ロフト付きアパートの暑さ対策をまとめてみました。
小社では夏のロフトの暑さ対策の一貫として屋根に遮熱塗料を塗っています。
遮熱塗料を塗った屋根と未だ塗っていない屋根の温度を測定しその効果をみます。
下記屋根は南向きで隣同士にあります。
未だ塗っていない棟の屋根
遮熱塗料を下塗りと上塗りを塗った屋根
塗装色は白です。
メーカーの仕様によれば「クールホワイト」と呼ばれ全日射の反射率は91.0%(近赤外領域では87.8%)と記載されていました。日本ペイント遮熱塗料カタログ
小社所有簡易輻射温度計で屋根の温度を測定しました。
単純に手で触ってもその温度差は歴然です。
測定日時は2015/05/24午後2時頃
気象庁発表大阪市最高気温29.2度(14時52分)
未塗装面は53.2度
屋根は日光に照らされて手で触れないくらい灼けて熱い温度です。
遮熱塗料塗装面は37.2度です。
触っても大丈夫なくらいの温度です。
ちなみに塗装面での気温は33.1度となっていました。
ロフトの温度上記測定棟ではありませんが同じ南向きのロフトの空き室の温度を測定しました。
この様なロフトで測定しました。
ロフトの天井は輻射温度計では29.6度でした。
お部屋の温度は29.6度でした。
ロフトの天窓を開けて直上の屋根の温度は38.2度です。
測定の結果をまとめると
気温 | 屋根の温度 | |
遮熱塗料塗装屋根面 | 33.1度 | 37.2度 |
遮熱塗料未塗装屋根面 | 53.2度 |
遮熱塗料を塗ったロフトの屋根面の温度 | 38.2度 |
ロフトの天井の温度 | 29.6度 |
室温 | 29.6度 |
気象庁発表の温度 | 29.2度 |
それぞれの壁や屋根を熱がどれくらい通るかについては「熱貫流率(U値)(W/m2・K)」という単位を使っています。熱貫流率が大きいと言うことは熱をよく通すと言うことになります。
例えば熱貫流率がU・A平方メートルの屋根の上の面がT1度天井面がT2度とする時その屋根面を貫流する熱Wは
W=U・A・(T1-T2)で表されます。
上の例に当てはめると
W(塗装面)=U・A・(37.2-29.6)= 7.6U・A
W(未塗装面)=U・A・(53.2-29.6)=23.6U・A
となります。
貫流する熱量の差は
W(塗装面)/W(未塗装面)=3.1
未塗装面は3.1倍熱を貫流することになります。
遮熱塗料を塗るとエアコンの負荷も1/3.1=0.32
68パーセント小さくなります。
明らかに効果があります。
注;塗装前後の室温を同じ温度にしております。エアコンを使ってロフトを同じ温度に設定するという仮定に基づいています。
遮熱塗料は性能が相当上がっております。
遮熱塗料の反射特性は可視光領域では通常の塗料と同じですが
熱としての赤外線領域では
殆ど反射してしまいます。
太陽に照らされても太陽光の熱伝達要素の赤外線の殆どを反射して熱の伝達を
阻止します。
夏の暑い日の日差しを涼やかな日差しにかえます。
塗料の写真 今回小社屋根に塗ったのは2液型シリコーン系塗料で下塗りと上塗りです。
屋根の写真 塗装前
屋根の写真 塗装後
一番遮熱効果(反射率が高い)のある白に塗装しました。
雪が降ったように真っ白な屋根になりました。
一部分だけ遮熱塗料を塗った屋根の上に上りました。
10月頃の日射のある日でした。
塗ったところは太陽に照らされて熱くなっていました。
触れないほどではありませんが相当熱くなっていました。
それに対して遮熱塗料を塗ったところは金属を触った時冷たい感じがしますが
冷たく感じました。
今回使った遮熱塗料は日本ペイント製サーモアイです。
サーモアイは効果がありますが
効果のないものもあるみたいです。
商品名も分かっていますが
記入しません。
遮熱塗料を塗った屋根のロフトと塗らなかった屋根のロフトの気温を比べました。
屋根に遮熱塗料を塗ったロフトの
効果を測定しました。
いずれも
天窓・下のお部屋の窓は閉じ
エアコンは使っていません。
塗っていないロフトは
こんなお部屋です。
塗ったお部屋は
遮熱塗料を塗っていないロフトの温度
遮熱塗料を塗ったロフトの温度
塗ってないお部屋の気温は 40.8℃
塗ったお部屋の気温は 35.6℃
WBGT(湿球黒球温度):Wet Bulb Globe Temperatureは
塗ってないお部屋 40℃
塗ったお部屋は 35℃
WBGT温度とは湿球温度計(濡れた時の温度を測定します)と
黒球温度計(輻射温度が測定できます)とを
加味した温度
5度違うみたいです。
やっぱり効果あります。