楽器を使いたい方に最適です。
小社の防音室の施工は「防音室の施工方法および防音材構成ユニット」として特許第6271797号になっています。
最初はアコースティックギターでした。
普通のお部屋でアコースティックギターを夜半に練習する人が入居者の中にいました。
そこで簡単な防音室ー今考えるとほとんど防音性能がない防音ブースのようなものーを
部屋に設置すると大変入居者に喜ばれました。
音がアコースティックギターだったんでうまくいったのです。
私は防音を当時は甘く見ていました。
何人かの音楽練習者がやってきてその中にチューバ奏者がいました。
チューバは低音の大きな音が出る楽器です。
その楽器に出会って私は防音について深く勉強する羽目になりました。
を知りました。
防音性能を上げるには質量則の示すがごとく遮音材をできる限り重くする必要があります。
しかしそれには限度があります。
既存の家屋にやたらめったら重いものを張り付けることは理論的には可能でも
物理的には不可能です。
防音室を作るたびに防音テストを繰り返して課題が見えてきたのです。
防音テストの結果明らかに低音域の抜け共鳴透過と
高音域の抜けコインシデンス効果を認めました。
これをなくすことが防音への道だという結果になりました。
そこで防音壁を二重にする方法が適切だと考えました。
既存のお部屋の防音性を上げるためには
もちろん二重にしたからといって単純に二倍にはなりません。
これによって
共鳴透過の落ち込みとコインシデンス効果の落ち込みが少なくなります。
既存の建築物の一室を防音室とする施工方法において、
当該防音室の壁及び天井を構築するための壁材及び天井材をユニット化し、これらの壁材ユニット及び天井材ユニットを防音材構成ユニットから形成し、
この防音材構成ユニットは、上下の横枠と左右の縦枠から成る矩形形状の枠体と中間部縦方向に配設される1又は2以上の間柱と、前記枠体内部の背面側に配設された吸音板状体とからなり、
これらの防音材構成ユニットの複数を建築物の一室の壁面に所定間隔を維持して配設固定し、
次に、これら防音材構成ユニットの上に天井面を形成する防音材構成ユニットを配設固定し、
その後、上記防音材構成ユニットが配設された壁面部及び天井面部にスリット部及び/又は孔部が穿設された吸音板を嵌め込み固定し、その後更に前記吸音板の表面側に吸音板状体を嵌め込み固定して防音室を形成することを特徴とする防音室の施工方法。
前記防音材構成ユニットと建築物の一室の壁及び天井との間に更に防音材を配設したことを特徴とする請求項1に記載の防音室の施工方法。
防音室の壁及び天井に配設された前記防音材構成ユニットの表面部に更に防音材を貼り付けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の防音室の施工方法。
建築物の一室の壁及び天井に配設された複数の防音材構成ユニット内に配設する吸音板は、その周縁部において前記縦枠又は間柱及び横枠と間隔を維持して間柱、縦枠又は横枠に固定部材を介して固定したことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の防音室の施工方法。
請求項1に記載の防音室の施工方法において使用される防音材構成ユニットであって、
上下の横枠と左右の縦枠から成る矩形形状の枠体と中間部縦方向に配設される1又は2以上の間柱と、前記枠体内部の背面側に配設された吸音板状体とからなり、
この防音構成ユニットが防音室の壁及び天井に固定された後、これら配設された防音材構成ユニットの内部に複数のスリット部及び/又は孔部が設けられた吸音板を固定し、更にその表面側に吸音板状体を嵌め込み固定することができることを特徴とする防音材構成ユニット。
前記縦枠の一方又は両方が横枠の幅よりも小さいことを特徴とする請求項5に記載の防音材構成ユニット。
前記縦枠の一方又は両方が2本の縦枠によって構成され、これら2本の縦枠の間には間隔が設けられていることを特徴とする請求項5又は6に記載の防音材構成ユニット。
既存の建築物の一室に窓部及び扉部が設けられており、前記窓部は二重窓構造とし、前記扉部は防音扉を使用した二重扉に形成されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の防音室の施工方法。
特許内容には二重壁間の距離は明記されておりません。
できるなら多くとるのが最善です。しかしお部屋が狭くなりますので最小で最大の効果がある距離が次善の策となります。
そこで低音側の透過現象である共鳴透過の理論的な共鳴透過周波数は下記グラフのようになります。
共鳴透過周波数ができるだけ低い周波数(より低音側)にある方が対処しやすいことになります。
10cm近くまで急激に共鳴透過周波数は低くなりますが材料の普通よく使われる寸法の10.5cmを超えるとあまり変化はありません。
ので厚さは10.5cmとします