
  7cm以上が望ましい
4.既存壁と新設壁の間に吸音材を入れる
壁の隙間をなくし吸音材を入れ独立した防音壁を作る
既存壁の穴を塞いで吸音材を入れて新しい壁を作っているところ

大引き根太で床を作った失敗例

通常の床組である大引き根太あるいは大引きのみの床ですが
この様な床のうえに防音室を作りました。
上の壁天井は相当防音性を高めましたが全体としては遮音性が上がりませんでした。

結果の考察

木造の床組はいずれの場合でも剛性質量とも防音壁として作られた壁と比べるともうひとつです。
もっと剛性と質量がある床組が必要です。

正しい対処法

小社ではファンデーションと呼ばれる方法で防音室の床を作っています。
防音の基本は質量と剛性です。
剛性は厚みの3乗に比例しますので厚みを取るべくサンドイッチパネルを採用しております。
小社のファンデーションは38kg/m2あります。
ファンデーションの断面図
小社のファンデーションの断面

上階から下階への音が問題になるので上階の床を増し張りしたり遮音シートを張ったりした失敗例

上階から下階への音漏れは時として深刻です。
小社でも木造の上階の床に合板を増し張りしたり遮音フローリングを張ったりしました。
その他にも石膏ボードを張ったりもしました。
でもカタログにあるほど向上しません。
効果がないとは言いませんが効果が薄いということです。

結果の考察

床はもともと剛性が高くそのため重量もある程度あるように作られています。
そのため少しばかり増し張りしても剛性が高くなったり著しく重くなることもあり得ません。
そのため遮音性が顕著に向上することがないと見られます。
遮音フローリングについては衝撃音の緩和ですから直接関係ありません。

最近のRC造ではスラブ厚を極端に分厚くしたり小梁を入れて剛性を高めたりしているみたいです。
特に小梁を入れて剛性を高めることは効果があるのは理論からも理解できます。
方や木造でも床板を20mmとか25mmを用いて遮音性を高めております。
相当質量と剛性が増しているので上記の方法では改善は無理です。

正しい対処法

1.上階床の隙間を出来る限りなくす
2.上階の床から独立した新しい天井を設置する
3.天井材を2枚張り以上にする
4.天井と床の間に吸音材を入れる

床の防音補強での顕著な向上は無理があります。
小社では新たな防音天井の設置で対処しております。
特に天井材として使う石膏ボードを重ね張りして効果を上げております
大阪近くの賃貸アパート ロゴ
会社概要 お問い合わせ ポリシー loft
賃貸アパートマンション 杉原土地園田賃貸物件一覧表エアコン付無料ワイファイ付カスタマイズ付大阪 アパート 間23分です。ロフト付きアパートお部屋の見学
賃貸アパートマンションのサイトマップ