防音壁の弱点を克服して生ドラムもできる防音室を作る

園田ロフト付賃貸アパートマンション杉原土地

生ドラムが使えるようにするためには防音壁の弱点を取りのぞかなければなりません。

防音室は内部からの音をD-60程度減衰させます。
防音アパート

防音には 質量則と言う 公式のようなものが あります。
遮音性能は 質量と周波数に比例するというものです。
さて この質量則は あくまでも 遮音壁が 平たくて 共鳴しないような構造で
かつ 音が垂直に入射するという前提です。
しかし 実際の遮音壁は 千差万別です。
音も四方八方から 入ってきます。
質量則に従わない ことになります。
従わない所は 二箇所です。
高音側と低音側に 質量則より 遮音性能が劣る所が出てしまいます。
周波数別遮音グラフ 周波数別遮音グラフ模式図

低音側の低減は空気バネによるもの

低音側は 2重壁等に出る効果です。
これは 音圧が遮音壁を押すと
その裏の空気が 反発して押し返す現象が起きます。
裏の空気の反発を 仮想「空気バネ」と言います。
遮音壁には 固有の振動数があります。
同じように 空気バネと言われるように それにも固有振動数があります。
この固有振動数が 同じのときに
共鳴して 音があたかも通りやすくなったように なります。
これが 低音側の低下です。
この現象は 通常の造りの壁では100Hzから400Hz程度の周波数で生じることが多いです。
空気バネを起こす空気層が薄いほど 高い音で共鳴を起こします。
逆に空気層が厚ほど低い音で起こします。
空気バネが起こらぬよう吸音材を入れる方法がありますが
完全には防ぐことは不可能です。
この様な低音域の低減を「低音域共鳴透過現象」単に「共鳴透過」といいます。

共鳴透過周波数を求める理論式

共鳴透過周波数は空気バネの二乗根に比例し壁の質量の下記式で求められます。
(「東京大学大学院工学系研究科 建築学専攻 建築材料研究室 野口・北垣研究室」講義資料より参照)
f=1/(2π)×√{2×ρ×c×c/d×(m1+m2)/m1/m2}
f;共鳴透過周波数
ρ;空気密度
c;音速
d;中空厚さ
m1;片面の壁面密度
m2;もう片面の壁面密度

中空層厚さが変化した場合の共鳴透過周波数


上式に両面石膏ボード12mm張りを中空気層の厚みごとに計算すると以下の表の結果を得ます。
両面石膏ボード12mm
中空層厚さ
単位cm
共鳴透過周波数
単位Hz
1 411
2 291
3 237
4 205
5 184
6 168
7 155
8 145
9 137
10 130
11 124
12 119
13 114
14 110
15 106
16 102
17 100
18 97
19 94
20 92
両面石膏ボード12mm張りの時の中空気層厚さ共鳴透過周波数の関係グラフ
グラフから中空気層の厚みが増すと共鳴透過周波数が低下することがわかります。

中空層厚さが一定で壁の面密度が変化した場合の共鳴透過周波数

上式に中空層厚さ10.5cm(普通の木造の大壁作りの場合の標準的な中空層厚さ)で両面の壁面密度を変化させた場合の共鳴透過周波数を求めます。
中空気層厚さ10.5cm
壁面重量
単位kg/m2
共鳴透過周波数
単位Hz
1 370
2 261
3 213
4 185
5 165
6 150
7 140
8 131
9 123
10 117
11 111
12 107
13 103
14 99
15 95
16 92
17 90
18 87
19 85
20 83
グラフにすると同じようなものになります。
中空層厚さ10.5cmで壁面密度と共鳴透過周波数の関係グラフ
グラフから壁の面密度が増えるほど共鳴透過周波数は低減します。
共鳴透過は2重になっている防音壁には避けられない事象です。上の結果から中空層厚さが厚いほど壁に張る壁体の重量が重いほど低音側に共鳴透過がうつります。

人間の耳は周波数によって聞こえ方が異なります。

人間の耳の周波数別可聴力は下図で表されます。
フレッチャー・マンソンの等ラウンドネス曲線と呼ばれています。
フレッチャー・マンソンの等ラウンドネス曲線
人間の可聴域には限度があります。20Hz以下は聞こえないし可聴力は一定ではありません。
低音側ほど聞こえにくいので共鳴透過周波数をできるだけ低音側にすることが必要です。

もうひとつ大事なことはこの式が成り立つのは両面の壁が独立してあることが前提です。間柱などで繋がっている場合は上式は適用できません。

高音側の低減はコインシデンス効果によるもの

高音側の低減は どのような遮音壁にも起こる現象で
コインシデンス効果と呼ばれています。
その詳細は 入射した音の周波数と
材の固有振動数
(材全体が揺れるような振動数ではなくて 材が波打つように揺れるような 振動です。)
が 共鳴して
あたかも透過しやすくなるような 現象です。
材の固有振動数は 剛性・厚み・面密度の違いによって 異なりますが
厚みが増すほど 剛性が増すほど 周波数は低減します。
即ち コインシデンス効果の周波数も 剛性が増すほど 厚みが増すほど 低音側になります。
コインシデンス効果の周波数は1,000Hzから5,000Hzです。
下図はコインシデンス効果の周波数で高周波側に落ち込みあるグラフです。
なお下図は2重壁になっていませんので低周波側に落ち込みはありません。
単層の遮音壁の遮音グラフ

コインシデンスとは

コインシデンス;coincidence英語で「同時」とか「一致」という意味を持ちます。音の周波数と防音材が波打つような振動数が「一致」するのでコインシデンス効果と言われています。

低減をさせないためには

質量則のグラフより 低減させない方法は 次の方法が 上記のことより 導き出されます。

  • 低音側低減を防ぐため背後空気層を厚くする
  • 低音側低減を防ぐため2重壁ではなく一重で重いものにする
  • 低音側低減を防ぐために背後の空気層に吸音材を入れる
  • 高音側低減を防ぐため遮音材のコインシデンス効果の周波数が著しく異なるものを使う

上記対策の内背後空気層を厚くして吸音材を詰め込み著しく違う遮音材を使った遮音壁のグラフです。
低減をできるだけなくした防音室の遮音グラフ 生ドラムも演奏出来る防音室の防音テストyoutubeで見る

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